『ダーク・タワー 第2部 運命の三人』

単なる仲間探しにあらず


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黒衣の男の予言から、ローランドは西の海を目指す。海辺にはロブスターに似た奇怪な怪物に、謎のドアが浮かんでいた。ドアの向こうにあるのは、ヘロイン中毒者の男、両脚を失った黒人女性、子供を突き落とす快楽殺人鬼の人生。片手の指を失い、敗血症にかかったローランドは、現代の人間世界の住人に乗り移り、生き延びることができるのか

第一巻とは、まったく違った冒険が待っていた
冒頭にローランドは黒衣の男が言っていた海に到着するが、ロブスターのような化け物に片手の指を落とされて、両手拳銃ができなくなってしまう。劇場版のような神がかりアクションが、いきなりできなくなってしまったのだ
そこから始まるのは、新しいガンスリンガーを募る旅である。海辺に佇む三つのドアを通じて、現代の世界でそれぞれとある人間に乗り移って、自分の世界に引き込んでいく
特徴的のは、細かく視点を切り分けているところで、章ごとにローランドと乗り移る対象のみならず、端役の視点にも立ってどう見えるかまで描かれている。上巻は少しかったるいぐらい細かいが、作家の腕力を感じる趣向である

ひとつ目のドアの向こうでは、薬の運び屋をやるヘロイン中毒者エディーに乗り移り、彼のピンチを切り抜けることで仲間にする
しかし、二つ目のドアにいたのは両脚を失って車椅子の乗る黒人女性だったが、これが二重人格。電車に突き落とされたのをきっかけに、淑女のオデッタ悪女のデッタに人格が分かれた多重人格者であり、デッタが万引きで追いかけられているときにローランドは連れ込んでしまった
……と、どれも一筋縄ではいかないし、そもそも味方にしてどうするんだという人物ばかりなのだ

物語は進むごとに、単なる仲間集めではなくなってくる
エディはまた、まともに協力するが(かなり毒づくのだけど)、オデッタ=デッタはどの人格が出るかで正反対。デッタのほうが出現するや、白人二人を悪党扱いして敵視するして、お荷物以上の爆弾と化す
そういう存在だと分かっているのに、頼れる相棒となったエディーがオデッタの人格に惚れてしまい、とんでもない窮地を呼んでしまうのだ
それを解決するのが、三人目の快楽殺人鬼。彼は第一部の少年ジェイクを殺して、オデッタを電車に突き落とした張本人なのである。彼のような人物をどう使って危機を乗り切るか、終盤のジェットコースターな展開が凄まじい
第一部が19歳の作品をリライトしたものだが、第二部は1987年、40歳と脂が乗りきったときに書かれたものであり、いよいよローランドの奇妙な冒険が始まるといったところだ


次巻 『ダーク・タワー 第3部 荒地』 上巻
前巻 『ダーク・タワー 第1部 ガンスリンガー』
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