『多重人格探偵サイコ』 第7巻・第8巻

大塚英志氏が「9・11でビルに飛行機を突っ込ませるのは、サブカルの想像力」と言うのは、原作の漫画でやっていたから


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第7巻。伊園美和とその一味がハイジャックした旅客機に、西園信二が姿を現した。ハイジャックを鎮圧するためだと思いきや、むしろジャンボ機を御恵てうのいる実験船にぶつけようと使嗾する
てうの実験船には、“オリジナル”の雨宮一彦がいて、摩知たちに驚きの真相を明かす。雨宮一彦は西園信二の人格を安定させるための、プログラム人格だというのだ
ガクソは西園信二という殺人鬼の人格を作り出して転移する実験をしているのだが、当初の目的は1960から70年代にかけて伝説的なミュージシャンにしてカリスマ的殺人鬼であるルーシー・モノストーンを再生させるものだったという

第8巻。オリジナルの雨宮一彦は囚われの西園弖虎から、西園信二を引き抜こうとしてダミーの自己破壊プログラムを渡されて自滅する。人間の脳をコンピュータに見立ててウイルスを送るとか、サイバーパンクにしても飛躍している(苦笑)
西園信二は伊園美和を撃てず、美和は脱走した西園弖虎へ雨宮一彦の人格を引き渡す。これにより弖虎の精神は安定し、墜落した旅客機から降りた西園信二と対峙した。西園は警察の特殊部隊に射殺され、弖虎へ新たな雨宮一彦=西園信二が引き継がれることに。まさかの主役交代である!
これにて雨宮一彦の過去を巡る一件には、ピリオドが打たれたようで、後半からは笹山伊園摩知に、チビの捜査官天馬うらん、ルーシー・モノストーンの甥(!)なる人物を加えて、新たな猟奇殺人事件に挑むのであった

一区切りついたので、ここまでの総括をしておこう
一言でいうと、かなり行き当たりばったりである(苦笑)。過激な設定だけ決めておいて、その場その場で話を転がしていく都合で、キャラクターが消費されていく。普通の漫画では考えられないスピードで消費されるので驚かされるが、余り先のことを考えていないからこそ、できる芸当なのだろう
殺人鬼の人格を植えつけられただけなのに、なぜ殺しの腕まで上達するのか、などの身体論しかり、細かい考証には大穴が空いているのだが、天晴れなぐらいキャラクターが消されていくので、見世物として成立している
原作者が『物語消費論』を書いただけあって、「昨今のサブカルチャーはかくのごとし」とその傾向をあげつらうためにやっているのかもしれない
もっとも実際には、巻を追うごとに登場人物を増やして切りきれず、プールされて重荷になっている作品のほうが多い気もするが


前巻 『多重人格探偵サイコ』 第5巻・第6巻

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