断続的に入る新作の情報に、胸躍らせては立ち消えるのを見てきたファンにとって、これほど嬉しいことはない
てなわけで、古い作品ばかり触る当ブログも、『Gのレコンギスタ』を追いかけさせて頂きます
バンダイチャンネルでの視聴となるので、テレビより2週遅れとなるのはご容赦あれ
『Gのレコンギスタ』の舞台は、宇宙世紀から100年以上過ぎたとおぼしきリギルド・センチュリー(R.C.)。富野ガンダムの系譜からは、おそらくVガンダムと∀ガンダムの間の年代となり、地球の文明が荒廃させた黒歴史の前、科学技術的には絶頂の時代になるのではないだろうか
宇宙と地上を「キャピタル・タワー」=宇宙軌道エレベーターがつなぎ、フォトン・バッテリーと呼ばれるエネルギーを地球に流し込むことによって、原子力に依存しない未来世界である
<第1話 謎のモビルスーツ>
冒頭で、謎のガンダムと軍用MSの格闘が! 間違って二話から観てしまったと思ったが、これで正解。キャピタルのデレンセン大尉は上空から落ちる
キャピタルタワーを守護するキャピタル・ガードの候補生、ベルリ・ゼアムは、宇宙の実習を受けるため、同じ学生たちを宇宙へ上がる。同じ乗り物“クラウン”にその少女を乗り合わせていたのだが、そこに宇宙海賊が襲来。謎のガンダム一機で、クラウンをジャックしようとした
ベルリと同級生のルインは、工業用MSレクトンを出動させるが……
2クールであるからか、∀よりギアが入るのが早い。開始早々に主役機が映るのは、悪名高きVガンの1話以来ではないだろうか
が、すぐ主人公の視点に入っていくので、混乱はしない
ベルリは飛び級でガード候補生となった“出来すぎ君”。スペックが高い人は失敗の経験が少ないので、工業用MSでテロリストに戦いを挑むのも合点はいく。若年ならばなおのこと恐れ知らずだ
ただこうした能力者が感情移入の対象になるかという問題はあって、いくらか隙は作って欲しいところ。鍵は女好きとなるのだろうか
ベルリの教官であるデレンセン大尉は、捕らえた女海賊アイーダにビンタするなど、女性への暴力が強調される。それは彼の性格のみならず、所属する組織の性質を象徴していることだろう
主役機が1話で二回落ちるというのに、少し不吉さを覚えたが、これから挽回してくれるのでしょう
<第2話 G-セルフ起動>
海賊騒動から地球に戻ったベルリたちは、セントフラワー学園に戻った。デレンセン大尉の所属する新部隊キャピタル・アーミーは、まだ組織が整っていないとして学園の施設を間借りし、女海賊アイーダと謎の少女ラライア・マンディ、謎の機体G-セルフを隠蔽する
タワーの運行長官であるベルリの母親とスコード教の法王、調査部隊のルシータ大佐ら有力者が集まったパーティが始まる中、アイーダ救出にカーヒル大尉の海賊部隊が襲撃をかける!
ベルリくんは、単に“出来すぎ君”だけでなく、タワーの運行長官の御曹司だった!
主人公がここまで特権階級というのは、ガンダム史上でも希である。せいぜい、ガンダムの技術者止まりで、UCのバナージは例外的存在なのだ
年上の同級生ルイン・リーは首席ながら、クンダラ(下層階級)の出であり、ベルリとはグローバルな時代の階級対立が反映されそうだ
アイーダの存在からベルリくんの寝返りは確定的であり、そうなれば母親である運行長官とは母子相克の展開が想定される。果たしていかなる結末が待っていることやら
ベルリとカーヒル大尉との戦いは悲劇的な結末をたどった。まさか二話にして、こんな展開になろうとは(驚)。2クールの富野恐るべし
アイーダにとって大事な人物を、ベルリは彼女を庇うために倒したとしか言えない。主人公とヒロインに深い深い溝を残したあとだと、EDのラインダンスがシュールである
富野作品はやはり1話1話が濃い。ひとつの記事で全てに触れられない
ベルリのいるキャピタル・テリトリィとは、タワーを中心に繁栄する地域であり、現在でいうとちょうど南米一帯にあたる
南米というと、ガンダム史でいえば連邦軍のジャブローと重なり、まさにG(重力)に引かれるものの牙城だ
世界史でいえば、スペイン・ポルトガルに征服された植民地帝国があり、そこから征服者と現地民の混血が進み、諸国が独立した経緯がある
その独立に関わったのは、モンロー主義を唱えるアメリカ。作中では「アメリア」が北米を形成し海賊部隊と関わっているようで、世界をキャピタルの一元的世界から解放する役割を果たすのだろうか
レコンギスタが誰による何を取り戻すものなのか。決めつけずに見るとしよう
次回 【配信】『Gのレコンギスタ』 第3話「モンテーロの圧力」
劇場版 【映画】『Gのレコンギスタ Ⅰ 行け!コア・ファイター』
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