『レッド』 第4巻 山本直樹

巻末には、登場人物が退場していく順に「レッドカード」が……
渾身のブラックジョーク


レッド(4) (KCデラックス イブニング)
山本 直樹
講談社
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「赤色軍」は銀行を襲うG作戦の不振により、ついに「革命者連盟」との合同に踏み切る。「赤色連盟」(連合赤軍)の誕生である
「革命者連盟」はメンバー二人に問題を抱えていた。連盟から距離を置いた五竜(=向山茂徳)が公安と交際し、小説に山岳ベースの体験を書いているというのだ。元恋人の白根(=大槻節子)はそれを赤城(=永田洋子)たちへ報告する
もう一人は山からの脱走をはかった空木(=早岐やす子)山岳キャンプの生活を嫌がって合法部での活動を希望する彼女は、再び脱走する
赤城たちは当初、牢屋に閉じ込めて再教育する方針だったが、都市での“殲滅戦”を始まる手前、処刑を決断する。武闘派の「赤色軍」と合流したことで、リーダー・北(=森恒夫)の意向を無視できなかったのだ

なぜ、メンバーを処刑しなくてはならなかったのか
そもそもこれから戦おうという“殲滅戦”がどういうものか、まるで一致していなかった。これまで「武力闘争」といっても、ゲバ棒片手に投石、火炎瓶というぐらいで行き過ぎたデモの域を出ていなかった
そうした同好会気分の組織が、本気で殺し合いをする軍隊へ変貌しようという時に、そこから離脱する人間が出るのは当然だ
その一方で、猟銃・ダイナマイト強奪、銀行強盗と非合法活動に突っ込んだ手前、脱走を許せないのも理屈としては分かる
ただしそれ以前の問題として、こんな少人数で国家を敵に回した“殲滅戦”するという発想はどこから来るのか。威勢のいい言葉を飛ばし合っているうちに、引っ込みがつかなくなったのではないのか
赤城たちはニクソン訪中のニュースに愕然とし、消化しきれない。毛沢東主義による反米路線がイデオロギーとしても完全に陳腐化し、自分たちが世の中の流れから全く取り残されていることに気づくチャンスだった
しかし、外部の人間と交わらない、聞く耳を持たない彼らは、内輪の論理で矛盾に目をつむるだけ。まともな感覚を残した人が、はみ出して消されていくのである
赤色軍の岩木(=植垣康博)の、「軍に入る前は何にも任務がなくて、俺だけが取り残された気持ちで」「今は逆の立場になって、でも何か取り残されているようで」という言葉が空しく響く


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