『天と地の守り人 第2部 カンバル王国編』 上橋菜穂子

武芸の身につかないチャグム


天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 202


再びバルサとチャグムの二人の旅が始まった。チャグムはバルサがタルシュのヨゴ人・ヒュウゴから聞いた、カンバル王国とロタ王国の同盟をカンバル国王に進めようというのだ。盗賊が手ぐすね引いて待ち構える国境を通り抜けるも、王都には非情ともいえる罠が待ち構えていた

ヨゴ皇国にタルシュ帝国の侵攻が近づくなか、チャグムは北国カンバルを目指す
タルシュ帝国には、次期皇帝を睨むハザール王子とラウル王子の内訌がある。ヨゴ皇国を攻めるラウル王子に対し、ハザール王子はロタ南部の反国王勢力に目をつけ、そこにカンバルを巻き込むことで広大なロタ王国を征服し後継争いをリードしようとしていた
ロタ南部の諸領主の後ろ盾であるハザール王子に、実は遠征軍の指揮権がないことがミソで、チャグムはその間隙からロタとカンバルによる対タルシュの同盟を作ろうというのだ
背の高さではバルサを越したチャグムだが、こと戦闘面ではポンコツ同然(苦笑)。戦闘力では少年時代から変わらずで、なんというか姫様なのである
そのせいでバルサが重傷を負うのも、第1巻から恒例ともいえ、彼女の後頭部が心配になってくる(微苦笑)
そんなチャグムが政治の舞台に立つと、決然とカンバル国王に直言し、タルシュ優勢の流れを大きく変えてしまう。なんというか、彼はGレコでいえばアイーダなのである

タルシュ帝国の侵略とも迫るのが、ヨゴにおけるナグユ、カンバルにおけるノユーグの“である
精霊の世界の“春”はその土地に水の恵みをもたらし、人々の生活を豊かにするものだが、その急激な変化は山々には雪崩、平原には洪水をもたらす
何やら現実の温暖化に近い話なのだ
いかなる呪術師だろうと、“精霊の守り人”だろうと、この変化を止めることはできず、それを見抜いた者はただ警告を発することしかできない
巻末の鼎談では、「計算し尽くされた世界観が合わない」「世界はかっちり都合よくセッティングできないのに」と吐露されていて、人間ではコントロールできない世界が別次元にあるという世界観が貫かれているのである
人間どもが前兆も知らずに争うなか、気づいた者たちが何を守れるのか、次巻がいよいよクライマックスだ


次巻 『天と地の守り人 第3部 新ヨゴ皇国編』
前巻 『天と地の守り人 第1部 ロタ王国編』
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