ナポレオン占領下のドイツで、ウィル・グリム(=マット・デイモン)とジェイコブ・グリム(=ヒース・レジャー)は民間伝承の知識を生かして詐欺師として飯を食っていた。焼きが回って捕らえられた彼らはフランスの将軍の命で、多くの少女が魔女にさらわれた事件を解決することになる。事件の村には妹二人を失った女狩人(=レナ・ヘディ)がいて・・・
子供向けの軽いファンタジー映画だった(笑)
役者さんは悪くないし、ドイツの森が舞台なので雰囲気だけは重厚だ。が、やっている中身が軽い
全体的にテンポが速すぎて詰め込み気味。内容が薄いから話にはついていけるだけで、ドラマの出来としては疑問。もう少しメリハリが欲しかった
wikiを読む限りでは、製作がさまざまな事情で遅れていたようなので編集に手間がかけられなかったのかもしれない
しかし、このグリム兄弟は史実のグリム兄弟とはかけ離れ過ぎ!
映画では兄の名がウィルで、弟がジェイコブになっているが、実際は名前が逆。病弱なのはウィルの方である
この頃、兄の方は図書館員として働いていて、弟は病気療養のためオーストリアのザール地方に保養に出ている
伝承に詳しいという設定だけ頂いて、詐欺師とはひどい(笑)。化けて出るぞ!
グリム童話をモチーフしたシーンが何カ所かあるが、それも小出しで一発芸止まり。鏡の女王もグリムというより、ドラクエ風味だ
アクションシーンは凝り過ぎて混沌としすぎている。ハリウッド映画なのになんでこんなぐちゃぐちゃになってしまうのかなあ
途中は『もののけ姫』のような展開かと思いきや、単なる勧善懲悪で終わってしまった。人を簡単に殺す割に、主人公たちやさらわれた少女は簡単に生き返る。いくら何でも興ざめである
正直、子供にもかえって良くないと思われるが・・・
同じファミリー映画でも、前に見た『アンデルセン』の方が数倍洒落ていて良かったがな
監督の話によると、一番いいシーンは構成の都合上お蔵入りなったらしい。そのシーンは序盤に出すつもりだったが、そうすると後のシーンがだれてしまうので端折ったというのだ
要するに、失敗作ってことか・・・
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*09’4/17:追記
否定的なことばかり書いてしまったが、シーン一つ一つはそれほど悪くない。アクションシーンもちゃんと整理されていれば、かなり面白かったはずだ
ただ、テンポが速いためにみづらい作品になっている
お馬鹿映画ならお馬鹿なりにちゃんと作ってもらいたかったな
*23’6/8 加筆修正