『レッド』 第5巻 山本直樹

今回は一人も死なないが


レッド(5) (KCデラックス イブニング)
山本 直樹
講談社 (2011-02-23)
売り上げランキング: 12,382


「革命者同盟」と「赤色軍」の合同により、「赤色同盟」(連合赤軍)が結成されるが、両者の隠然とした綱引きは続く
G作戦(銀行強盗)の失敗に懲りた「赤色軍」サイドは、「殲滅戦」(=交番襲撃)を独断で決行し、「革命者同盟」サイドに先んじようとする。赤色軍のリーダー、北(=森恒夫)は、「革命者同盟」が同志二名を処刑したことに驚きつつも、そうした厳しい姿勢に刺激されたのだ
岩木(=植垣康博)たちは交番襲撃の尖兵として偵察まで行うものの、自動車事故を起こしたことで延期に。その後、パイプ爆弾の作り方を教授すべく、「革命者同盟」の山岳キャンプを訪れ、初めて赤城(=永田洋子)たちと出会う。同時期に他の過激派による交番爆破事件が続発していて、警官に同志を射殺された「赤色同盟」は「遅れを取った」という思いがあった
もちろん、交番襲撃にいかなる効果があるか、疑問を持つ者もいたが……

「東京における殲滅戦」(やっぱり、交番襲撃)が迫るなか、「革命者同盟」では男女の問題が収まらない。薬師(=小嶋和子)は、栗駒(=瀬木政児)に思いを寄せるが、恋人である明星伸子とよりが戻ったことで、精神が不安定に。交番襲撃の予行訓練に耐え切れず、脱走未遂を起こした
栗駒空木(=早岐やす子)の処刑後に、赤城たちの方針に疑問を持ち、明星とともに脱走。知人に金を借りにいったところ、警察に逮捕されてしまう。赤城は「革命ばんざい!」と書き残した栗駒の姿勢を「欺瞞」と断じるのだった
狭いキャンプに年頃の男女が密着して寝泊りする以上、肉体関係も発生。薬師の妹みどり黒部次郎(=加藤倫教)に、組織の秩序のために赤城は「結婚」を迫る
男性ばかりの「赤色軍」に慣れた岩木などは、寝床で赤城自身に痴漢を働いてしまうのだった

巻末には、作者と劇中の登場人物・恵那検索との架空対談が載っている。ただし、その冒頭には山本直樹とモデルの人物(雪野建作)の写真がバッチリと(笑)
当事者へのインタビューなのである
恵那の通っていた東京の高校は、クラスの大半が反米デモに参加していたという。「革命者連盟」に入ったのは、暴力的な他組織に比べ穏和だったからというから、意外も意外
機動隊と揉めるときには、路面の敷石を砕いて投石に用いる。投石材」という物言いに山本直樹も苦笑
武力闘争が始まってからは、恵那は理系の知識を生かして、ナンバープレートの偽造警察無線の妨害に精を出す。当時の警察無線は暗号化されていないFM無線なので、秋葉で電波を傍受する機材は簡単に手に入ったという
恵那から見て、赤城(=永田洋子)はとにかくバイタリティ溢れる女性。ニコニコ笑って愛敬があり、誰よりもカンパ集めが上手かったとか
しかし「革命者同盟」の指導層たちは権威的で、下の意見を受け付けなかった。徹底的に論破し、メンバーは思考停止に追い込まれていったのだ
恵那の父親には、戦前に共産党員をかくまって連坐した経験があり、恵那が捕まったときには拘置所のシラミを心配したという。祖父の親戚には大逆事件に連坐して処刑された松尾卯一太がいて、反体制の家系というのもあるのである


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