『思い出のマーニー』 J・G・ロビンソン

宇多田ヒカルのアルバムを聴きながら


思い出のマーニー (新潮文庫)
ジョーン・G. ロビンソン
新潮社 (2014-06-27)
売り上げランキング: 64,632


プレストン夫妻に引き取られた少女アンナは、夏休みを海辺に近いノーフォークで過ごすことになった。実の親に捨てられたと思い込んでいる彼女は、寄宿先の夫婦とも打ち解けず、近所の子供とも仲良くできない。一人、海辺に出かけるのが日課となっていたが、ある日、満潮時に海に沈む湿地を探検し、大きな屋敷を見つけた。そこには不思議な少女、マーニーが住んでいた

元ジブリの米林宏昌監督でアニメ映画化して、アカデミー賞の長編アニメ部門でノミネートしたそうなので、ミーハーに手にとってみた
主人公のアンナは、両親が事故死しさらに祖母を失ったことを「見捨てられた」と捉えていて、普通の人たちを「内側」の人とし、自分を彼らと縁がない「外側」の人と位置づけてしまう心を少し閉ざした少女
アンナの年齢から「児童文学」とジャンル分けされているが、彼女の精神自体は非常に大人びいた領域に踏み込んでいるのだ
そんな彼女が癒しとして見出したのが、謎の屋敷に住むという少女マーニー。お互いが秘密にし合うという約束に元で、夏休みの間に遊びまわる
しかし、風車小屋の一夜をきっかけに別れの時がやってくる。そこには、マーニーの恋人であるエドワードという存在があって、アンナは少女時代の別れを疑似体験するのだ

メンヘラ少女がいかに社会に入っていくか。なんていう、説教話に落ちないのが本作のいいところ
豪快なネタバレになってしまうが、アンナがマーニーへの幻想を自覚してから、実際に「湿地の館」に住み始めた住人たちとの出会いが始まる。そこにはアンナのように夢見る少女プリシラがいて、そこでかつて屋敷に住んでいた本当のマーニーが浮かび上がってくるのだ
循環するオチはハッピーエンドで尺に収める児童文学のお約束かもしれないが、たとえ妄想で始まったとしても、想像することが人の縁を生み、あるいは歴史を遡行して真実にたどり着かせる。想像することの大切さを説く、これ大人が読んでいい良作である


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