【PS配信】『ヒミズ』

ヒミズとは、モグラの一種。浅い地中に住み、夜は地表を歩くこともあることから、日を見ない=「日見ず」と名付けられた


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震災から復興しつつある福島。大きな池で母親(=渡辺真起子)とボートハウスを営む住田祐一(=染谷将太)は、ただただ‟普通の人生”を望む変わった少年だった。しかし、借金を背負った父親(=光石研)と貸したヤクザに暴行され、ある日父親を殺してしまう。住田に片思いの茶沢景子(=二階堂ふみ)の心配をよそに、住田は包丁を片手に‟悪党”を探して街を彷徨する

この監督らしい(?)壮絶な作品だった
製作準備中に東北の震災があり、舞台が被災地に変更されていて、住田の友達が原作の同級生ではなく、家を失ってホームレス化した被災者となっている。住田と茶沢の家庭は崩壊しているが、そこに震災が加味されて親が子に「死んでほしい」という異様な状況を少し視聴者の側へ引き寄せられている
本来の作品のテーマは「普通に生きたい」と願ってそう生きられなくなった少年が、「せめて世の中の役に立って死にたい」と包丁を持って街をうろつくという彷徨える良心、正義。修羅場にかかるテレビで宮台真司氏が出演したのも、これが本題ゆえだろう
こうした重たい作品ながら、一点に陽気を背負うのが二階堂ふみ演じる茶沢さんの存在だ。到底、中学生とは思えない豊満な肉体と色気なのだが(笑)、彼女が動き回るだけで雰囲気が一変するのである。改めて、すごい女優さんだと思った
茶沢さんの死を望む両親がわざわざ苦労して赤い絞首台を作るとか、彼女におよそ中学生らしからぬ長台詞を吐かせるとか(Vガンのウッソかよ!)、演劇的な要素が目立つものの、長い尺が気にならない名作である

住田は父親を殺したことから「普通の人生」に戻れないとして、この先は「おまけ人生」と称し、せめて世の中の役に立とうと‟殺していいクズ”を探して街へ出る
が、実際に街には殺してよさそうな悪党にはなかなか出会えない
最初は親父の借金を取り立てた闇金融を尋ねるが、借金はすでにホームレスの夜野によって返済されていた。自分の計画をダメにした夜野に対して、住田はキレて絶交する
次は罪のない人を襲う通り魔を殺そうとするが、通り魔事件を防げただけで‟ただのいい人”に終わってしまう。そして、クズだと思った通り魔が、実は自分と同じく「何をやっていいか分からず、彷徨っている人間」だと気づいてしまう
同じような通り魔になるには、彼のプライドが許さない。結局彼は回り回って、ボートハウスへ帰ってくる
彼を自殺の衝動から救ったのは、ストーキングともいえる茶沢さんの愛。しかしこれ、裏を返すと、彼女ぐらい強く引き留める人間がいないと「普通の人生」に引き返せないということでもある
ホームレスのおっちゃんたちとの温かい宴会はともかく、彷徨える男たちがそうそう、そんな存在に出会えるはずもなく、希望あるラストの裏に絶望も感じてしまった


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