『パラケルススの魔剣』 山本弘

ゲームはPC98のみの発売なので、今となっては幻の一品
ニコ動の生主さんで、近々やってみるという人がいるので楽しみにしている





ラプラス事件から7年後、1932年。フリーのライターであるモーガン・ディランとその旦那である探偵アレックスは、イギリスの心霊研究会に招待された。そこで市井の発明家ビンセントと再会した二人は、研究会のスポンサーである出版社の社長フィリップ・A・スミス氏に本物の霊能力者である少女フランカに引き合わせる。彼はフランカの幻視を調査すべく、モーガンたちにヨーロッパ大陸への取材旅行を持ちかけるのだった。モーガンにパラケルススの短剣を魔除けとしてプレゼントして……

『ラプラスの魔』から続く、ゴーストハンターシリーズの続編である
本作もまずゲームの企画から始まって、そのノベライズという形なのだが、ゲームの製作が終わるまで連載が延びた関係で、上下二巻のスケールの大きい長編小説となっている
前作の生き残った主要人物、結婚したモーガンアレックス、奇抜な発明家ビンセントに、あの魔術師、草壁健一郎も登場。新たな仲間として、強力な超能力者である少女フランカ、「神聖なる獣」の一員だったゲルハルトが加わり、敵役はナチスの親衛隊に守られたオカルト集団!
そして、その裏にはヨーロッパ大陸を越えて地球圏全体に関わる謎の黒幕がいるという、1930年代の情勢と当時もてはやされたオカルティズムや奇抜な定説を盛り込んで壮大なスケールの冒険小説となっている
その一方で、ライトノベルの範疇に入るコミカルなキャラクターと活劇に、作者入魂のエロティシズム(!)もあって、入りやすい作品となっている

作品世界の材料となっているのは、20世紀初頭から流布されたオカルティズムである。もっとも、この頃は相対性理論や量子学がまだ一般に理解されていない頃であり、今から見ればオカルトとしか思えない、突拍子もない学説が一部に信じられた時代でもあった
冒頭の心霊研究会(SPR)は実在の組織であり、イギリスの首相を務めたA・J・バルフォアが会長を務めていたり、作家コナン・ドイルルイス・キャロル心理学者のカール・ユングが会員になっていたこともあった
先史思想研究会のヘルマン・ヴィルト、作中のダッハウで会うカール・マリア・ヴィリグート、生体実験に手を染めるジクムント・ラッシャーは実在の人物であり、太陽系の起源を高温の天体に巨大な氷がぶつかったことから生まれたというヘルビガーの宇宙氷理論はナチスに支持され、ドイツで支配的な地位を築いてしまった
他人の批判を受け付けない独善的な世界観が、とんでもない悲劇を招くという警句は、トンデモ本批判で有名な作者の面目躍如だろう


前作 『ラプラスの魔』
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