『米朝開戦』 第1巻・第2巻 マーク・グリーニー

原題はFULL FORCE AND EFFECT直訳だと「勢揃いと効果」という、分からない意味になるが、英語の契約用語に「In full force and effectというのがあって、これは契約後も効力を持つ」という意味があるそうだ
北朝鮮と取引すると、その後も拘束されるということ?


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ベトナムで元CIAの男が殺された。現場を張っていた“ザ・キャンパス”の面々は、刺客を北朝鮮の工作員と見て、彼の雇い主である民間情報機関“シャープス”とその工作に関わったチェコの外務省職員を追う。一方、北朝鮮では父親の跡を継いだ新指導者が、独自色を発揮しようとレアアース鉱山から中国の公社を追い出し、アメリカに届くICBMへの研究に邁進していた。3年以内の成功を義務づけられた北の偵察総局長は、起死回生の謀略を仕掛けるのだった

亡きトム・クランシーから、マーク・グリーニーが引き継いだジャック・ライアンシリーズ
今回のテーマは北朝鮮のミサイル開発で、代替わりした指導者が中国離れとアメリカへの強硬路線を追究するという、かなり現実に近いというか、現実が近づいてしまった情勢が展開していく
ジャック・ライアン・シニアがアメリカ大統領であるというフィクションに対応して、北朝鮮の指導者が崔智勲と設定されているものの、それが誰に当たるかは明らか。北朝鮮がアメリカと渡り合うためのミサイル開発にともなって、どこまでの手段をとるのか、その最悪のシナリオがシミュレートされている
トム・クランシーから純正マーク・グリーニーになって感じたのは、映画的な華である。2巻の最後にキャンパスのメンバーと北朝鮮の暗殺者が2対2でかち合うが、お互いに向けられた拳銃と腕がX字を作る熱い構図。リュック・ベッソン製作のアクション映画を彷彿とさせる

小説で北朝鮮の指導者がレアアース鉱山から中国の公社を追い出し、ミサイル開発の資金に回すが、まんざら根拠のない話でもない

中国を凌駕する北朝鮮のレアアース

レアアース自体が注目されるようになって歴史も浅いので、シェールオイルのようにいろんな国で鉱床が眠っているような気はするが、北朝鮮にもこういう調査結果もあるのだ
記事に書かれているとおり、北朝鮮が資源大国になる上での障害は、レアアースの精製技術輸出手段
本作では、メキシコの鉱山グループと協力して経済制裁を迂回する方策を探す一方、経済制裁そのものを消すべく大手新聞などのマスコミ国連関係者への工作活動を行う
もし北朝鮮がレアメタル輸出によって膨大な資金を手にすれば、大量破壊兵器の開発に必要な技術が簡単に手にできてしまう。そんな国際情勢のリスクなど知ったこっちゃないと、元スパイが集まる民間情報機関など、金目当てで動く人間が世界には山ほどいて、国家もまともな手段では止めようがないという、グローバル化した世界の困難さが突きつけられている


次巻 『米朝開戦』 第3巻・第4巻
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