『米中開戦』 第1巻・第2巻 トム・クランシー マーク・グリーニー

原題「Threat Vector」=脅威のベクトル


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アメリカの極秘情報機関「ザ・キャンパス」は、旧カダフィ政権関係者に対する暗殺作戦をイスタンブールで展開していた。大統領の息子ジャック・ライアン・ジュニアが最後の標的を射殺したとき、何者かに監視されていることに気づく。一方、中国では韋真林国家主席が軍部の力を借りて政変を退け、強硬派の蘇克強が主導権を握る。経済の低迷から南シナ海・東シナ海への進出に舵を切るのだった

風雲急を告げる中国の南シナ海進出を題材にしたジャック・ライアン・シリーズ
冒頭は「ザ・キャンパス」のメンバーを紹介するように、五人の標的を様々な手段で暗殺していく。必殺仕事人だとクライマックスだが、本作はここからオープニング
暗殺する瞬間をことごとく監視されていたことから、大統領の直属ともいえる情報機関が沈黙を余儀なくされるのだ
それを待っていたかのように、中国政府は南シナ海の掌握へ乗りだして、国外で大規模なハッカー軍団を創設する。巨額の軍事費を海軍につぎ込みつつも、通常兵器では対抗できないのは百も承知で、唯一アドバンテージのあるサイバー戦に持ち込んで、無人戦闘機などハイテク兵器に頼るアメリカ軍を混乱させていく
そうした大情勢に、ライアン・ジュニアの恋人メラニーに対するFBI捜査官の脅迫、右手を潰された工作員クラークと潰した張本人コヴァレンコとの因縁、ハニー・トラップにかかったビジネスマン、一人香港で天才ハッカーを追う現地工作員が絡み合って、複数の筋が紆余曲折を経て、かすかなつながりを持ち始めて後半へ突入する

邦題は「米中開戦」という物騒なタイトルだが、前半まででぶつかりあうのはサイバー領域である
中国側はサイバー戦の天才を脱走犯という形で国外へ放流し、忠実な中国系ハッカーで軍団を作らせるとともに、遠隔操作を可能にするマルウェアソフトを蔓延させて、サイバーテロの戦力に加える。さらに個人の弱みを握り工作員に変え、どこの組織かも構成員に分からせない不可視の諜報組織を作り上げる
バレても国対国の対立とならないように工夫されているのだ
とはいえ、そのサイバー軍団の能力はプレデター、グローバルホークを乗っ取り遠隔操作して見せ、アメリカ軍を大混乱に陥れる
実際に米中の海軍が角突きあわせる情勢で、サイバー領域がどう使われるかというのが、後半のテーマとなるようだ
前半では、取引に足のつかない仮想通貨ビットコインを使用する、数え切れないほどのサーヴァーを経由するなど、上記のように身元を隠してネット上で活動するノウハウが詰まっていて、個人と犯罪組織と国家が同じレベルで入り乱れるサイバー・スペースのカオスさが露わになる。それはもう、様々な規模の海賊船が動き回るような世界なのだ
それはもう酷いインターネットですね、としか言えないが(苦笑)、それでもネットを使わざるえないんだよなあ


次巻 『米中開戦』 第3巻・第4巻
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