『ケルトの神話』 井村君江

ローマ・ギリシャにも通じる多神教世界


ケルトの神話―女神と英雄と妖精と (世界の神話 9)
井村 君江
筑摩書房
売り上げランキング: 889,982

かつてヨーロッパ中に暮らしていたケルトの人々。彼らが遺した神話はキリスト教が広まった以降も、ヨーロッパ文化の古層に深く根を下ろしている。その伝承からケルトの文化、精神を読みとく

ファンタジーの一般教養というべき、ケルト神話の本である
ケルトは単一の民族ではなく、その居住の分布はヨーロッパの大半に及んだものの、固有の国家を築かず各地に部族が点在していた。その様子が現在にあまり伝わらないのは固有の文字を持たず、口伝によって部族の歴史を伝承していたからで、中欧では紀元前1300年から600年にかけて「ハルシュッタット文化」といわれる高度な文化圏が存在したことが分かっている
ケルト人は長身で金髪であり、戦車と投げやりで戦う「戦士」階級と神から神託を受ける「ドゥルイド神官」が二つの支配階級に、一般庶民は奴隷同然の身分だったといわれる
ヨーロッパ大陸のケルト人に関しては、カエサルの遠征記『ガリア戦記』などがあるものの、それはあくまで征服した側の立場で書かれている。ケルト人自身の価値観を探るには、彼らが語り継いできた神話を読み解いていくしかないのだ

ケルト神話がもっとも原型をとどめているのは、“島のケルト”アイルランドに遺された神話サトクリフの小説で読んだクー・フリンやフィン・マックールの物語だ
アイルランドにキリスト教の布教に来た聖パトリックは、幸いなことにケルトの神々を邪神とは扱わず、土地に伝わる伝承を弟子たちに記録させていた
『侵略の書』(10世紀)によると、大洪水を生き残った男フィンタンが語る物語があって、5つの種族がアイルランドの島にやってきたという。5つの種族とは、(1)バーホロン、(2)ネメズ、(3)フィルボルグ、(4)トゥアハ・デ・ダナーン、(5)ミレー族
5番目のミレー族クー・フリンらの王国で人間の時代に入る。クー・フリンの父、太陽神ルー(ルグ)は「トゥアハ・デ・ダナーン(=ダナーン神族)」にあたり、ダナーン神族はミレー族との戦いに敗れて、海のかなたか地中深くに逃れて、「目に見えない種族=妖精」になったといわれる
ケルト人たちはストーンヘンジなどの巨石文明の謎を神々に託したのだろうか
グレートブリテンの歴史自体、ケルト人の後に、ローマ人、ノルマン人が乗り込んで織りなしており、大陸からの移民の波が伝承として遺されたのかもしれない
本書では多くのファンタジー物の元になったケルトの神々を表情豊かに紹介しているので、小説やゲーム作品のタネ本としても面白い


関連記事 『炎の戦士クーフリン/黄金の騎士フィン・マックール』


ティル・ナ・ノーグ ~悠久の仁~
システムソフト・アルファー (2009-04-29)
売り上げランキング: 49,935

ケルト神話のRPGというと、思い浮かぶのは『ティルナノーグ』
管理人がプレイしたPC版は、シナリオジェネレータ機能と言いつつ、パターンが限られたり、仲間が勝手に行動してパーティを外れていったりと困ったことがあったものの、いろんな種族を使える楽しさがあった
上記のPS2版は、悪い部分がのこって見かけだと良くなっただけのよう。アルファーは基本、これである
値段が安ければ、ゲーム性の確認がてらやるぐらいか
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