【DVD】『蘇る金狼』

今のドラマには、セックスとバイオレンスが足りない


蘇える金狼 デジタル・リマスター版 [DVD]
角川エンタテインメント (2009-10-23)
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東亜油脂で働く平社員・朝倉哲也(=松田優作)には、裏の顔があった。プロ顔負けにまでボクシングで肉体を鍛え上げ、白バイ警官に扮して一億円を強奪。それを麻薬に変えるため、薬の売人であるヤクザや黒幕の市会議員までのしてしまう一匹狼の悪漢! 上司の経理部長(=成田美樹夫)愛人・京子(=風吹ジュン)を寝取り麻薬でたらしこみ、会社を巻き込む大汚職事件を嗅ぎつける

かなり乱暴な映画であった(苦笑)
冒頭から凄い。いきなり一億円を強奪して、そのトランクを会社に持ち込んで悠々と仕事をしているのである。見え見えのズラと、いかにもな大ぶちの眼鏡が、あまりに松田優作と不似合いで大笑いしてしまった
このヘボい扮装をした主人公が夜には好き放題に大暴れするので、只野係長が暗黒化したような感じなのだが、実際に漫画のほうでそういう影響を受けているのかもしれない。ちなみに原作小説には、ヘボく見せかける設定はなかったそうだ
作品としてはエピソードの繋ぎ方がかなり雑である。強奪した一億円のナンバーを控えられたから、麻薬に変えようというのだが、あまりに手法が乱暴で派手過ぎる。ボクサーとしての背景はあるにしても、ランボー顔負けの立ち回りはないだろうに(笑)。すべては松田優作だから許されるバランスである
リアリズムより鬱屈した会社員の願望を優先していて、山場で東亜油脂の経営陣を脅しつける場面にそれが象徴されている気がした

しかし、タイトルの『蘇る金狼』とはなんなのだろう
東京オリンピック直前の高度成長期で、社内の主人公のように人間が組織に飼い馴らされていく時代に、飼い馴らされない狼のようにということなのだろう
中盤以降、朝倉は表の世界で権力の階段を登ろうとする
会社の大株主となって社長の娘と婚約、ランボルギーニで朝の路上のど真ん中を走り抜ける。仮面のついた椅子に口づけする場面は、下克上を達成したと同時に体制に取り込まれることを意味していて、それは狼でなくなることでもあった
アウトローの世界に置いて行かれると思った女に刺されるラストは、整えられた社会では狼が存在しえないことを物語っているようだ。もっとも、男も狼に戻ろうと、海外への高飛びを考えていたのだが……
構成が残念で映画の出来としてはイマイチなのだが、風吹ジュンの、今では信じられないほど濃厚な濡れ場とか、役者さん的には非常に見所の多い作品だった


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