『ボルジア家の黄金の血』 フランソワーズ・サガン

すがすがしいまでの悪


ボルジア家の黄金の血 (新潮文庫)
鷲見 洋一 フランソワーズ サガン Francoise Sagan
新潮社
売り上げランキング: 575,061


フランスの有名作家フランソワーズ・サガンによるボルジア家の物語
1977年に放送されたフランスのテレビ映画に、サガンは脚本の一人として参加していて、それを小説化したのが本書で、完全な個人の創作とはいえないようだ
「法王の椅子」を語り部としながら、ボルジア家の支配する教皇庁で演じられた虚飾と陰謀と愛憎を描かれるが、主人公はやはりチェーザレ・ボルジア!
ルクレツィアとの近親相姦、弟ファンや義弟アルフォンソ・ダラゴーナの暗殺など、ボルジア家にまつわる噂を一身に背負っていて、悪のカリスマとして思うがままに暴れまわる
その行動は、隣国はおろか、父の教皇、愛する妹すら「悪魔」と恐れさせるのだ。この世の良識に縛られず、心のままに生き抜くのがボルジアの血
戦争や政治情勢の変化を「法王の椅子」の語りで済ませてしまい、話のテンポが早過ぎるきらいもあるが、物足りなさはまったくない。文章量が少なくても、ひとつひとつの言葉遣いが濃く、一冊でチェーザレの生涯を語りおおせているのだ

作者の興味が男女へ分かりやすく向かっていて、チェーザレとルクレツィアの関係が焦点となる
ルクレツィア恋人としてチェーザレに接するとともに、兄妹の遊びのように陰謀に手を貸す
しかし二番目の夫、アルフォンソ・ダラゴーナに惚れ込むとともに、兄との関係は微妙になっていく
チェーザレはアルフォンソに嫉妬しつつも、ウサ晴らしにあてもなくローマの酒場へ出かける。そこで出会うのが、レティツィアという娼婦どこに生まれたかを知らないゆえに姓を“イタリア”と称し、ゆえに誰の者にもならないと豪語する
彼はそのとき、誰も手に出来ない“イタリア”を手にしようと決意するのだ
その後、恋敵として立ちはだかるアルフォンソを暗殺するものの、ルクレツィアに懺悔。レオナルド・ダ・ヴィンチマキャベリを従えて、中部イタリアを制圧する
教皇アレッサンドロ6世のボルジア家らしい衝撃死から、チェーザレの没落はやや駆け足なものの、そもそもこの人の人生が駆け足なので違和感を感じなかった
“イタリア”という女を追って、全てを失った男の物語なのである
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