【BD】『キングダム 見えざる敵』

後半はCOD展開


キングダム/見えざる敵 [Blu-ray]
ジェネオン・ユニバーサル (2009-09-18)
売り上げランキング: 76,118


2006年のサウジアラビア。首都リヤドの外国人居住区で、爆弾テロが起こった。犠牲者にはFBIの捜査官もいて、FBIは国務省を振り切る形でフルーリー(=ジェイミー・フォックス)ら4人の捜査官を派遣する。犯人を射殺した国境警備隊のアル・ガージー大佐(=アシュラフ・バルフム)とその部下のハイサム軍曹(=アリ・スリマン)が協力するが、国務省によって滞在期間は五日に限られていた

タイトルの「キングダム」とは、サウジアラビア王国のこと
冒頭に西暦を刻む形で、サウジアラビアとアメリカの関係がテンポ良く語られる。リヤドに外国人居住区があるのは、石油産業のためで最大の消費国であるアメリカへと供給されているのだ
中盤までは真犯人アブ・ハムザ(=ヘズィ・シッディーク)を追跡するために、現地の治安組織と折衝し、担当の王子に直談判して権限を確保、爆破現場や死体解剖から証拠収集と、地道な捜査活動に終始する。ややシーンの切り替えが多すぎるが、ここまでは渋い刑事ドラマである
しかし、捜査班が自爆テロを受けたところから一変。爆発連発のカーチェイスから、ライフルとロケットランチャーが飛び交う地獄絵図と化す
五日間でテロの指導者を捕まえるという無茶な任務を畳むための活劇であり、前半とのギャップにあっけに取られてしまった
一粒で二度おいしいという褒め方もできるが(苦笑)、「こうでもしないと解決しない」という海外捜査の困難さを表した超展開といえるだろう

本作は1996年の「ホバル・タワー爆破事件」、2003年のリヤド居住区爆破事件をモチーフにしている
外国人居住区は外部とは違う法律で運用される治外法権の地であり、犠牲者を出したFBIをプライドを賭けて捜査官を派遣する
ただし、被害の拡大を恐れる国務省は及び腰で、現地の公使も半ばお客さんとして扱い、国へ帰そうとする。現地の国境警備隊、警察も、外国人の介入を喜ばない
イスラム教の戒律も捜査の壁として立ちはだかり、死体解剖にも異教徒の手が触れることを許さない。しかも解剖を担当するメイズ(=ジェニファー・ガーナー)が女性なので、異教徒の解剖しか許されない
また、治安組織の捜査手法がテロリストの技術に追いついておらず、身内にも過激派を抱えることから深く踏み込めない
海外で国際テロリストを捕まえることの困難さが、本作ではよく表現されている
ラストでは、フルーリーが同僚を慰める言葉とテロリストの祖父が少女に言い残した台詞がリンクして、因業の深さをにじませる。ただ、少女の態度をアラブの一般世論と置き換えて理解してはいけないだろう
そもそもモデルのリヤド居住区爆破事件でアメリカ人は死んでいないのである。居住区に住んでいたのは、周辺国のアラブ人で被害者も彼らに集中しているのだ

参考記事:リヤドで爆発、20~30人死亡 アルカイダ自爆テロか(朝日新聞)

『シリアナ』のラストといっしょで、アメリカ人のアラブ社会に対する過剰な恐怖心に思える
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