【BD】『アメリカン・スナイパー』

戦闘シーンがゲーム的に観えてしまうのは、FPSの罪か


アメリカン・スナイパー ブルーレイ&DVDセット (初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント (2015-07-08)
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160人数以上の敵兵を殺した伝説的狙撃手、クリス・カイル(=ブラッドリー・クーパー)。西部に生まれカウボーイに憧れる彼だったが、30歳のときにケニアのアメリカ大使館爆破事件をテレビで見て、海兵隊への入隊を決意。最愛の妻タヤ(=シエナ・ミラー)を結婚するも、9・11からイラク戦争へ情勢が急変し、クリスも海兵隊の狙撃手として戦地へ赴く。そこは、街中のどこからもテロリストが現れ、女子供が自爆テロに動員される地獄だった

クリント・イーストウッドが監督した実在の狙撃手を扱った伝記映画である
冒頭はイラクで戦車手榴弾を持つ子供を射殺するというショッキングな場面から始まる。撃った瞬間に子供の頃、父親に連れられライフルを初めて撃つ場面へ移り、回想に入って行く。そのほか、銃を撃った直後にベッドシーンに移るなど、発砲をきっかけにした洒落た場面転換がいくつかあり、扱う素材とマッチした演出で陰鬱なテーマなのに飽きさせない
元五輪選手の狙撃手ムスタファ(=サミー・シーク)というライバルも用意されていて、アクション映画としての配慮もされている
構成的には、四度に渡るイラクへの出征と家庭生活の往復からなる。ファルージャ、サドルシティなどの激戦地でのアクションシーンは、まさに戦場さながらというリアルさで、子供の頭をドリルで開けるなど残酷な場面も数多く登場する
「伝説の男」もまた、こうした戦場で感覚が磨耗し、銃後に残す妻とのギャップに苦しんで行く

以前に読んだ本で語られたように、映画のクリス・カイルも「竹を割ったような性格のテキサス男」である
イラクで敵対する者を「蛮人」と割り切れる神経の持ち主であり、兵隊として理想的な性格を持っている
ただし、自らの子供を持つ彼は、女子供が自爆テロを仕掛けてくる現実には、神経をすり減らして行く。その一方で、現地民を恐怖で支配する過激派のリーダー「ブッチャー」ライバルのムスタファたちに、隊の味方や住人がやられていく光景に放っておけないし、戦場における自分の存在感、充実感から抜けたくない心境も抱えていて、家族か軍務か、「竹を割ったような性格」の男がらしくない葛藤を抱え込んで行く様が描かれる
クリス・カイルは海兵隊を除隊したのち、戦争の肉体的、精神的後遺症に悩む元兵士たちの相談に乗る活動を始めていた。映画ではそうした活動に対してあまり尺が割かれておらず、ラストにクリスを射殺する元兵士の若者がチラと映るのみだ
スタッフ・ロールでは荘重な葬儀の光景が流されて、『ハート・ロッカー』の頃にはイラク戦争の後始末として描かれていたものが、この映画ではISの伸張から堂々とした戦争の英雄として取り上げられているように思えた


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