『同和と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録』 森功

芸能人の人脈が凄過ぎ。うかつに書けねえ(苦笑)




高度成長期からバブル時代まで、銀行と同和団体の間に何があったのか。三和銀行元支店長の証言から、政財官を巻き込んだ日本経済の闇を明らかにする
本書は旧三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)の元淡路支店長・岡野義市の告白をもとに、部落解放同盟(以下、解同)の元飛鳥支部長・小西邦彦と三和銀行の関係を中心とする同和利権、大阪市・府警・検察・国税との癒着関係、バブル時代に行われた錬金術を開きらかにする
小西邦彦は山口組系金田組の元構成員で、解同の支部長を就任することで同和事業を差配し利権を仕切る一方、三和銀行から暴力団や地上げ屋などアングラ界への迂回融資の便宜をはかり、各界へ顔が利くことから絶大な影響力を持っていた
そういう闇の紳士である一方で、老人ホームに金をつぎ込むなど支部長として飛鳥地区の改善に意を払っていて、面倒見の良さから多くの芸能人に慕われる一面もあった
国策で土地売買が奨励される時代、体制の都合で小西のような存在が必要とされていたこともあって、単純に悪と割り切れる人物ではない
噂の同和利権はバブル経済と銀行の放漫融資で、かくも肥大化したのである

部落開放同盟とは、戦前の水平社に発する部落差別の撤廃を目指す組織で、戦後は自民党系、共産党系に分裂しつつ、解同は社会党系とされていた
金田組のヤクザだった小西を引っ張ったのは、社会党の衆議院議員・上田卓三共産党対策に武闘派の用心棒として期待されたようだ
1968年に同和対策事業特別措置法が成立すると同時に、小西は飛鳥地区の支部長となった。大阪府では大阪府同和建設協会」(同建協)部落開放大阪府企業連合」(大企連)が組織され、建設業者は同建協の許可なしに同和事業に参入できないため、ゼネコンはこぞって小西詣でをした。同和事業は公共事業でありながら、部落の就職対策の側面があり、支部長の裁量が大きかった。本人も「友愛建設工業」という会社を設立し、甘い汁を吸う
大企連は部落差別の撤廃を金科玉条に、国税と「七項目の確認事項」という約定を交わし、加盟企業の税申告は事実上フリーパスとした
同和事業を謳いながら、同建協と大企連は小西次第で部落出身者でなくとも入れたことから、いわゆる同和利権が誕生する

小西邦彦はあらゆる機会を通じて、人脈を築いていく
政界では、大蔵出身で国税畑の衆議院議員・村田吉隆と通じて、国税に圧力がかけられた。小西の三和銀行における定期預金は、マル優の悪用なしに素で免税とされた
大阪府警には新しい課長が就任すると、祝いの宴会で前任者に現ナマを渡し篭絡してしまう
同和、極道、国税、府警、検察にまで顔が利くようになった小西を、大阪市や銀行はほうっておかない
大阪市高速道路の経路がヤクザのフロント企業のビル予定地だったために、小西に仲介を頼む。その結果、なんとビルの中を高速道路が走ることとなった
これが大阪市福島区にあるゲートタワービルである。1989年に立体道路制度が認められてすぐに着工され、日本ではじめて同制度を活用した建造物である
三和銀行は担当課長・岡野義市に小西との取引を一任しアングラ勢力の迂回融資を請負つつも、他系統のヤクザの防波堤として利用。さらに頭取直属の「プロジェクト開発室」は、松下電器グループのノンバンク「ナショナル・リース」に融資して牛耳りつつ、地上げ業者「ライトプランニング」へ融資して大阪の再開発事業に乗り出す
銀行への融資規制をノンバンクを経由して回避する手法で、ライトプランニングの地上げ資金を三和が請け負っていた。ライトプランニングには、もちろん小西の息のかかった人間がいて、地上げにはヤクザが動員される
関西に地盤を置く三和は、小西と一体となって土地バブルを走っていたのだ

たとえバブルが崩れ始めても、小西の目が黒いうちにその牙城が崩れることはなかった
三和銀行にある組長の貸金庫に拳銃が隠された事件(1986年)には、小西が手を回して銀行に火の手が回らないように手配したし、「北浜の天才相場師」と言われた料亭の女将・尾上縫の一件でも、拓銀を潰した男・中岡信栄に頼んで、検察に三和への追及を封じさせた
しかし小西がガンを患うと、急に捜査のメスが入る。大阪市の外郭団体から委託された駐車場事業の収益を過少申告し、差額横領したとする飛鳥会事件」(2006年)である
捜査の進展のなか、歴代の小西担当課長のひとりが自殺し、東京三菱UFJ銀行は小西との関係を追求され、一週間の業務停止命令を受けた
天国から地獄に落とされた小西はその翌年に肺ガンで死去する
岡野曰く、出会った当時の小西は銀行のことを何も知らなかったという。岡野自身が半ば指南役といえ、日本全体が土地バブルに狂奔するなか、「自分が銀行に利用されたと言われても、それは本望」と悪びれない
はたして小西が銀行を利用したのか、銀行が小西を利用したのか。本書は銀行の責任を重く見ている




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