『All You Need Is Kill』 桜坂洋

SFで繰り返しというと、『リプレイ』すかねえ

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)
(2004/12/18)
桜坂 洋

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宇宙から飛来した謎の生命体ギタイによって、人類は滅亡の危機に瀕していた。ジャパンへもギタイの大群が迫り、トーキョーと周辺の工業地帯を守るべく、統合防疫軍USが展開し、JPの軍と合流する。JP所属のケイジは、初めての出撃の日、“戦場の牝犬”と仇名される女兵士リタと出会い、そして死ぬ。しかし、ケイジは目覚めた。そのときから死んでは出撃の前日に戻る、無限のループに巻き込まれたのだ

ハリウッドで映画化されたらしいので、ミーハーに
いわゆる“ゲーム・リアリティ”にどっぷり浸かった作品だった
主人公のケイジは最初は新兵だが、出撃しては死ぬことを繰り返すことで戦闘技術を高めていく失敗して元にもどって仕切り直す“繰り返し”は、アクションゲームでプレイヤーが上達していく過程と酷似する
また舞い戻った出撃前日に、違う振る舞いを試していくことで、様々な体験を経て情報を集め、さらにはヒロインと交流するのは、アドベンチャーゲームの如し
主人公自身が“フラグ”という言葉を使ってしまうほど、メタ的に“ゲーム性”が告白されている
小説の途中まで、現実か虚構か、あるいは擬似現実か、判然とせず、読者を揺さぶってくる

書き過ぎると激しくネタバレになってしまうのだが、小説は「現実」のものとして収束していく。ここにやや違和感が残った
「ゲーム・リアリティ」に順応した主人公には、試しに命を捨ててみるような「ゲーマーの軽さ」があって、決死の戦いに臨む兵士でもあることにズレが生じるのだ
作品世界にしても、本土決戦前にしては、前線基地の生活はあまりに暢気であり、これが「現実」だとすると着地するに心もとない
ストーリー展開が、ゲームに喩えると“ステージ2”で終わってしまうのも、少しもったいなかった(一面で死にすぎww)
ループする理由にタイムトラベル特有の問題がつきまとい(並行世界はほとんどギタイ勝利なのだろうか)、最後の結末も読者の意表はつくが、話を畳む都合を感じてしまう
ただしここらへんは、レーベル側との問題もあり、一巻200項台での完結を要求された故でもあろう
海外のSF小説を意識したような乾いた文体はラノベに親しみのない人間にも読みやすいし、出撃前日を繰り返す設定を上手く使った伏線にはニヤリとさせられる
ドワンゴ川上会長の「現実はクソゲー」という名言(迷言?)があるように、ゲーム体験から現実把握する人は増えている。浅くともゲーム体験のある人なら、軽く楽しめる一冊だ


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