『軍鶏』 第26巻・第27巻・第28巻

天使と悪鬼の戦い


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第26巻。吉岡大悟と黒道着衆4人目の刺客の四號の戦いは佳境に達する
四號は吉岡の投げをくらいつつも、常人離れした怪力で何度も関節技を退け、逆に打撃で追い込む。追い詰められた吉岡は、己の矜持を守りつつもスポーツの一線を越える柔術の投げを見せるのだった
吉岡は場外のセメント部分に頭から放り込むも、ほんの少しで急所を外す。完全にやられたことを悟った四號は、吉岡を認めて試合を放棄するのだった。グランドクロスでもっともまともな試合である
後半に、いよいよ成嶋亮と高原東馬、白と黒の対決が始まる

第27巻では、打撃の成嶋亮と投げ技・関節技の高原東馬と対照的な戦いぶりを見せる
黒川は自分が育て上げた成嶋亮を潰そうと、高原東馬の汚れの無さに期待をかけた。黒川は成嶋亮に何を期待したのか、が分からないので、その動機に釈然としない
高原東馬は自分とまったく違う人生を歩んだ亮を、その地獄から連れ出そうと聖者のような心持ちで、亮の世界に入り込んでいく
しかし、成嶋亮の闇は東馬の想像以上の深さだった

第28巻では、東馬優勢の流れは時ならぬ大雨によって一変した
亮の闇に飲まれた東馬は、初めて人を拳で殴る。それを見た黒川は東馬が亮に飲まれたことに気づき、その敗北を悟る
会場に停電で暗闇に覆われたとき、両者の決着が……
東馬の腹違いの兄、二階堂仁は、成嶋亮が小学生時代に書いた絵を燃やす。そこから立ち上る煙の奔馬として、「両親から押し付けられる優しさ」によって潰されようとしていた亮の自我が描かれる。これが両親殺しの真相だったのだ
後半は続編というより、いわば今までに溜まっていた、あるいは忘れられていた伏線に決着がつけられていく。黒川に続き、番竜会の望月謙介アル中の医者、そして、少年院以来の金山勲金山は『明日のジョー』でいう力石のような出方をしてきたので、このような形での再登場は以外
ラストに亮が手向けの花火を上げる場面は、『軍鶏』のひとつの終焉を思わせる。完結は34巻なものの、管理人はここで一息いれようと思う

軽くまとめてみると、『軍鶏』は見惚れる劇画
原作者と漫画家がトラブルを起こしたことが要因で、話の筋に混乱があって金山勲のように意味深に登場したわりにまったく絡まないケースもあった
成嶋亮の造形に関しては、両親殺しの過去から普通の悪漢に終わるというかなり珍しいダークヒーローであり、その行いは薬中の妹だけを守るという泣き要素でも帳尻が合わないものがあった。対する菅原や高原東馬という一点の曇りのないベビーフェイスも、特に偽善を指摘される、化けの皮が剥がされることもない
そうした歪んだバランスのまま、突っ走り続けたところにこの漫画のなんともいえない魅力がある。日常から解き放たれた格闘技の暴力描写が、美しく痺れてしまった


前巻 『軍鶏』 第24巻・第25巻

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