【BD】『ミスト』

絶望の三段ロケット


ミスト [Blu-ray]ミスト [Blu-ray]
(2009/09/02)
トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン 他

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イラストレーターのデヴィッド(=トーマス・ジェーン)は嵐に巻き込まれ、自宅や作品、ボート小屋などが被害に遭う。隣人の弁護士ノートン(=アンドレ・ブラウアー)とは遺恨があったが、災害の被害を慰めあい、息子ビリー(=ネイサン・ギャンブル)とともにスーパーへ買い物に出かける。スーパーのレジで精算しようとした矢先、鼻血を垂らし男が駆け込んできた。彼の後ろでは濃霧が迫り、「霧のなかに何かいる!」と言い出し……

評判どおりに後味の悪い映画だった(苦笑)
題名からすると、視界の利かない濃霧による“見えない怪物のホラー”と思いきや、さほど霧のなかでは襲われない。早々とスーパーに立て篭もり、怪物の正体も早々と明らかになってしまうからだ
この作品の恐怖は、昨日観た作品と同じ追い詰められた集団の狂気である
「『遊星からの触手X』か(笑)」という台詞は、単にからかっているだけではなく、テーマを示唆していたのだ
しかし、集団の狂気を抜けたところにも、次なる絶望とさらに悲劇的決断を覆す絶望が用意されていて、視聴者を狂気に陥れるようなラストとなる
この絶望の3段活用は、ある意味金字塔といえるだろう
クリーチャーは蛸系、昆虫系、翼竜系、蜘蛛系と種類が多く、食物連鎖もありと設定も凝っている。視覚効果のスタジオは、ギレルモ・デル・トロ(ここでも絡むのかよ!)に『パンズ・ラビリンス』のを紹介されたらしく、蜘蛛の糸が酸を帯びているなど虫が生き生きと動いている
いい意味でキモイ!

主人公含めて登場人物は、極めて等身大の人間である。火炎放射で無双できるヒロインはいない
クリーチャーに襲われればパニックを起こし、火を起こすことさえままならなず、油をこぼして炎上する人も出る
そして目の前で人が死ねば、精神的に回復できない傷を負い、カルト的な叫びに耳を傾けることになる
モダン・ホラーにカルトなおばちゃんは頻出するが、ミセル・カーモディ(=マーシャ・ゲイ・ハーデン)はホラー映画史に残るカリスマ性の持ち主で、信者を増やすごとに若返っていく
小説でどこまで描かれたか分からないが、彼女と女教師アマンダ(=ローリー・ホールデン)の対立には、田舎暮らしの浮かばれない人間と、大学出で人生を謳歌する人間の格差問題が背景にあって、他の登場人物も地元民と都市に基盤を置く人間との嫉妬・偏見で溝を作る
ただ方針の対立ではなく、日常の問題を絡らませることで惨劇に深みを与えている

この作品のラストは商業作品として認められるべきだろうか
管理人はあえて、是としたい
ホラー映画が確立して数十年、もはや怪物に襲われる恐怖はおろか、身内で殺し合う恐怖すら見慣れたものとなっているのだ
これぐらいやらないと、観客は本当の意味で驚かないだろう。ホラー映画というジャンルの中なら、許されるのではないだろうか
どちらかというと、怪物出現の原因が唐突過ぎるほうが問題で、カルトおばちゃんの語りを相対化してしまった。兵隊たちも気が狂ったんだと思いたい(苦笑)


アローン・イン・ザ・ダークアローン・イン・ザ・ダーク
(2008/12/25)
PlayStation 3

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↑おばあちゃんのスプレーを利用した火炎放射が、このゲームのに似てた。本作の影響?
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