【BD】『機動戦士ガンダム00』 第15話~第18話

変なのが出てきたぞ


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宮野真守、三木眞一郎 他

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<第15話 折れた翼>

タクマラカン砂漠に三大勢力による合同軍事演習が実施された。予測されたガンダムマイスターの介入に対し、圧倒的な物量作戦を用意していた
各ガンダムは窮地に陥り、エクシアの前にはサーシェスのMAアグリッサが姿を現す。刹那を救ったのは、翼のように粒子を噴出すガンダムだった

タクマラカン砂漠で演習があると、近くにある濃縮ウラン施設が危ないというのが介入の目的らしいがよく分からない
実際洩れちゃったら、人革連をはじめとした三大勢力に大ダメージなのだから、放っておいても気をつけるはずなのだ。なんか、聞き間違ったかな?
ともあれ相手が手ぐすね引いて待ち構えているところに、あえて飛び込むというヤクザ映画のような展開である
少数精鋭の敵に対し、物量作戦で疲労させる作戦はかなり合理的。こうした事態を想定していなかったスメラギさんもとっぽいが、GN粒子で連絡がとれないのが痛い。計画が狂うと個々の能力次第というのは、チームとして致命的な欠陥だろう
そうした窮地に新しいガンダムが登場。ロボットアニメの伝統ですな


<第16話 トリニティ>

ガンダムマイスターたちの危機を救ったのは、同じガンダムマイスターだった。ネーナ・トリニティのガンダムスローネはGN粒子を戦場全体に拡大させ(まるで月光蝶)、通信を不可能にしてしまう
アレハンドロは新しいガンダムの出現に驚き、ソレスタルビーイングの監視者と連絡をとる。後半は再編集が中心

急にオーバースペックな機体を出てきた場合は、たいがい次の主人公機になったりするものだが、なんとライバルグループの登場である
パイロットとしての技量がいまいち上達しない刹那たちの立場はいかに
当初から黒幕臭を漂わせるアレハンドロは、ソレスタルビーイングの監視者であることが明かされた。オブジェが話す演出はエヴァっぽく、陰謀論的な展開が待ってそうだ
でも彼らさえ、トリニティのことは知らないとは、どういうこと?


<第17話 スローネ強襲>

トリニティの三人がソレスタルビーイングの宇宙船プトレマイオスを訪れた。スメラギたちの行動が生ぬるいとして、彼らは独自行動を宣言する
ユニオンの基地にいたエイフマン教授は、ガンダムが木星で作られたことを突き止めたが、その日のうちにトリニティの強襲を受け死亡してしまう

トリニティのネーナはコクピットのなかだと幼く見えるが、刹那にキスをしヴェーダには勝手にアクセスと、奔放かつ油断がならない
トリニティ自身は目的のためにラディカルに行動する存在のようで、刹那たちのやってきたことの意味を問いかける役目を果たすようだ
要するに彼らのやっていることとの違いは何かという
ガンダムの起源として、木星まで登場! 木星帰りの男はファーストからいるが、下手すりゃクロスボーンまでフューチャーする気だろうか


<第18話 悪意の矛先>

軍事基地を壊滅させていくトリニティは、民間人の働く軍需工場へも牙を剥いた。グラハムはカスタムフラッグで一矢報いるが、彼らを止める手段がない
それのみにとどまらず、ネーナは気まぐれで結婚式場へも発砲。親戚の結婚式にいたルイスの両親を吹き飛ばし、彼女の片手も奪ってしまう
あまりの悪行に刹那は単独出撃し、トリニティたちを攻撃するのだった

あらら、ものすごく馬鹿な理由で一線を越えてしまった
軍隊なら軍法会議、極刑ものだが、トリニティにはそういう観念がないらしく、ヨハンたちも特にネーナを責めたりしない
そもそも同じ人間だという認識すらないようだ。ならば誰のための戦争根絶だろう
トリニティの登場で作品の性質が大きく揺らいでいる
秘密結社が作った兵器が大国を圧倒するという嘘八百から始まったOOだが、大国も物量で対抗できるというバランスがあった
そこにさらにオーバースペックの機体を出してしまっては、今までの何だったんだということになる
ガンダム増殖の影にバンナムありだが、どうやって作品の整合性を取り戻すかに注目したい
そのほか、登場人物の身体が欠損する表現が衝撃的で、夕方枠でここまでタブーがなくなったかと驚いた


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【BD】『機動戦士ガンダム00』 第11話~第14話

富野成分に触らないほうが……


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<第11話 アレルヤ>

二度目の発作からキュリオスを捕獲されかかるという失態を犯したアレルヤは、過去との戦いに終止符をつけるべく、超兵機関への作戦案をスメラギに提出した
アレルヤはティエリアの手を借りて、人革連のスペースコロニーへ侵入。仲間たちの声を聞きながら、機関のビルを攻撃するのだった

人革連がスペースコロニーまで作れたことに驚く。見た目は宇宙世紀とほぼ同じレベルである
人類はすでに宇宙で暮らせる技術水準にあるわけで、宇宙へ進出する人類という、富野ガンダムの文脈がもちこまれたということだ
アレルヤの結論については、ソレスタルビーイングの一員であることを優先せざる得ないということだろう。他での自分を想像できないし、他の手段も想像できない
ソレスタルビーイングの目的は人命救助ではなく、戦争根絶であることを如実に表している一件だ
セルゲイの判断で超兵計画は終了となったが、他の組織で似たようなことをやってたりして


<第12話 教義の果てに>

アザディスタン王国アレハンドロら国連の使節団が訪問するなか、保守派の重鎮マスード・ラフマディ師が誘拐される事件が起きた
改革派の仕業と見た超保守派はテロ攻撃を開始した。ロックオンが守ろうとした太陽光発電は、サーシェスのMSに破壊され被害は拡大。内戦へと発展する
少年兵を蹂躙するMSに刹那は逆上。「おれはガンダムになれない」

この世界の中東の様子が説明された
軌道エレベーターによる宇宙開発、太陽光発電の普及で、化石燃料の必要性が下がり、輸出規制とまで取られたことで、「太陽光発電紛争」なる戦争が度々起きていたらしい。刹那の母国クルジスは、そうした紛争でアザディスタンに併合されたようだ
前回から、マイスターが過去と対決する回が続く


<第13話 聖者の帰還>

ラフマディ師の行く先を探す刹那は、太陽光発電が狙撃された現場でユニオンのグラハムに見つかる。PMCのイナクトが盗まれた話から犯人をサーシェスと断定した
刹那の記憶からサーシェスの隠れ家を察知した、師の奪還計画を断行。師をガンダム自ら王宮に届けることで、その存在をアピールするのだった

ラフマディ師がなぜ生存していられたかは説明されないが、他国の組織に殺されたら憎悪が他所へ行って内紛にならないからで、できれば駒として利用する計算もあったろう
暗殺者が身辺にマリナの身辺にせまり、ラフマディ師が戻っても内紛が止まないなど、失敗国歌の脆弱さが容赦なく表現されている
化石燃料から新エネルギーに世界が移行したとき、中東が何が残るかを考えれば、ありうる未来である


<第14話 決意の朝>

人革連がガンダム捕獲作戦に失敗した後、水面下で三大勢力による合同軍事演習が進められていた
ユニオンには対ガンダム部隊に各地域のエースが集結、フラッグもグラハム機仕様に改良し、マイスターの介入に備える。AEUはコーラサワーに……ではなく偽名を使うサーシェスに特殊任務とアグリッサという機体を与えるのだった

冒頭の説明でユニオンもスペースコロニーを持ち、その開発に小惑星が使われていて、その小惑星群=アステロイドベルトには、ソレスタルビーイングのドッグがあるという
OPも代わり、急にトミノフスキー粒子が濃くなってきた。あまり妙なリスペクトをせず、独自路線で完走してもらいたいが、どうなるものやら
朝帰りのコーラサワーに、新上司マネキン大佐が登場。「二度もぶった」頂きました(笑)
Gジェネで存在は知っていたが、まるで女っ気のない上司に惚れたのは、こういう関係性があったかと納得


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【BD】『機動戦士ガンダム00』 第7話~第10話

4話一気に見ると、お腹一杯


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<第7話 報われぬ魂>

刹那はモラリアの戦闘で、かつて自らを洗脳したテロリスト、アリー・アル・サーシェスに出会った。正体を確かめるために姿を晒してしまった刹那に、ロックオンは修正のパンチを食らわせる
東京では沙慈とルイスが爆破テロの現場に居合わせた。世界各地に同時爆破テロが起こり、テロ組織はソレスタルビーイングによる活動の停止と武装解除を求める

冒頭でアリー・アル・サーシェスが刹那を洗脳した存在と明かされる。少年兵時代の戦闘の師匠にもあたるようだ
少年兵への過酷な入門儀礼、ヤクザな民兵が転じて他国の傭兵となることなど、上手く現実をフューチャーしている。イスラム系のゲリラがヨーロッパの傭兵になれるかは微妙だが、まあそこは近未来だから


<第8話 無差別報復>

同時多発テロに対し目標が判明するまで、ガンダムマイスターには待機命令が出る。王留美たちが摑んだ情報から、刹那はイギリスの爆破現場へ行きテロリストを追いかけた
追跡に失敗し当局に拘束されそうになったところを助けたのは、欧州歴訪中のアザディスタン王女マリナ・イスマイールだった
その後、AEUからの情報漏えいで、テロ組織の場所が判明。マイスターに出撃命令が下る

なんでパイロットにテロリストを追わせるのか。素朴に感じる疑問だが、すべては刹那とマリナを会わせるためである
刹那のクルジスとマリナのアザディスタンは戦争した過去を持ち、被害者と加害者の意識の違いがはっきりと出る。ナレーションが強調するところ、マリナはWのリリーナみたいな存在となるのだろうか
テロとの戦いにガンダムを使う問題で、テロリストが人民の群れに紛れてしまう点があるのだが、今回はそれをうまく解決していた
相手のテロ組織が自然回帰主義を唱えさせているのだ。拠点が人里から離れているので、派手に爆発しても安心だね(笑)
前回あたりから、スメラギさんがセックスシンボル化してきた。ヴェーダ、ヴェーダと口うるさいところも、エヴァへの意識があるようで
作戦参謀がデレすぎると、作戦世界が歪んでしまうので、悪い部分は見習って欲しくないなあ


<第9話 大国の威信>

ソレスタルビーイングの介入に対し、ユニオンとAEUは自国領域外は無視すると表明、世界は新しい秩序が生まれようとしていた
唯一、人革連だけはビーイングの活動を認めず、物量を生かしたローラー作戦を展開。GN粒子が通信を遮断する性質を利用して、ビーイングの母艦プトレマイオスを発見する
対ガンダム部隊「頂武」を率いるセルゲイ・スミルノフは、スメラギの作戦を出し抜いて各ガンダムを孤立させる

どれくらい月日が流れたかはわからないが、60回もの介入が行われたそうだ。まるでソレスタルビーイングが戦争を独占しているかの如し
マイスターたちの背景も少しずつわかってきて、ロックオンはテロの被害者であり、オペレーターのフェルトは亡くなった両親が第二世代のガンダムマイスターとな。いったい、ビーイングにはどんな歴史あることやら
今回は蹂躙を許してきた大国のターン。ガンダムたちはあまりに機体性能に頼った、楽な戦いをしてきたので、熊さんに肩入れしたくなる人も多かったのではないか
前半の見せ場なのか、CGにも気合いが入っていて、アニメとの齟齬もない。GJです


<第10話 ガンダム鹵獲作戦>

セルゲイの目標はプトレマイオスではなく、ガンダムの鹵獲だった
陽動に出たキュリオスのアレルヤはソーマと遭遇して発作を起こし、捕獲されてしまう。同じく標的にされたヴァーチェのティエリアはキュリオスごと葬ろうとするが、自らも窮地に陥る
進退窮まったティエリアはヴァーチェの装甲を解体して、ガンダムナドレの姿を晒すことで凌ぐのだった。ヴェーダの計画より早すぎる発動に、ティエリアは涙するのだった

プトレマイオスのクルーはほぼ初めての実戦で、各員が大きく動揺する。スメラギさんすら、自らの不明を嘆く始末で、組織としての醜態をさらした
組織論で考えると、艦長と作戦参謀と司令官を一人の人間に背負わせることに無理があるのだけれど、キャラクターを増やせないという、製作の都合でアニメではままある光景ではある
ガンダムナドレの長髪には絶句。まさかのノーベルガンダムではないか(苦笑)
ということは、ティエリアが女性ということはないにしても、「男の娘」的なものを背負うということなのか
アレルヤの二重人格といい、この二人のマイスターの過去が気になるところだ


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(2007/12/09)
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『日露戦争陸戦の研究』 別宮暖朗

仮想敵は『坂の上の雲』!?


日露戦争陸戦の研究 (ちくま文庫)日露戦争陸戦の研究 (ちくま文庫)
(2011/01/08)
別宮 暖朗

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日露戦争は、本当に作戦による勝利なのか? 陸軍の印象操作を打ち破り、七つの陸戦の勝因を問い直す
『坂の上の雲』を始めとした日露戦争のイメージは、物量に勝るロシアを作戦によって退けたとされる。本書ではそうした通説を軍官僚による情報操作であると疑い、冷静に戦況を見直すことで本当の勝因を明らかにしていく
著者が痛烈に批判するのは、井口省吾、松川敏胤をはじめとする陸大出の参謀たちで、現実的でない作戦を現場に押し付けて混乱させたとする
最終章でそうした参謀の失敗を戦後の官僚政治への批判とつなげたように、著者の価値観が色濃く反映されていて、井口らへの批判は後出しジャンケンの嫌いはある
しかし、戦史は参謀たちによって書かれる。戦争への印象はそうした参謀の政治的事情が反映されていて、『坂の上の雲』もその影響を免れていないとなれば、本書の価値は大きい

本書によると、日露戦争は海軍主導で開戦が決まり、陸軍は満州での決戦を想定していなかったという
日本側から見て開戦のきっかけになったのは、ロシアが鴨緑江河口の龍岩浦に軍港化をはかったこと(龍岩浦事件で、ロシアとしては旅順とウラジオストックだけでは航行距離の問題から制海権がとれないと朝鮮半島両岸に不凍港を欲しがっていた
この動きに対して、海軍大臣・山本権兵衛は表向きは平静を保ちつつ、奇襲攻撃による開戦計画を練っていた。外交の現場でロシア側の強硬姿勢を見ていた小村寿太郎がこれに同調し、ロシアへの和平工作に失敗した伊藤博文も日英同盟を見て開戦に舵を切った
陸軍はというと、山県を始めとする要人は満韓交換の条件が成立しないはずがないと思い込みがあって、海軍の事情に疎かった。首相・桂太郎は開戦が避けられないことから辞職騒動を起こしたという
開戦してからも、海軍の制海権次第で上陸できないとあって、陸軍は終始、海軍の事情に引きずられることとなり、大陸での決戦など想定できなかった。まったく準備を欠いていたのだ
また、陸大の教官であったメッケルは実戦経験が少なく、井口、松川らに師団長レベルの部隊展開しか教えることができなかった。他国に送られたドイツ軍人に比べ、二流の人材と著者は手厳しい
児玉源太郎は井口や松川といった参謀の空論を、菩薩なんだとおだてつつ無力化し、方々に角が立たないように軟着陸させていた。戦争全体の計画性には疑問符がつくものの、その軍人離れした調整能力は著者も高く評価している
結果、旅順攻防戦、遼陽会戦、奉天会戦などの決戦では、参謀によるドイツの軍事学よりも、戊辰・西南戦争を経験した将帥の機転がものをいうことになる

本書の目的のひとつは乃木希典の復権だろう
最初の総攻撃こそ、集団密集での突撃で大きな損害を出したものの(それにしても同時代の常識ではあった)、次の攻撃からは敵の塹壕に対して塹壕で迫る戦法に転換し、海軍に協力して重砲部隊で旅順艦隊を機能不全に追い込み、203高地の争奪戦では敵に消耗戦を強いてステッセルの降伏につなげた
日露戦争時代の砲弾では塹壕、トーチカを粉砕するには限界があり、どこかの時点で銃剣突撃はやむをえず、要塞の攻略は数に劣る守備兵を消耗戦に追い込む必要があった。いくつかの錯覚はあったものの、当時の事情からすればかなり優れた戦果を残したといえるのだ
旅順の膨大な犠牲は近代戦そのものの性質からであり、それに震えた者たちが責任を乃木に求めたと考えられる

本書のもうひとつの特徴はロシア側からの分析である
物量のロシアというのは、あくまで第一印象であって、実際に日露戦争に投じられた兵力はそれほどでもなかった
開戦当初は日本からの攻撃を想定していないので、極東全体の兵力が薄く、しかも旅順要塞に割かねばならなかった
遼陽、奉天と後期になって兵力が充実したのはいいものの、今度はシベリア鉄道を補給にフル回転させねばならず、帝政の腐敗から必要量が戦場に届かなくなっていた
実はロシア側からしても戦争の継続は困難になりつつあり、日本軍を打ち破る方策がなくなっていたのだ
つまりポーツマスで日本が賠償金を取れなかったのはウィッテの外交的勝利で、日比谷で暴れた庶民の感覚はあながち間違ってなかった(苦笑)
しかしこうしたものの見方は、あくまで結果と状況を全て知ってから言えることであって、日本の権益が守られればそれでよしとする児玉源太郎のバランス感覚を著者も認めている


関連記事 『坂の上の雲』 第1巻
     『「坂の上の雲」の幻影 “天才”秋山は存在しなかった』
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【BD】『ムーラン・ルージュ』

公爵「(悪役を)強いられているんだ!」


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(2013/10/25)
ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー 他

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1900年のパリ。売れない作家クリスチャン(=ユアン・マクレガー)は、ムーラン・ルージュの高級娼婦サティーン(=ニコール・キッドマン)に一目ぼれする。ひょんなことから公爵(=リチャード・ロクスバーグ)と間違われ、一室で自作の詩を披露しサティーンを口説き落とすが、その途端に勘違いが発覚。仲間の取りなしで、公爵をスポンサーに新しい芝居の戯曲を書くことに

想像以上にはっちゃっけた映画だった(苦笑)
舞台はモンマルトルの“娯楽の殿堂”ムーラン・ルージュだが、中身は完全にブロードウェイなミュージカル映画なのである
忠実に舞台衣装などを再現しておいて「どうなの?」という感情を押し流すように、次々とアメリカのポップ文化が次々と引用され、最初の30分で視聴者を降参させる勢いがある。ここでマドンナ、ビートルズ、クイーン!、もう好きにしてくれ(笑)
ある種の台無しでも、一周するまで押し切れば作品が成立してしまう恒例だろう。期待の斜め上だけど、面白いことは面白い

純粋なエンターテイメントである。テーマ性を問うと、かなり浅い作品だ
売れない作家と高級娼婦の、身分違いの恋のはずが、バ~レバレにイチャイチャしちゃうし、金を出す公爵がいい面の皮。早々とサティーンの病気がばれるのもしょっぱいし、視聴者の同情は悪役の公爵に向けられてしまう
サティーンに女優として昇りつめる気持ちがあるのなら、公爵をパトロンとして迎える必要もあるのであって、仕事を取るか、愛をとるのか、選択を迫られるはずだった
それがいつのまにか、レイパーとなった公爵から彼女を守るという話にすり変わっている
精神的な愛と肉体的な関係を分けない、仕事と恋愛を二者択一にしないといった現代の倫理観が持ち込まれたのだろうか
娼婦で出しといて、女優のイメージを守るとかではないと思うのだが


関連記事 【DVD】『赤い風車 ムーラン・ルージュ』(1952年)

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ジャン・ギャバン、フランソワーズ・アルヌール 他

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↑口直しはこれで
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【BD】『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』

飛行機だけはカンベンな


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(2011/01/07)
リーアム・ニーソン、ブラッドリー・クーパー 他

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イラク戦争に召集されたAチームは、バグダッドで活動するゲリラから偽ドルの原版を奪取せよ、との指令を受けた。リーダーの“ハンニバル”スミス大佐(=リーアム・ニーソン)の作戦に基づいて、ライバルのブラックフォックスを出し抜くも、原版の入ったコンテナが爆発、上司であるモリソン将軍(=ジェラルド・マクレイニー)が死亡してしまう。責任を問われてAチームは特別刑務所に収容されるが……

2010年公開の劇場版“特攻野郎Aチーム”。日曜洋画劇場が有名だから、テレビ映画ぐらいにはなってるか思ってたら、もとは全部1時間枠のようで
キャストもハリウッド仕様に変わってスマートな感はぬぐえないが、お馬鹿なノリは健在
80年代を思い出させる、意味もなく過剰でゴージャスなアクションが繰り広げられる。落下する戦車に砲撃させて、湖の上に落ちるように修正し、かつ衝撃を和らげるとか、着想が斜め上すぎる(爆)
バルガスがビルから落下して自動車のフロントガラスに頭をぶつけても、足を引きずるぐらいでフルオートの銃撃を平気とか、この雑さに痺れますわ
派手に爆発するわりに、他の映画より死人も少ない。テレビシリーズの良さを見事に引き継いだ劇場版である

時代も変われば、設定も変わる
テレビシリーズではベトナム帰りの設定で、「国に裏切られて」自ら正義のAチームを作る
本作ではそれがイラク戦争になり、真相解明と名誉回復のためにチームを組む。結果的に「国に裏切られ」、反骨のAチームが生まれる
バルガスが服役中に非暴力主義に目覚めるのが印象的で、作戦を厭う彼にスミスはあえてガンジーを引いて、「ガンジーの非暴力には信念があった。君には?」と戒める
国防省、CIAといった権威に楯突きつつも、イラク戦争でもたらされたニヒリズムをはっきり否定していた
テクノロジーという部分では、無人機が怖すぎる。80年代調の中では、まるで未来兵器のごとし
MQ-9リーパーは、スティンガー空対空ミサイルを搭載でき、Aチームがジャックした輸送機を木っ端微塵にする
映画でもCIAら、こうした兵器を安全な後方から運用する者たちを批判的に扱っている


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『ティターンズの旗のもとに ADVANCE OF Z』 今野敏

新モビルスーツの登場に作者もノリノリ


ティターンズの旗のもとに〈上〉―ADVANCE OF Z (メディアワークス文庫)ティターンズの旗のもとに〈上〉―ADVANCE OF Z (メディアワークス文庫)
(2010/07/24)
今野 敏、矢立 肇 他

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ティターンズの旗のもとに〈下〉―ADVANCE OF Z (メディアワークス文庫)ティターンズの旗のもとに〈下〉―ADVANCE OF Z (メディアワークス文庫)
(2010/07/24)
今野 敏、矢立 肇 他

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宇宙世紀0088。ティターンズに参加したエリアルド・ハンターは、連邦政府から幾つもの嫌疑をかけられ、軍法会議に処せられようとしていた。極刑は免れない裁判に、法務局の弁護士コンラッド・モリスはエリアルドの無実を信じて、かつて同じチームにいたスタッフ達を探し始める。ガンダム小説初の法廷サスペンス

ミステリー作家にして空手道場を営む異色の小説家、今野敏のガンダム小説
主人公がティターンズのパイロットで、ティターンズの結成からコロニーレーザーをめぐる最終決戦まで関わっていた
戦中のパートと法廷闘争のパートが交互に入れ替わる構成になっていて、戦争の渦中にいるパイロットと戦後から冷静に振り返る二つの視点で、敗者から見たグリプス戦役が語られていく
ジオン残党がエゥーゴに転じるなど、アニメで表現されない戦役の裏側を忠実に表現されている貴重な作品である。「デラーズ戦役」「30バンチ事件」「ニューディサイズ」と、年表の整合性への配慮もファンには嬉しい
他の小説を読んだことがないので作者の特徴かは分からないが、文体はガンダムUCと対照的に写実的な描写がなく装飾も少なく、いわゆるアニメのノベライズ小説に近い
しかしその無骨な文章で積み上げられたドラマは、最後に熱い感動をもたらす

出てくる登場人物は、揺らぎが少なく非常に安定している。理想小説的で、いたらぬ人間同士のぶつかり合いは余り起こらない
こうした大人すぎるドラマは、良く悪くもエキセントリックなキャラクターに親しむガンダムファンには、寂しく感じられるかもしれない
管理人がひとつ気になったのは、主人公を弁護する側が「軍人だから組織の命令に従うの仕方ない」で押し通すところだ
エリアルドが生き残るために法廷でそうした論理が使われるのは当然だし、それそのものはひとつの理屈ではあるのだが、人間としての良心」はどこに行くのか
ナチスやベトナム戦争を題材とした映画などでは、命令だから仕方ないではすまされず、一人の人間としての良心が問われる
作者も当然、この点は分かっていて、毒ガスを運んでいたと知らなかったエリアルドは「30バンチ事件」の結果に罪悪感にさいなまれるのだが、コンラッドに諭されて以後、その悩みには触れられない
もちろん、主人公は不当な裁判で死ぬべきではない。ただそれを潜り抜けた後に、「人間としての良心」がどう果たされるのか、ちゃんと示唆してほしかった


HGUC 1/144 ORX-005 ギャプランTR-5 [フライルー] (ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに)HGUC 1/144 ORX-005 ギャプランTR-5 [フライルー] (ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに)
(2006/12/24)
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【BD】『機動戦士ガンダム00』 第3話~第6話

乙女座のエース


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(2008/08/22)
宮野真守、三木眞一郎 他

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一枚で4話収録。残りもこのペースみたい


<第3話 変わる世界>

ユニオンのエース、グラハムの退けたエクシア。彼らのソレスタル・ビーイングの活動は、世界の報道機関を通して認知されていく
次の作戦は、南アフリカの鉱山地帯(コンゴ?)、南米タリビアの麻薬畑、セイロンの三派に分かれ、セイロン島に再度介入した刹那は、人革連のセルゲイと一戦を交えた
こうした作戦の影響で、400年続いた北アイルランドの紛争が終結し、世界を再び驚かせる

北アイルランドの「リアルIRAには、腹を抱えた(笑)
実際のIRAは街に溶け込む形で活動し、必要なときに山里に集まるという行動パターンだから、ガンダムのような大型ハードを恐れて紛争を止めるとは本来考えにくい
リアルでないと、百も承知だからこそのネーミングであろう
この世界の戦争は、正規、不正規問わず、人型機動兵器に乗って戦う設定だから、ガンダムによる武力介入が通用するわけだ
絹江などのジャーナリストに焦点があたるところは、『沈黙の艦隊』の影響が見てとれ、彼女の弟・沙慈が刹那の隣の部屋に住んでいて、この姉弟から一般人の視点が盛り込まれていくようだ


<第4話 対外折衝>

ソレスタルビーイングの活動を受けて、南米のタリビア共和国がユニオンからの離脱を宣言した。仮にアメリカと戦争状態となれば、それを止めるためにビーイングが介入すると見込んでの動きだ
どちらに味方するか、注目されたが、刹那たちはタリビアを紛争幇助国と見なして攻撃。タリビアはユニオンに下ることとなる

さらに新しいキャラクターが加わった
カザディスタン王国の女君主マリナ・イスマーイルで、髪型以外が王留美と差がないので分かりにくい。目がでかいキャラクターデザインは、描き分けに難があると見たぞ、小生は
タリビア共和国はベネゼエラのチャベス政権を意識しているようだが、軌道エレベーターの近くにあるから離脱する利があるというのが良く分からない
チャベス政権は産油国であることが独自外交の根拠としたが、エネルギーで自立できないのであれば、ユニオン離脱も勝手すればという話になる
反米を叫んだ大統領が土下座して権力を保てるという展開も現実的でないし、各地の紛争はあくまでガンダムを出すネタとして消費されている
ガンダム的お約束に縛られるのは分かっているが、もう少し頑張って欲しい


<第5話 限界離脱領域>

経済特区・東京の学生である沙慈は恋人未満のルイス・ハレヴィと、人革連の軌道エレベーター「天柱」の見学に出かける。「天柱」近くの宙域では、対ガンダム部隊を任されたセルゲイが、超人計画で作られた少女、ソーマ・ピーリスと新型兵器の試験運転をしていた。ガンダム・キュリオスのパイロット、アレルヤも「天柱」にいたが、ソーマ・ピーリスの脳波と干渉し合ってしまう。ソーマの暴走で「天柱」の一区画が剥がれ、沙慈たちは宇宙に漂うことに

今まではシーンが細切れに分割し、情報、伏線を盛り込む構成が目立ったが、今回はテーマがしっかりしている
沙慈たち、200人の民間人が乗ったブロックを、大気圏に突入する前にいかに押し返すか
人革連のセルゲイが自己犠牲精神を発揮したかと思えば、普段は寡黙なアレルヤが無断でキュリオスを発進させ、それに加わるという意外な人間模様も見られた
逆シャアのアクシズ押しを彷彿とさせる展開は、富野信者も燃えざる得まい
沙慈とルイスのキャッキャッウフフも、殺伐としたシーンの多い本作では非常に大事である
前回に登場したソーマ超兵計画で作られた、いわゆる一つの強化人間なわけだが、アレルヤとNT現象を起こすのは意外だった。なぜに脳波まで送受信する必要があるのか、そのうち分かってくるのだろう
常識的に考えると、ソーマの起こした騒動は超兵計画終了のお知らせと言わざるえないが、それを続行できる展開も人革連ならさもありなんと、不思議な説得力がある(苦笑)


<第6話 セブンソード>

AEU(新ヨーロッパ共同体)は軌道エレベーターの起動のために、モラリア共和国の支援を決めた。モラリアはPCMと言われる総合軍需産業で成り立っていて、軌道エレベーターの運用にPCMの技術が欠かせない
AEUとモラリアの合同軍事演習に罠と知りつつ、刹那たちは介入するが、そこに傭兵アリー・アル・サーシェスが立ちはだかる
コーラサワーの芸術的出落ちは必見だ

前回の独走でアレルヤは営倉入りとなった。ティエリアはアレルヤの行動をビーイングの秩序を乱すものと手厳しい。同じように見えるメンバーにも、徐々に個性が見えてきた
ロックオンが兄貴分としてバラバラの三人をフォローしていて、彼がチームの要石のようだ
何気に戦術予報士のスメラギユニオンの技術顧問ビリー・カタギリと同窓であることが発覚し、過去の事件が意味深に語られたり、と伏線もばっちり
ただしカザディスタン王国の姫様に関しては、一人で外交やってたりと演出が杜撰だった。分かった口を叩く秘書ぐらいはついてけというに


次回 【BD】『ガンダムOO』 第7話~第10話
前回 【BD】『ガンダムOO』 第1話・第2話

HG 1/144 GN-003 ガンダムキュリオス (機動戦士ガンダム00)HG 1/144 GN-003 ガンダムキュリオス (機動戦士ガンダム00)
(2007/11/25)
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『ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア』 波戸岡景太

ライトな評論


ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア (講談社現代新書)ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア (講談社現代新書)
(2013/06/18)
波戸岡 景太

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「かつてのオタク、いまはフツー」。ラノベを通して読み解く現代日本の変容
本書はライトノベルの世界を知らない世代、人向けに書かれたもので、W村上などのポップ文学の系譜を引きつつ、現代の文学としてのラノベを位置づけて、そこから日本の変化を辿っている
いわばライトノベルを読む世代と読まない世代の「断絶」を埋める役割を担おうとしているのだが、残念ながらそれは果たされていない
著者は管理人と同年代ながら、若いころに青少年向けの小説に触れなかったので、東浩紀などの評論やライトノベルの文章からの引用で語ろうとする。評者とライトノベルの間の「断絶」が埋められていないのだ
結果、著者が把握しているW村上から、文学的な役割を果たしているようなライトノベルを選んで、影響なり社会評論を語るという薄いラインを突いてしまい、世代論にとどまるところも物足りない

ただライトノベルの一部の作品が、文学的な役割を担っていることは再確認させられた
本書では滝本竜彦の『ネガティヴハッピー・チェーンソーエッジ』から、『涼宮ハルヒの憂鬱』などを引いて、主人公の内面とヒロインたちとの関係に注目していく
それぞれ変わったヒロインに振り回される主人公という点は共通するものの、比較的能動的に動くタイプから、ヒロインから積極的に迫られても寸止めに終わって友達にとどまって「ぼっち」を維持するタイプに移行しているという
著者はそうした主人公とヒロインから、W村上の課題を引き継いだ冷戦以後の価値観が見て新世代のある種の達観を感じている
作家の小説に対する考え方に注目していることもユニークで、村上春樹が「雪かき」=労働に喩えたのに対し、ライトノベルの書き手たち、例えば西尾維新は「あくまで趣味」であることを強調する
W村上が小説を商業活動=「労働」と位置づけて、ポップ文化の担い手として働き者の「大衆」に接近したが、ライトノベルの書き手は「労働」から離れた「趣味」である姿勢で読者に向かっているという指摘は鋭い
小説は道楽であり、小説家は余計者であるという、ある種の原点回帰であろうか

本書はW村上とライトノベルを接着する構想にこだわり過ぎて、しんどい内容になっている
ライトノベルの作家たちをW村上の読書体験があると仮定してしまって、小説とライトノベルの「断絶」を把握していないからだ
ライトノベルは初期には「ジュブナイル」、青少年を大人の読み物へ導くステップとしての小説と混在していたものの、まずもって漫画の影響が強い
漫画があまりに成熟したために、小説形式のほうが読者の敷居が低いという転倒が生じ、「漫画のような小説」というコンセプトでライトノベルは成立しているのだ
だから読者も書き手も、伝統的な日本文学、W村上を一般的に経験しているわけでもないし、課題を引き継ぐ意図も自覚的にはない
ライトノベルの文学性を問うとしても、ポップ文学の後継というより、それぞれ違う経路から現代社会の象徴が現れていると考えるべきだろう
本書はライトノベルの評論としては疑問符がつくものの、W村上や寺山修司を絡めた80年代論、ノスタルジイ論は鋭いので、各論は楽しめる


関連記事 『ネガティヴハッピー・チェーンソーエッジ』

キャラクター小説の作り方 (星海社新書)キャラクター小説の作り方 (星海社新書)
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大塚 英志

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↑ライトノベルの成り立ちにも詳しい。例によってアクが強いけど(笑)
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【BD】『機動戦士ガンダム00』 第1話・第2話

軌道エレベーターと聞いて


機動戦士ガンダム00 1 [Blu-ray]機動戦士ガンダム00 1 [Blu-ray]
(2008/08/22)
宮野真守、三木眞一郎 他

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Gジェネ・ウォーズに出てきたので、ちと
今秋に富野監督の新作『Gのレコンギスタ』が公開されるし、軌道エレベーターが登場する本作をいずれチェックしようと思っていたのだ
OOの舞台は24世紀の地球で、石油の枯渇から太陽光発電へ移行するにあたって軌道エレベーターが必要になり、その建設のために世界が三つの連合に再編された。その三者が資源獲得のため、帝国主義的な紛争を繰り返しているようだ
三つの連合といえば、SEEDの連合が三つの地域から成立していて、『1984』のオマージュだという話もあったが、本作がどうなのかはわからない
数百年先のフィクションとしながら、実際にある紛争をフューチャーして話を作っているようなので、『ゴルゴ13』『沈黙の艦隊』が好きな管理人としては楽しみである


<第1話 ソレスタル・ビーイング>

冒頭に主人公・刹那の過去から入る。コーカサス地方とおぼしきクルジス共和国でゲリラをやっていた彼は、謎のガンダムに助けられた
そして、現代の彼はガンダム・エクシアを操り、AEU(ヨーロッパ連合)の公開軍事演習に介入する。イグナトを操るコーラサワーくんは、見事なかませ犬デビューを決める(なぜ、コーラなのにヨーロッパなのだろう)
その一方で、刹那の仲間も人革連(中国・インド・ロシアの連合!)の軌道エレベーターを守るべく活動していた
そして締めにテレビに現れた謎の老人が「ソレスタル・ビーイング」を名乗って、武力紛争の根絶を世界に宣言するのだった
後々の伏線のためにチラ見せする場面が多く、情報量が多い初回である

いきなり敵の懐に最新兵器ガンダムが飛び込むという展開、複数の味方ガンダムの存在はガンダムWに近い
主人公側は4人のガンダムマイスター、刹那、ロックオン・ストラス、アレルヤ・ハプティズム、ティエリア・ハーデが中心戦力で、その風貌はさながらヴィジュアル系ロックバンドのようだ(苦笑)
皆少しずつ違うものの、ナルシスト的な台詞回しが共通し、それは確かにテロリスト紛いの存在にふさわしいような。それぞれ個人の主義が強くても芸風が似通い、“バンド”という言葉が似合う4人組み


<第2話 ガンダム・マイスター>

冒頭に古谷徹のナレーションで世界観が語られ、前回チラ見せで登場していた人たちのポジションが少しずつ分かってきた
世界は三つの連合に分かれ、ユニオンはアメリカを中心とする環太平洋、人革連は中国・ロシア・インドの連合(中国人が首席)、AEUはそのままヨーロッパ連合だ。現実に考えると、パワーバランスが取れていない気がするが、それは棚に上げよう
今回はガンダムマイスター4人による作戦で、人革連の領域であるスリランカの民族紛争に介入する。圧倒的な武力で人革連の部隊を鎮圧するが、盛り返した少数民族の部隊も平定することとなり、血まみれの戦場が後に残った
JNN(経済特区・東京の放送局)では、記者・絹江によって演説した老人イオリア・シェヘンヴルグが200年前に死んでいることが発覚する。謎は深まるばかりである

武力による介入がいかなる事態になるか、早くも明かされた
人革連も少数民族も武装はしているが、テクノロジーの差は歴然としている。MSはおろか、キャンプ地も爆撃するから、おびただしい死者が出たことだろう
そしてそのことに、キュリオスのアレルヤ、戦術予報士のスメラギが独白するように、ビーイングのスタッフは自覚的である
もう少し現実的に考えてしまうと、テロや民族紛争は戦場が規定されない、生活空間に溶け込んだ形で展開されるのであって、ガンダムという巨大ハードが介入して解決するかという問題がある
まさにガンダム的お約束を突き崩す疑問なのであるが(苦笑)、主人公たちが今回やったことはアフガンを空爆するアメリカとそう変わらないのだ
スポンサーのおっぱいちゃん、王留美の述懐からすると、注目をソレスタル・ビーイングに集める、憎しみを背負うことによって、紛争を緩和することを狙っているようではあるが
製作者が触った問題のややこしさを理解して取り組んでいることは分かるので、ファーストシーズンは追いかけるつもりだ


次回 【BD】『ガンダムOO』 第3話~第6話

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(2014/04/26)
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