『日本共産党と中韓 左から右へ大転換してわかったこと』 筆坂秀世

先を読めない「科学の目」




日本共産党は戦前戦後をどう歩んできたのか。本当に護憲政党なのか。元共産党幹部がその実態を明かす
著者は共産党員として参議院議員を務め、党の要職を歴任しナンバー4にまで登りつめた人物。セクハラ事件で議員辞職、離党してからは、保守派に転じている
本書では安保法案の「戦争法」「憲法違反」と批判する日本共産党が、過去に憲法や外交政策でどういうスタンスを取ってきたかが俎上に載せている
戦前の共産党は1930年代には壊滅状態となり、1945年の敗戦ともに再結成されたが、ソ連のスターリンの影響下にあり世界党である共産党の日本支部という扱いだった
平和憲法=日本国憲法制定の際には、「天皇制の存続」「自衛戦争の放棄」を理由に反対票を投じていて、朝鮮戦争が勃発した50年代にはソ連のコミンフォルムから武力闘争が求められ、四分五裂の状態に陥っている。70年代に党勢を回復させてからも、被爆国でありながら社会主義の核は正義としたり、冷戦が終わってからの「ソ連の覇権主義」を批判するなど、一般大衆からは非常識あるいは周回遅れ過ぎる対応を繰り返してきた
前衛政党と称しながらも、その時の政情を意識して野党として生き残るべく、綱領を共産主義との建前の間で変化させ続ける政党なのである

最近、連合赤軍の映画やマンガを読んでいる管理人からすると、新左翼に与えた影響が気になる
なぜ、連合赤軍は山に籠もったのか。その元は毛沢東の中国が日本共産党に押しつつけてきた人民戦争方式である
野坂参三は当初、平和憲法下の社会主義革命を唱えたが、コミンフォルムに非難され徳田球一ともに政策変更。GHQの公職追放後に、両者は中国に亡命して「北京機関」を設立し、日本に武力闘争路線を輸出しようとした
そして、1951年10月に第五回全国協議会(五全協)において、「日本の解放と民主的変革を、平和の手段によって達成しうると考えるのはまちがいである」と綱領を定めた(現在の日本共産党は「綱領」と認めていないが)

そして、同時に「軍事方針」なるものを五全協は採択している。
「占領制度を除き、吉田政府を倒す闘いには、敵の武装勢力から味方を守り、敵を倒す手段が必要である。この手段は、われわれが軍事組織をつくり武装し、行動する以外にない」
(中略)
「われわれの軍事的な目的は、労働者と農民のパルチザン部隊の総反攻と、これと結合した、労働者階級の武装蜂起によって、敵の兵力を打ち倒すことである」
「大衆闘争の発展と軍事的勝利の蓄積ののちには、山岳地帯に根拠地をつくることができるだろう」

 要は、農村部でのゲリラ戦など、中国革命方式の武装闘争を行うことを規定しているのだ。……(p65‐66)

当時は朝鮮戦争が勃発しており、コミンフォルムは日本での後方撹乱を日本共産党に課したと考えられる。これによって50年代の同党は、路線対立と世論の批判を浴びて大きく党勢を後退させた

1960年代、ベトナム戦争が激化する中、1966年に日本共産党は宮本顕二書記長を団長とする代表団北朝鮮中国に派遣した
中国側は中ソ対立から、アメリカと同時にソ連を共通の敵とする立場を求めたが、ソ連が北ベトナムを支援している関係から代表団は拒否。毛沢東は日本共産党を「宮本修正主義集団」と規定し、日本の革命運動へ毛思想の絶対化を広めようとした
再び来た人民闘争路線の浸透に、日本共産党内部のみならず、各層に大きな影響を与える。共産主義者同盟(ブント)の国会突入において樺美智子の死を英雄として人民日報は持ち上げ、1970年の「よど号ハイジャック事件」を周恩来が称賛した
当時の日本のマスメディアは、朝日から読売まで文化大革命を評価する論陣が張られていた(司馬遼太郎すら巻き込まれている→『長安から北京へ』
そうした毛ブームの中で、一番ガチに思える人民戦争路線を突っ走る連中が現れるのは分からなくはない。今からすれば、「どうしてこうなった」と思える連合赤軍事件も、こうした社会的背景があったのだ
ちなみに、ニクソン訪中を機に中共は大きく外交政策を変更させ、自民党との接近をはかり、周恩来は「日本にとって日米安保条約は、非常に大事です。堅持するのが当然」と言い切ったそうだ。これが政治である


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