『真田太平記 (三) 上田攻め』 池波正太郎

昔の大河だと、源三郎が渡瀬恒彦、源二郎が草刈正雄


真田太平記(三)上田攻め (新潮文庫)
池波 正太郎
新潮社
売り上げランキング: 5,908


徳川が上州沼田を北条へ渡すと約したことから、真田家は上杉家に主筋を鞍替えする。徳川軍8千は新城である上田城に殺到するが、知恵を絞りぬいた昌幸の策に惨敗する。源二郎幸村を上杉景勝の元に人質に出しつつも、豊臣秀吉の介入で一時は沼田の領有が保証されたが、北条家との駆け引きのなか、沼田の明け渡しと徳川家から代替地の割譲を命じられる。しかし、その裏には秀吉に仕える甲賀忍者が暗躍していた

第3巻は怒濤の展開である
第一次上田城攻防戦が始まったと思えば、豊臣秀吉の介入で徳川と和睦して、信幸と本多忠勝の娘・稲姫と婚姻が決まる。北条家と秀吉の駆け引きから沼田城を失うも束の間、北条家の武将が名胡桃城を奪ったことから北条征伐へ発展する
こんな調子で朝鮮出兵まで、とんとん拍子で話が進んでいく。真田家が直接関わらない事象には、深く立ち寄らないのだ
といっても一冊で500ページ超なので、何かを端折られた気はしない(苦笑)。問題児・樋口角兵衛の改心、お徳の悲運、名胡桃城の元城主の嫡子・鈴木右近の出奔と、家中の小エピソードを丁寧に描かれていて、真田家にとっては次への助走といった巻である

同シリーズでひときわ異彩を放つのは、真田源三郎信幸である
派手に暴れまわった源次郎幸村(シリーズ準拠)に比べ、真田家の跡を継いだ地味な長男のイメージだが、小説では昌幸を上回る底知れぬ男として描かれる。昌幸すら、信幸の前では引き立て役になってしまうのだ
第2巻までは自分にすら本心を明かさぬとして昌幸と不仲であり、第3巻の第一次上田城の戦いからようやく本当の信頼関係が生まれる
今年の大河『真田丸』とは間逆のイメージで、俗説と逆を行ったことが作品に深みを生んでいる
その信幸は真田家にとって念願の沼田城を預かり、本田忠勝の娘と結婚。子宝にも恵まれて一見、人生の絶頂を迎える。しかし、心には寂寥があった
徳川家が関東一円を任されたことで、上州沼田はいわばその一門として遇される。信幸は実質的に分家として、上田の本家から引き離されてしまったのだ
上田の本家は上杉景勝に近しく、幸村が秀吉へ仕えていたように豊臣本体とのつながりも深い。関ヶ原以前から、実際の真田家も半ば分裂していたのかもしれない


次巻 『真田太平記 (四) 甲賀問答』
前巻 『真田太平記 (二) 秘密』
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