『ブラック・ダリア』 ジェイムズ・エルロイ

表紙はリアルの被害者!
解説によると、”ブラック・ダリア”の由来は漆黒の髪をダリアの花に見立てたとか


ブラック・ダリア (文春文庫)
ジェイムズ エルロイ
文藝春秋
売り上げランキング: 200,384


1947年1月15日、ロス市内で女性が惨殺された。女優に憧れて東海岸からやってきた彼女の名はエリザベス・ショート。一介の巡査だったバッキー・ブライチャートは元ボクサーのつながりから、特務課のリー・ブランチャートに引き立てられるも、この通称「ブラック・ダリア事件」に巻き込まれて数奇な運命を辿る。はたして彼女を殺したのは……

『L.A.コンフィデンシャル』で有名な「LA四部作」の第一作
実在の殺人事件「ブラック・ダリア事件を題材しながらも、主役であるバッキー・ブライチャートに、相棒のリー・ブランチャートその“ルームメイト”であるケイ・レイクの三角関係が絡んで、先が予測できない複雑な展開を遂げる
視点は主人公の一人称で舞台がロサンゼルスというと、レイモンド・チャンドラーを思い出すが、この作家さんもあまり説明を交えずに文章を進めていくし、一つの事件にまったく無関係なような筋をぶっこんでくる手並みなども共通している
ただし、作品の性格はまったく異なる。シリーズものの主人公ではないので、バッキーは自らの生い立ちと選択に生々しく苦しみ続ける。事件の解決と同時に、人間の内面を描ききった濃い濃い長編小説なのだ
終盤のどんでん返しの連続には、やり過ぎとも感じてしまうが、2、3本の作品が混ぜ合わせたような濃さには圧倒され続けた

作者のジェイムズ・エルロイは、アメリカのタブーを取り上げることから「アメリカ文学界の狂犬」と言われている(「mad dog」の語感は、日本語で「荒くれ者」の意味らしく、けっして悪いイメージではない)
本作では「ブラック・ダリア事件」を取り上げつつも、当時の警察や治安状況を忠実に書き記し、終戦直後の復員でごった返すアメリカ社会の混沌を描ききっている
ブラック・ダリア事件に際しては、警察幹部が事件のイメージを膨らませて自分のお手柄にしようと新聞社を買収。方々で軍人の相手をしていたエリザベス・ショートに、清純な美女のイメージを作り出す
新聞を大きくにぎわせたことから、数百人の自供者が発生。そこから真の情報源を探すべく、警察は拷問紛いの行為で振るい落とそうとする。明らかに罪や弱みを抱えた人間に対しては、主人公たちも容赦なく拳を振るう
なるほど、捕まったらまず弁護士を呼ぶ社会ができるわけである(苦笑)。呼ばなきゃ、自分を守れないのだ
超有名なランドマーク「ハリウッドサイン」が、元は「HOLLYWOODLAND」と「LAND」が付いていたとか、リアルな40年代のLAが体験できる作品である


次作 『ビッグ・ノーウェア』

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