『キャリー』 スティーヴン・キング

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キャリー (新潮文庫)
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スティーヴン キング
新潮社
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謎めいた少女キャリーには、隠された能力があった。カルト的信仰の母親に苦しめられ、高校では執拗ないじめを受けながらも、自身の意のままに物体を動かす能力、テレキネシスに目覚めていく。いじめを反省したスーザン・スネルの好意によって、その彼氏のイケメン、トミー・ロスと舞踏会に出席することとなったキャリーだったが、いじめグループの魔の手が伸びようとしていた

ホラー小説の巨匠スティーヴン・キングの処女作
超能力少女を主人公とする創作の元祖ともいえ、『サイレントヒル』『F.E.A.R.』といったホラーゲームにもその影響は甚大だ
構成は登場人物の視点ともに、キャリーが引き起こした大事件のノンフィクション、生存者の暴露本が引用する形で語られ、手記で語るブラム・ストーカー以来の伝統を踏襲、洗練した手法が用いられている。最初はやや取っ付きにくいかもしれないが、原則は時系列で事件を追いそれぞれ違う角度からの語りがなされるので、徐々に明らかになる事件の全貌、真実にひきつけられざるえない
そして、なんといっても本作の魅力は、天国から地獄へと跳ね飛ぶ急転直下の展開である。普通ならもうしばらく様々な段階を踏んで紙数を重ねるところを一気に跳躍してしまう
このダイナミックさは、怖いものなしの処女作ならではといえよう

本作の舞台は、作者の故郷メイン州のチェンバレン
作中の年代は1979年とされるが、実際の創作は1972年前後だからか「ベトコンを殺せ」などベトナム戦争の影響がそこかしこに残っている
キャリーの母親マーガレットは地元の教会を抜け出して、独自の信仰を持つにいたるカルト教団ひとり性的なものを悪と憎むあまり、自らの娘すら悪魔の産物とみなし、その女性としての成長の過程を踏みにじってしまう
その思想は最終的にキャリーをも拘束して、悲劇的な母殺しの物語へ導いてしまうのだ
この狂える母親こそが、裏の主役といえ、アメリカの個人主義から抜け出たリアルさがあって恐ろしい
と母子対決に運命的なものがあったとしても、ここまでの大事件になる必然性があるわけではなく、ある人間の好意、悪意が微妙に交錯して起きてしまったところに運命の残酷さを感じてしまう


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