【DVD】『バンド・オブ・ブラザース 5』 第9話・第10話

D-DAYから434日目にして


バンド・オブ・ブラザース Vol.5 [DVD]バンド・オブ・ブラザース Vol.5 [DVD]
(2003/04/25)
ダミアン・ルイス、ロン・リヴィングストン 他

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<第9話 なぜ、戦うのか Why We Fight>

ドイツとの戦いは終局に向かいつつあった。組織的な抵抗もなくなり、順調に進軍するE中隊では、士気がすさみつつあった。農家からの強引な徴発、貴重品の略奪、女性の連れ込み。冷静なニクソン大尉(=ロン・リビングストン)は、降下作戦や離婚問題で疲れ、酒びたりの日々を送る。戦う目的を見失いつつある中隊だったが、ババリア地方で強制収容所を発見して……

もはや戦闘シーンはない
E中隊も禁欲的な指揮官スピアーズ大尉(=マシュー・セトル)すら、略奪品の本国に送り、勝って兜の緒がほどけきった状況だ。最後の一線を踏み越えないだけである
本国を離れて一年以上、長い外征は隊の秩序を歪ませざる得ない
また、ドイツ人に触れ合ううちに、存在が悪でないことに気づき、戦いへの疑念も生まれていく
そこに用意されたかのように現れるのが、強制収容所
アメリカが参戦してくれたからこそ、多くのユダヤ人収容者が救われた。スピルバーグにとってここは外せないポイントだろう
途中、ニクソンは徴発するために入った家で軍人の妻(?)に睨まれるが、収容所の解放後、ドイツ人に死体を片付けさせるところで再会する。ドイツ人は知らなかったホロコーストに対しても、埋め合わせる責任があるし、それを果たしていると言いたげだ


<第10話 戦いの後で Points>

ヒトラー自殺後も、E中隊はベルヒテスガーデンへの進軍を続けた。武装SSは逃げ散っていたため、街を無血で制圧できた。浮かれた中隊の兵士たちは豪華ホテルやイーグル・ネストゲーリングの別荘などで思いのままに振舞う。ドイツ軍の正式な降伏によって、ヨーロッパ戦線は幕を下ろすが、まだ太平洋戦線が残っていた。いつ来るか分からない出撃命令を待つ兵士たちは、徐々に気荒になっていき、様々な問題を引き起こすのだった

前回に続き、戦闘らしい場面はない。ナチスの残骸を見学するピクニックみたいなものだ
有名なベルヒテスガーデン・ホーフ・ホテルに入ると、相手がナチスだからと気が緩んだのか、ウインターズ少佐(=ダミアン・ルイス)すら、戦利品の収集に励む(笑)。まさか、そんな姿を見ることになろうとは
中隊全体が勝利に浮かれ気味で、除隊できそうで決まらない宙ぶらりんの状況が続く
ドイツ降伏の同時期に、太平洋ではオキナワ戦があり、第101師団が東京へ降下するという話が出回っていた。兵士たちはまな板の上の鯉だった
そのため、復讐に走るユダヤ人兵士や、交通事故死、泥酔した補充兵による発砲事件と、様々な騒動が続いていく
本国を離れて一年半。外国にゆえなく駐留し続けるストレスは、軍の精神を荒廃させざる得ない。物資豊かなアメリカ軍ですらこうなのだ

最終回なので、過去の映像を交えた総集編的な構成であり、最後はドイツの将軍が別れのスピーチによってウインターズの心境を代弁させる。隊員をかけがえのない絆で結びついた兄弟としつつ、「今後は平和な人生を!」
政治的配慮を感じざる得ないが、上手い締め方だ


シリーズ全体を総括すると、『プライベート・ライアン』以上に兵士たちから英雄性をはぎとろうとしていた
テレビドラマという媒体が可能にしたのだろうか、特に中盤まで過酷な戦場を駆け抜けてきた兵士が、死の恐怖や仲間の喪失から精神を病み、一人また一人と落伍していく
勝ち戦が確定した最終巻では、緊張状態が解けて弾けた兵士たちが、食料や宿舎の強引な徴発、貴金属の収集に励む。ベビーフェイスとして隊をまとめてきたウインターズ、ニクソンまでその一列に加わってしまうのだから、身も蓋もない
今のアメリカ人からすれば、正義が担保された、比較的クリーンに見える第二次大戦においても、兵士たちが心身に深い傷を残した。戦場が平気な英雄などいないことがこれでもかと強調される
しかしながら、彼らの犠牲なしに強制収容所のユダヤ人は救われなかったという事実をもって、彼らの戦いを肯定する
人を救うために人を殺めることは許されるのか。良くも悪くもアメリカの介入主義は、第二次大戦の体験に支えられているのだ


前回 【DVD】『バンド・オブ・ブラザーズ 4』 第7話・第8話
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