『サムライたちのプロ野球 すぐに面白くなる7つの条件』 豊田泰光

野武士よ、永遠なれ




21世紀のプロ野球はどうなってしまうのか? 西鉄ライオンズの“野武士”豊田泰光が今の球界へ提言する
初出が2003年5月の新書である。なんで読み始めたかというと、先月に豊田さんが亡くなってしまったからだ。ゲームブログで記事にしている球団経営ゲームで、豊田さんが選手として出現して喜んでいたら、まさかの訃報である。おもわず、某中古書店で本書を手にとってしまった
本書は今の球界(10年以上前のだけど)に辛口な批評と提言しつつ、西鉄ライオンズをはじめとする往年のスター選手との逸話を紹介するという、豊田さんの本ではおなじみの内容なのだが、時期的に巨人主導の一リーグ制導入が噂された最中であり、「球団数を減らすより、地方への進出しろ」2005年の近鉄・オリックスの合併から楽天による新球団誕生の流れを予見したような鋭い提言がなされている

日本の野球がつまらなくなったのはなぜか。冒頭では、それは巨人が「個」ではなく「組織」を主とする「管理野球」を導入したことが始まりとする
1961年川上哲治監督がフロリダのベロビーチでドジャーズの戦法を取り入れたことから始まり、それはⅤ9に続くが、相手のミス待ちになって選手の個性を押さえつけてしまうというのだ
組織野球はチームスポーツとしての成熟とはいえるものの、猫も杓子も同じことをやっていては確かに面白くない
とはいえ、今さら昔には戻れないので、豊田さんは前向きな攻撃的な提言をする

・球団収入を増やしたいなら、試合数を増やして地方の興行を増やす
・1リーグ制は論外。むしろ、球団数を増やして地方に底辺を拡大する
・球団を増やした上でプレイオフの導入
・外国人枠を撤廃し、国内野球レベルを上げる
・メジャーへの挑戦をしやすくし、出戻りにも暖かく迎える
・柄の悪い「私設応援団」を追い出す
・『プロ野球ニュース』の復活


球団数こそ増えていないが、プレイオフの導入はずばり実現。2004年にファイターズが札幌へ移転、2005年に東北楽天の誕生と、地方に本拠地を置く球団が増え、巨人との関係に頼らない地元密着型の経営スタイルが定着した
外国人枠に関しては2002年から変わらず、支配下登録に制限はなく1軍に投手・野手合わせて4人までとなっている。著者としては、レギュラーを即獲れる外国人選手は高い年棒を払わないと来れないし、成績を上げればより高いサラリーを求めてメジャーに戻るという計算なのだろうが、管理人は女子ゴルフの韓国人選手のようになだれ込んで定着する心配はあると思う
球団もチームの勝利としては優秀な外国人選手、興行的には日本人の生え抜きが必要と、チーム戦略が取りづらくなりそうだ

著者は2001年に「野球を大切しなくなった」ことを理由にフジテレビと絶縁した
『プロ野球ニュース』は2001年3月に終了し『すぽると!』が始まった。野球主体から、サッカーなどのその時に注目されているスポーツを軸とする番組作りに変更された
「スポルト」は「スポーツ」のイタリア語であり、セリエAで活躍していた中田英寿から「サッカーを流すのに、なぜ『プロ野球ニュース』か」と指摘されたのが始まりらしい
プロ野球の中継に視聴率が取れなくなる時代での合理的判断ではあるのだが、野球解説者たちに局側から「これからはいろいろなスポーツを扱うジャーナリストを目指すべき」とお達しがあったという
著者の怒りは野球を深く語れる場所がなくなったのと同時に、多ジャンルにいっちょ噛みするタレント的な解説者が跳梁する事態であり、スポーツ番組は普通のバラエティ番組に成り下がってしまった
さらには、口だけは調子のいいフジテレビの制作陣である。解説の日に「誰がゲストがいいか」聞かれ、永六輔を頼んだら放映の前日に「連絡しましたか」と逆に聞かれたという(呆)。ディレクターからしてプロ意識がないのである
スポーツ番組がバラエティ化する流れから、大手プロダクションに所属しないと仕事がもらえないとも言われ、どこかのテレビ局では大手プロにたかり打ち上げの資金からベンツの無心など癒着しきっているという
怒れる著者は自分が死んだら『遺言』として、全部吐き出した暴露本を書いてやると息巻く!! 実際に亡くなった今、本当に出るのだろうか
最後には、2002年に大リーグとやる気のない交渉をして、近鉄球団との契約に利用した中村紀洋に大喝! 「おまえはもう死んでいる」と某有名漫画の台詞を引用した宣告は、その後の彼の野球人生を予見したといえよう


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