『球団と喧嘩してクビになった野球選手』 中野渡進

昔のやきゅつくだと、140キロ後半の速球投手だった。現実には、140台前半しか出なかったというのが意外


球団と喧嘩してクビになった野球選手 (双葉文庫)
中野渡 進
双葉社 (2014-03-13)
売り上げランキング: 71,033


四年間、実働1年間ながら、横浜には語り継がれる野球選手がいた。その名は中野渡進。歯に衣着せぬ男の半生
タイトルの「球団と喧嘩してクビになった選手」やや偽りあり。本気で喧嘩しそうになったのは、肘のリハビリを終えたあとに戦力外を通告された際であり、喧嘩したからクビになったわけではないのだ
自他ともに認める口の悪さが評判で、知らぬうちにフロントに嫌われたのはさもありなんだが(苦笑)、不思議と直接に被害を被った先輩や同僚に親しまれるキャラクターの持ち主。引退後に開いたもつ鍋屋にはいろんなチームの選手や野球ファンが集い、現役後の身の振り方を考える相談室の役割を担ったという
選手時代から料理には一家言あり、まるでもつ鍋屋になるために野球をやっていたかの如し……
が、少し調べたところ驚愕の事実を掴んだ。本書が出版された数ヵ月後に「もつ鍋わたり」が閉店していたのである

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今はもの作りの職人を目指しているという。本書は一区切りつけるつもりで書いたのだろうか

プロには四年間しかいなかったからか、当時の横浜ベイスターズのことについてはイマイチ分からない。中継ぎとして活躍した2000年には、98年の日本一メンバーが数多く残っていたものの、その後に谷繁をはじめ多くの選手が流出したことが触れられるのみである
球団の暗黒時代の告白を期待すると、肩透かしだろう
むしろ興味深いのは、高卒後の社会人時代のことだ
“ミスター社会人”西郷泰之との対談では、社会人野球の実態が赤裸々に明かされる
高卒で入社する人間の手取りは十数万、下手すれば10万を割る。その待遇で我慢するのは、プロの目にとまることを期待してだ
しかし野球チームを持つ会社からすると、有力選手が流出して戦力ダウンするのは避けたい。チームが都市対抗などで活躍することで、会社の知名度やモチベーションにつなげる狙いがある
そのために会社側はスカウトの連絡を選手に伝えなかったり、とプロ野球への入団を妨害するケースもあったそうだ。世話になった会社の慰留を突っ切って、プロへ行くのは尋常な覚悟ではできないことであり、会社を辞めてプロテストを受けた著者の勇気を社会人時代の仲間は称賛する
その一方で社会人野球には独特の一体感があり、熱烈な応援ともに負けると会社の顔に泥を塗ったと手厳しい反応に出会うことも
都市対抗野球独自の制度として、敗退したチームから同大会のみ、選手を補強できる「補強選手がある。西郷泰之東芝など三菱自動車以外のチームで都市対抗野球の優勝に貢献し、「優勝請負人」の異名を持ったそうだ
著者本人もさることながら、登場する有名選手がみな個性的。巻末の小宮山悟による中野渡評がやけに冷厳で、野球選手のいろんな側面が見られる一書である
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