『私の男』 桜庭一樹

なんだ、女か


私の男 (文春文庫)
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桜庭 一樹
文藝春秋
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奥尻島の震災で家族を亡くしたは、親戚の男・腐野淳悟に引き取られた。その15年後に花は結婚、式のあとに淳悟は姿を消す。親子でありながら、恋人のような二人の間に、何があったのか。15年間の愛の日日を綴る

文量のわりに物足りない作品だった
純粋なミステリーでないとはいえ、謎の見せ方が上手くない。現代から15年前の震災に遡っていくのだが、ごろんと次の章の展開を想像させる現象が出されるので、展開にサプライズがない
なぜ、田岡さんは大塩さんのフィルムを現像しないのか。なぜ、死体を8年間もアパートに隠していたのか(結婚式の日には一瞬で消える!)。なぜ、小町さんは田岡さんの失踪にノーリアクションなのか
いくらなんでも、これぐらいは踏まえてくれないとご都合が過ぎるだろう。仕事して(苦笑)

文学的には、小さい女の子から見た「若い父親=最初の恋人」のまぶしさがテーマなのだけど、淳悟が早々に少女を母性を求めて抱くという崩れ方をして、のっけから複雑な間柄となる
花は母性のあるタイプには思えないが、「血」から来る力が淳悟には慰安になるらしい。いちおう理由らしいものはあるが、家族に「血」が不可欠という発想についていけるかで賛否が分かれるだろう
花は大人になるにつれ、堕ちていく淳悟から逃れようとする。しかし、その心情は漠たるものとしか描かれないので、結婚式での花の逡巡にいまいち迫力が出ない
老いていく父親のどこに嫌悪感を覚えたのか。恋愛小説として考えると、これはキモになるところだ
男を使い捨てたような花の魔性、女性の容赦なさについて、オブラートに包んだ感が否めなかった
富野監督が誰かとの対談で「近親相姦がいけないのは、気持ち良すぎるからだよね」と喝破していたが、性愛についてはその「気持ちよさ」を描ききったといえるだろう。「気持ちいいこと」ばかりしてると、お互いが腐っちゃうのだ
解説によると、本当の名作は『赤朽葉家の伝説』らしい。『私の男』は、直木賞を獲らせるために準備不足で長編にしたのでは、と勘ぐりたくなった


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