【DVD】『ゾディアック』

実在の事件を扱っているが堅苦しくなかった

ゾディアック 特別版ゾディアック 特別版
(2008/07/09)
ジェイク・ギレンホールマーク・ラファロ

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有名な連続無差別殺人事件の映画なのだが、余り陰惨な雰囲気はない
冒頭から軽快なポップスが流れ、その中で最初の犯行が行われる。その後の犯行シーンそのものはどれも生々しいが、流れるBGMは妙に軽い。なかにはスリラータッチのシーンも用意されているが、洒落た編集もされていて見ていて楽しかったりするのだ
おかげで見ていてダレることはなかったが、実在の事件を楽しく撮ってしまったいいのか、とも思った
が、DVDに収録された関係者のインタビューを見てそれにも納得。事件の悲惨さを強調しすぎると犯人に妙な伝説やカリスマ性を残してしまう。だから、これは不幸な事件だが、同時に凡庸な男が仕組んだセコイ事件として撮りたかったらしい

ゾディアックを追う三人の男、風刺漫画家ロバート・グレイスミス(=ジェイク・ギレンホール)、敏腕記者ポール・アヴェニー(=ロバート・ダウニー・Jr)、殺人課刑事ディヴィッド・トラスキー(=マーク・ラファロ)の視点で描かれる。この三者の視点を軽快に切り替えていくことでゾディアックの暗号文を巡る大新聞同士の喧噪、管轄がまたがる広域犯罪に対する警察の混乱、膨大な偽情報に錯綜する捜査など当時の状況が多角的に分かりやすく撮っている
これほど社会問題化した事件だったとは知らなかったなあ
ドラマとして面白いのは、この三人の微妙な関係。漫画家は事件に関わりたいが、記者と刑事は邪魔にしか思っていない。記者と刑事は仕事の立場上、犬猿の仲と言っていい。そんな彼らが時を経て一瞬でも協力し合う姿というは微笑ましい。刑事が記者に「失せろ」と言ったすぐ後に「でも情報はくれ」と付け加えるシーンにはニヤリ
だが、つかの間の蜜月も長くは続かない。ある者はフェイドアウトし、ある者は無念にも事件から離れていく。一期一会なのだ。残った者が彼らの意志を背負っていく姿は心打たれる
惜しいのは事件の経過を追う余り、事件から手を引く二人の心情を追い切れていないところかな。ただ、これは映画の主旨を考えると仕方ない

シリアスなテーマながらも、軽快なテンポ、ユーモア、サスペンスと娯楽性で高度なバランスがとれた映画だった。二時間半の尺ながらまったくだれない。少々ペースが速く情報量が多いのが難だが、話のキモを理解するのに問題はなかった
とにかく事件の真相追求にこだわった緊張感ある映画でしたね

監督デヴィッド・フィンチャーの事件へのこだわりがまた凄い。撮影で殺害現場を再現するために木までよそから引っこ抜いちゃうのだ。黒澤明さながらである。いかにもセットぽいシーンもあって予算が豊富とも思えないが、その執念たるや凄まじい
これを撮った人が過去に『セヴン』『ファイト・クラブ』を、今上映されている『ベンジャミン・バトン』まで撮っちゃうというのは不思議なもの。特に『セヴン』は連続殺人事件を題材にしているし、この映画と何かつながりがあるのかな
これからも注目していきたい監督さんですね
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