『ペリリュー・沖縄戦記』 ユージン・B・スレッジ

他のFCブログへコメントしようとしたら、「不正な投稿」だと言われて拒否られてしまった
相手さんのブログにNGされてるわけではないとはずなので、単なるバグだと思うのだけど……


ペリリュー・沖縄戦記 (講談社学術文庫)
ユージン・スレッジ
講談社
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アメリカ人から見た太平洋戦争は、いかなるものだったのか。ガナルカナル、ペリリュー島、そして沖縄の激戦地を体験した海兵隊の一兵士の記録
著者は戦時に志願兵として海兵隊に入り、戦後は生物学の教授になった人。異色の人物に思われるかもしれないが、民間人が戦争に召集されるのが普通の時代では、こういう経歴の方はたくさんいたようだ
所属したのは第一海兵師団であり、『バンド・オブ・ブラザーズ』のスタッフが製作した『ザ・パシフィック』でも著者の体験が中心的な位置を占めている
本書では敵味方が悪鬼と化す、戦場の地獄が余すことなく書かれている。当時の著者は、友軍兵士の死体に残酷な悪戯をされたことをきっかけに日本軍への同情を無くすが、特に日本人を諸悪の権化のように描いているわけではない。人間を極限の状態に追い込んでその尊厳と人間性を奪い、最後には人生そのものを奪ってしまう戦争そのものへの嫌悪が全体を包んでいる

戦史本などを読むと、1944年以降はアメリカが圧倒的な物量を背景に圧勝し続けたように思えるが、最前線の一兵士から見れば日本人同様で生き地獄に放り込まれるようなもの
上陸戦では生還できる確率は二割から三割と言い聞かされ、補給が追いつくまでは物資が欠乏し、油混じりの水で凌がなくてはならない。いくら兵站が整っているといっても、相対的なものなのだ
ペリリュー島の戦い以降、日本軍は淡白な万歳突撃から、島全体を戦場とする縦深陣地を構築して、粘り強く出血を強いる作戦に転換しており、海兵隊も立ち往生せざる得なかった。太平洋戦争末期でも、全方面で日本軍が一方的な敗北だったわけではなかった
ペリリュー島の十倍以上の規模の沖縄では、さらに異常な光景に遭遇する。敵味方の死体を葬る機会がないために、戦場に折り重なるように放置される
塹壕を掘ろうとしたら、そこには腐った死体が埋もれていて、大量のうじ虫が沸いており、作業中の兵士の衣服に入り込む!
敵味方の砲撃に疲弊した兵士たちは、精神に異常を来たして後送されていく。統計的に火力に勝るといっても、前線の兵士からすれば日本側の砲火も強力だったようだ
異常が日常化した体験は、戦後も心に深い傷跡を残した。勝利した戦争にすら、栄光はないのである。その一方で、著者は「住むに値する良い国ならば、その国を守るために戦う価値がある」という言葉も遺している


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