『プレイバック』 レイモンド・チャンドラー

「タフでなければ生きられない。優しくなれなければ、生きている資格はない」


プレイバック (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-3))
レイモンド・チャンドラー
早川書房
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私立探偵フィリップ・マーロウは、ある弁護士から女性の尾行を依頼された。その女性、ベティは、駅構内でチンピラじみたミッチェルという男に脅迫されてしまう。マーロウは弁護士の「気づかれないように」という条件を破って介入。紆余曲折の末、ベティは「ミッチェルが死んでしまった」とマーロウに電話を入れるが、彼女の部屋には誰の死体もなかった。はたして彼女に何が起こっているのか

レイモンド・チャンドラー最後の作品
今までの作品に比べて、あっさり風味に終わった。ミステリーとしての複雑な筋がなく、妙な枝葉が枝葉のまま終わってしまうのだ
彼女が何に追われているのか、ミッチェルはどこに転がっているのか、そこら辺を読者に考えさせることもなく、クライマックスでひょいと解決するので、濃厚なこれまでの物語に比べると、どうしても薄く思える
最後に『長いお別れ』に出てきたリンダ・ローリングから電話がかかってくるのも異色で、本巻だけで作品世界が完結していない
しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」(清水俊二:訳)。この台詞を聞くための一冊なのだ

訳者あとがきによると、本来はマーロウを主役とするつもりではなかったらしく、舞台もカナダだった。途中でマーロウを出すことになって、事務所のあるロサンゼルスに近いネバダ州エスメラルダに白羽の矢が立ったそうだ
ロサンゼルスを舞台にしなかった理由に、チャンドラーは「かつて空気が乾いていたロスが、今では湿気がひどく蒸し暑い、住むに堪えない街になった」と告白している。第二次大戦後の街の変貌で、「小説の舞台としてのロサンゼルス」が失われたのだ
とすると、フィリップ・マーロウのシリーズの、本来の最終作はタイトルどおり『長いお別れ』であり、『プレイバック』はその字義どおりの「繰りかえし」に過ぎないのかもしれない


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