【DVD】『タロットカード殺人事件』

『マッチ・ポイント』の次作なのだが

タロットカード殺人事件 [DVD]タロットカード殺人事件 [DVD]
(2008/03/19)
スカーレット・ヨハンソンヒュー・ジャックマン

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ウッディ・アレン監督作なのだが、ご本人主演ということで前作とは間逆の作品。いちおう探偵ものだが、中身は船越英一郎の2時間ドラマに近いノリなのだ(笑)
しかも冒頭から推理もので一番やってはいけないこと(!)をぶちかましてしまって、もうやりたい放題。これほど奇麗に探偵ものの方程式を崩していくというのも凄いね
ウッディ・アレンとスカーレット・ヨハンソンの軽妙なやりとりもあって、話のテンポは抜群。ヨハンソンの早口は凄い。相当練習したんだろうなあ。彼女の水着シーンなんてのもあって、もうたまりまへん

かなり娯楽に徹した軽い作品なんだけど、ウッディ・アレンの自分語りしている部分は好き嫌いが分かれるかな。自虐的な部分は笑えるけど、「ユダヤ人」と連呼するところは日本人にはポカ~ン
軽いコメディーとはいえ、ウッディが出過ぎて作品のバランスが崩れているところもあるし、前作の完成度を見ると本人が出ない方が映画としての完成度は上がるように思える
しかし、面白さから言えば、出てもらった方が断然面白いんだよなあ
役者さんがインタビューで話していたけど、彼の出演作は「ウッディ・アレンの映画」という一つのジャンルになっているんだろうねえ
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【DVD】『吸血鬼ノスフェラトウ』

題名に惹かれて借りてみたが、思ったより古い映画だった


吸血鬼ノスフェラトゥ [DVD]吸血鬼ノスフェラトゥ [DVD]
(2006/09/15)
マックス・シュレック ; アレクサンダー・グラナック

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公開がなんと1922年。当然、サイレント映画
ドラキュラ伯爵が出てくるわけだけど、いわゆる男前の紳士姿じゃない。どちらかというと、「ゲゲゲの鬼太郎」の“ぬらりひょん”か宇宙人かという風貌なのだ(笑)
動き方もかくかくしているし、どこか呑気な雰囲気である。自分で土の入った棺桶を担ぎながら引っ越し先まで歩いたりするしなあ(笑)。伯爵なのに、従者一人いないのかよお~
話自体も非常にベタだが、映像表現自体は意外に古びてない。役者の演技は舞台のようだが、カメラワークは工夫されている。主人公が寝ているドラキュラを見つけるシーンは迫力があった。音が出せない分、絵で表現することに賭けているからだろうか
当時はこれを見て失神した人もいたそうで、ホラー映画の先駈けなのである
ただ、全体としては水木しげるを感じてしまうんだなあ(笑)

ブラム・ストーカー原作の『ドラキュラ』を初めて映画化したのが、コレだったようだ。ただ、原作者の許諾を得ないまま作ってしまったため、途中で上映は中止になり幻の名作になっていたという
そういやヴァン・ヘルシング教授が出てきてたっけ
1979年にドラキュラの著作権が切れてリメイクされたらしいけど、ツタヤに置いているかな?
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【DVD】『ゾディアック』

実在の事件を扱っているが堅苦しくなかった

ゾディアック 特別版ゾディアック 特別版
(2008/07/09)
ジェイク・ギレンホールマーク・ラファロ

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有名な連続無差別殺人事件の映画なのだが、余り陰惨な雰囲気はない
冒頭から軽快なポップスが流れ、その中で最初の犯行が行われる。その後の犯行シーンそのものはどれも生々しいが、流れるBGMは妙に軽い。なかにはスリラータッチのシーンも用意されているが、洒落た編集もされていて見ていて楽しかったりするのだ
おかげで見ていてダレることはなかったが、実在の事件を楽しく撮ってしまったいいのか、とも思った
が、DVDに収録された関係者のインタビューを見てそれにも納得。事件の悲惨さを強調しすぎると犯人に妙な伝説やカリスマ性を残してしまう。だから、これは不幸な事件だが、同時に凡庸な男が仕組んだセコイ事件として撮りたかったらしい

ゾディアックを追う三人の男、風刺漫画家ロバート・グレイスミス(=ジェイク・ギレンホール)、敏腕記者ポール・アヴェニー(=ロバート・ダウニー・Jr)、殺人課刑事ディヴィッド・トラスキー(=マーク・ラファロ)の視点で描かれる。この三者の視点を軽快に切り替えていくことでゾディアックの暗号文を巡る大新聞同士の喧噪、管轄がまたがる広域犯罪に対する警察の混乱、膨大な偽情報に錯綜する捜査など当時の状況が多角的に分かりやすく撮っている
これほど社会問題化した事件だったとは知らなかったなあ
ドラマとして面白いのは、この三人の微妙な関係。漫画家は事件に関わりたいが、記者と刑事は邪魔にしか思っていない。記者と刑事は仕事の立場上、犬猿の仲と言っていい。そんな彼らが時を経て一瞬でも協力し合う姿というは微笑ましい。刑事が記者に「失せろ」と言ったすぐ後に「でも情報はくれ」と付け加えるシーンにはニヤリ
だが、つかの間の蜜月も長くは続かない。ある者はフェイドアウトし、ある者は無念にも事件から離れていく。一期一会なのだ。残った者が彼らの意志を背負っていく姿は心打たれる
惜しいのは事件の経過を追う余り、事件から手を引く二人の心情を追い切れていないところかな。ただ、これは映画の主旨を考えると仕方ない

シリアスなテーマながらも、軽快なテンポ、ユーモア、サスペンスと娯楽性で高度なバランスがとれた映画だった。二時間半の尺ながらまったくだれない。少々ペースが速く情報量が多いのが難だが、話のキモを理解するのに問題はなかった
とにかく事件の真相追求にこだわった緊張感ある映画でしたね続きを読む
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【文学】『罪と罰』と革命

買い物でスーパーに行く途中、ふと考えた

『罪と罰』は近代主義の影響で従来の価値観がゆらいだ時代の“罪”の意識を問うたものだと思っていたが、それだけじゃない
ラスコーリニコフの行為自体が暴力革命の寓話になっているのではないか。高利貸しの婆さんから金を奪うべく、それを正しいという勝手な基準を自分の中で作り、婆さんを殺したのはいいが罪のない人まであやめてしまう
結局、当時のロシアで考えられていた革命なんてこんなもんだよ、と言いたかったのではないか。お題目を並べても、所詮は怨念から端を発したものに過ぎない
ドフトエフスキー元社会主義者だし、こういうテーマは彼の小説全体にまとわりついてくるものなのだろう

ということを、今ごろ気づいた・・・

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)罪と罰〈上〉 (新潮文庫)
(1987/06)
ドストエフスキー

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コンビニ置きのマンガたち

去年辺りからちょくちょくコンビニ置きの分厚いマンガを買い始めた

クローズ 1 (1) (少年チャンピオン・コミックス)クローズ 1 (1) (少年チャンピオン・コミックス)
(1991/02)
高橋 ヒロシ

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(ワイド版の絵がなかったのでコミック版)

学生のときにあまりマンガを読んでいなかったので、不良マンガを通しで読むのは初めてだった
毎回喧嘩するわけだが、とくにその戦況なり格闘技術を説明することはない。だけどコマを追っているだけでも充分面白い。作者は凄腕なのである
坊屋春道回りを幸せにする天使であり、むしろその周囲の不良たちそれぞれが主人公か。敗者に対する優しさがあって、いいマンガだった


沈黙の艦隊 原潜国家「やまと」出現編 アンコール刊行 (講談社プラチナコミックス)沈黙の艦隊 原潜国家「やまと」出現編 アンコール刊行 (講談社プラチナコミックス)
(2008/04/23)
かわぐち かいじ

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ただ今、現在進行中
昔はかわぐちかいじが苦手だった。いいマンガ家だと分かっているけど、何故かキャラの“鼻”が気になったのだ。それがために生理的に受け付けず、読むのを止めてしまった
今は全く気にならないし、なんだったんだろうなあ(笑)
デキがイマイチでも絵が好きで読む漫画もあるし、一流の作品でも絵が気に入らないと入れなかったりする
マンガは絵で入るだけに、文章以上に第一印象がものを言うみたいだ


オークションハウス 1 (1) (ヤングジャンプコミックス)オークションハウス 1 (1) (ヤングジャンプコミックス)
(1991/01)
小池 一夫

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(ワイド版の絵がなかったのでコミック版)

これは途中まで買っていたが、コンビニでは入荷されなくなってしまった
最初はギャラリーフェイクみたいな感じなのかと思ったが、実際はアクション中心のハードボイルド。アートビジネスの世界を題材にしているが、本質的にはアクションマンガだ
何せ、相手はヤクザ、イタリアン・マフィア、元特殊部隊隊員で、彼ら不届きなコレクターに対し、手裏剣(!)を投げて「オレはアートソルジャーだ」とくる。たまげたなあ(笑)
小池一夫原作だけあって、非常に構成、コマ割りが非常に洗練されている。まったく無駄がない
ただ、話の展開があまりに典型的なハードボイルド主人公の恋人が死に、それを穴埋めするように助けてくれる女性が現われ、そして彼女は主人公を庇って死んで・・・の繰り返し。全体では何人の女性が死ぬんだろうなあ(笑)
主人公に惚れたヤクザの娘がいい敵役だったのだが、その彼女と結婚してからは失速した感じだったね(すぐ彼女が死んで、違う女が出てくるんですがね・・・w)


COBRA (1) コブラ復活 (MFR MFコミックス)COBRA (1) コブラ復活 (MFR MFコミックス)
(2008/05/23)
寺沢 武一

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これから読むマンガ
コンビニで新刊が出るたびに買っていたが、まったく読んでいなかった。たしか新作アニメもあるはずだから、レンタルできるようになったら借りてみよう
ちなみにパチンコの方はまったくやってない。このスペックは金がかかる(汗
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『HUNTER×HUNTER』 第15巻 富樫義博

案外展開が早い!?

ハンター×ハンター (No.15) (ジャンプ・コミックス)ハンター×ハンター (No.15) (ジャンプ・コミックス)
(2002/10/04)
冨樫 義博

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ゴンとキルアの修行は続く。もう少しインスタントにはしょってしまうかと思いきや、丹念に描く。最近のマンガはすぐ強くなったり、戦いながら強くなるのが多いもんだけど、DBのような懐かしいノリ
その修行の中に「念」の新しい使い方として、「硬」やら「堅」やら出てくる。この程度のことにわざわざ説明がいるかはビミョウ
こういうルールを設定を増やしてしまうことで話の展開が縛られないか心配だし、読んでいる方は全部覚えてられないし・・・
こういう説明にコマを割くところを見ると、設定を使うことより考えることの方が好きなのかな、作者

ゴンは修行以外に特にバトルなし。純粋にカードを集めまくって、ゲームを文字通り楽しんでいる
キルアはゲームの途中でハンター試験を受けるのだが、ゲームに間に合わせるために彼が取った戦法は・・・なるほどね(笑)。これなら確かにゴンとすぐ合流できる
キルアのハンター試験は数巻に渡るネタにできるし、ちょっと勿体ないネタ消化だった気も

今回、一番インパクトがあったのは爆弾魔(ボマー)だろう。カード独占を狙うハンターたちに対し、それを一網打尽にする策略を巡らす。そして、ハンターたちの結末は・・・
いやはや、なかなかえげつないものを見させてくれますな
ただこのボマーはキャラ的に軽いので、クロロみたく先送りにならなそうだ
カード独占を狙うハンターたちはもう少し泳がせて欲しかったかな。カイジを読んだ後だけに、果たして最後まで信頼しあえるかを見たかったな
ボマーの手を逃れたハンターに、このゲームを管理する凄腕の男、そして宿命の男がゲームに入ってくる
一気に話が煮詰まってきて、次巻が楽しみだ

次巻 『HUNTER×HUNTER』 第16巻
前巻 『HUNTER×HUNTER』 第14巻
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『零式戦闘機』 吉村昭

ゼロ戦を通して見た太平洋戦争

零式戦闘機 (新潮文庫)零式戦闘機 (新潮文庫)
(1978/03)
吉村 昭

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第一次大戦を経験しなかった日本は、航空技術に関しては大のつく後進国。昭和を迎えた当初は、航空機の部品もみな外注か、コピーばかりで、当然それで作った飛行機はどれも外国に劣るものばかり。そうした中、日本独自の戦闘機を作ろうと、三菱重工の技術者たちは挑む
そうやって彼らは当時としては革新的な性能を持つ「96式艦上戦闘機」の完成に成功するが、海軍からはそれを上回る新鋭機を作れ、とさらなる要求が・・・。三菱重工は軍部の発注で食っている会社なので、それを断ることは許されない。そしてその海軍の要求内容自体も二転三転して技術陣も翻弄されてしまう
三菱の技術者たちは徹底して無駄を省いた軽量化と新開発の金属を用いてこれに答えた。こうしてできたのが「零式戦闘機」(以下ゼロ戦)だったのだ
軍の要求→設計→会社で試験飛行→軍の検査→修正要求→会社で試験飛行→軍の検査→軍飛行場での試験飛行とこうした開発の過程を丹念に追いかけていて、まさにプロジェクトX
海軍の方は勝手に要求をだすだけで、あとのことは技術者自身に任されるからそりゃもう大変だ
かなり細かい技術的なことにも触れていて、序盤は戦闘機の技術史といったところ

中終盤はゼロ戦と日本の盛衰を描く
ゼロ戦がデビューしたのは日中戦争で、ソ連製の戦闘機相手に圧倒的な性能差を見せつける。倍する敵の戦闘機を一機の犠牲も出さずに撃墜するなど、向かうところ敵なし
真珠湾以降も航空先進国とされていたアメリカの戦闘機を全く寄せ付けず、その技術的優越はミッドウェー海戦後も続いたというから驚きだ
その活躍にも関わらず、戦局は悪化する。完全な総力戦となり、アメリカの工業力は圧倒的。戦争の質も“人”から“モノ”が主役の近代戦に突入したのだ
エンジンの性能差からゼロ戦で捕まえられない戦闘機が登場し、アメリカの戦術もゼロ戦の弱点をついた一撃離脱を徹底。物量差と後方の生産力の差から、押し込まれるように一つ一つ拠点を奪われていく
そしてとうとう、“特攻作戦”が生まれて・・・。これはもう、ゼロ戦の物語にとどまらず、戦争全体を総括した内容と言っていい

冒頭が戦闘機の部品を牛が運ぶシーンがあって、この姿がまさに当時の日本の姿を象徴している。工場から海軍の飛行場まで通れる道路はなく、農家から牛を買って運ばなくてはならない
一部に高い技術がありながら、多くの部分は農業国から脱していなかったのだ
戦争を通して多くの人間が工場に徴用された結果、日本が工業国に脱皮していった側面はあるのだろうが、余りにも大きい犠牲だ
ゼロ戦を通した物語だが、戦争全体を見渡したものにもなっている。あくまで日本人視点であるのだが、余り強い政治的信条は吐露されず、沈着な調子で読みやすい
この本はもっと早くに読むべきだった


関連記事 【BD】『風立ちぬ』
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【テレビ】『マジェスティック』

KBSの映画枠って普段はB級映画の殿堂といったところだけど、今日はいいのをやっていた

事故で記憶を喪失した脚本家が息子を戦争で失った老人に息子と間違われて、小さな町で映画館を復活させるが・・・
てな筋なんだけど、見始めたときはどんな話か全く知らなかったから、どう転がっていくかワクワク。事故に遭うところなんて、ええっここで死ぬの?って・・・。死ぬわけないんだけどw
たまには予備情報なしで見るのも楽しい
時代背景は1950年代のアメリカ西海岸。老人の町も多くの若者を戦争に送り出し、犠牲を生んでいる。彼の息子ルークもその中の一人で、脚本家ピート(=ジム・キャリー)がそっくりなものだから老人も町の人間も大喜び。最初はピートは記憶が全くないもんだから、ルークとして振る舞わざるえない
とはいえ、見ている方からはルークでないことが明らかだし、主人公が爆弾を抱えながら町の人気者になっていくのにはハラハラする
ただ、ラストは非常に予定調和。ピートから急速に離れた町の人たちが、最後には横断幕張って迎えたりとか、うんなアホな。余りにハリウッド的過ぎてワロタよ。これは台無しだよなあ

最初は見ていて感動系の映画だと即断したが、実は違った
冒頭にハリウッドでの赤狩りの話が出てきて、後半にもその話が大きく関わってくる。これは極めて政治的メッセージを訴えている映画でもあったのだ
FBIや委員会による赤狩りのやり口などは史実に基づいて、かなり陰湿なもの。当時の赤狩りの狂気が窺いしれる
ピートは査問で一席ぶつ。戦争で多くの若者が死んだが、彼らは今のアメリカのために死んだのか
2002年公開の映画なので、同時多発テロ(2001年)以降のアメリカのことを考慮して制作されたとはいえないが、結果的に意味深なメッセージになっている

wikiで知ったがこれは本来は2時間半の映画だったのか。テレビでは1時間半弱しか流されていないわけで、そうとうカットされているんだな
話を理解するには問題ないが、少し時系列的に早く思えるシーンもあった。う~ん、これはDVDで観るべきだったか
いつの日か借りて観てみよう

マジェスティック 特別版 [DVD]マジェスティック 特別版 [DVD]
(2009/07/08)
ジム・キャリー、マーティン・ランドー 他

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『蒼天の拳』 第20巻 原哲夫

これってもう8年も連載してたのかあ。時が流れるのは早い

蒼天の拳 20 (20) (BUNCH COMICS)蒼天の拳 20 (20) (BUNCH COMICS)
(2009/03/09)
原 哲夫

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ラオウのごとき劉宗武、レイのごとき流飛燕と絵面的にも話的にも『北斗の拳』のイメージを引き継いできた『蒼天の拳』
同じ世界観を使っているんだからそりゃ当然なわけだが、ここにきて蒼天が作品として自立してきたように思える
単なる『北斗の拳』の前史でない重みが出てきた

本巻の劉宗武との“死合い”は凄すぎる
壮絶でありながら美しさをも感じる作画。死闘の果てに女神が現われる幻想的なストーリー。北斗史上ベストバウトではないか
前巻では決闘前に二人で仲良く酒を飲み交わすシーンがあって、北斗とは違う男のあり方を描いていた
『花の慶次』を経た作者がより深い漢の世界に到達したのだ(武論尊は監修しているだけだよね?)
いや今回は凄かった。『北斗』の方がこれの続編だよというぐらいの存在になってきたよ
目を患っている作者がこんな絵を描くなんて・・・。凄すぎるぜ、原哲夫

次巻 『蒼天の拳』第21巻
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『CIA秘録』 ティム・ワイナー

分厚さの割に値段はお手頃でした

CIA秘録上CIA秘録上
(2008/11/12)
ティム・ワイナー

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CIA秘録 下CIA秘録 下
(2008/11/12)
ティム・ワイナー

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9・11を受けて大きく改編を迫られたCIA。その歴史を出生から辿り、本当の姿を暴いていく。驚くべきは公開された資料と膨大な関係書類、関係者へのインタビューだけでここまで調べ尽くしたところ。オフレコの発言や匿名の証言は一切載せていないという
よく流布している反米本とは違う、硬派のジャーナリズムによるアメリカの黒歴史の検証なのだ

CIA発足の目的は「真珠湾を二度と繰り返さないこと」。そのための諜報機関で始まったはずなのだが、なぜか情報収集よりも秘密工作の割合が高くなってしまう。ちゃんとした情報がなければ、工作活動もうまく行くはずはない
そんなわけでCIAの歴史はほとんど失敗の連続であると言っても過言ではないのだ
なんでそうなってしまったかというと、どうも冷戦当初のアメリカの政治事情によるものらしい。共産圏の内情が明きらかになるごとに反共感情が高まり、エリート層にソ連が世界革命を企んでいるんのでないかという猜疑心が生まれる。そのためまだ赤ん坊のCIAに対し、赤化を防ぐために各国への秘密工作が求められるようになったのだ
実際のところソ連の国力はアメリカより薄弱であり、ソ連の脅威のイメージはモスクワ自身が作り出した幻に過ぎなかったわけだが・・・
で、この誤解は冷戦の終結まで続き、CIAは過剰ともいえる主権侵害を繰り返していくことになる
とあるCIA分析官の一人はこういう言葉を残している

「われわれはソ連のイメージを勝手に作り上げてきた。そして何が起きても自分たちのイメージに合わせてきた。情報を評価するものが犯した罪でこれに勝るひどい話はまずないだろう」(上巻p228)



CIAというと映画や小説のイメージが強くて、上手いことやっているんだろうと思っていたが、ところがどっこい。関係者からは自嘲ともいえるコメントばかりが飛び出す
対ソ連、共産圏への工作はほとんどが失敗。そもそもCIAにはソ連のスパイが溢れていて、筒抜けだったとか。せっかく確保した協力者を処刑されるわ、パラシュート降下させた工作員を全滅させるわ、ひどい有り様
秘密工作も行き当たりばったりだから、反共ならファシスト、独裁者も応援して民主的に選ばれた政府を倒すとか無茶苦茶。南米にゃ、元ナチを受け入れて秘密警察を作っている政権なんてのもあったわけだが、それとも協力。かのパナマのノリエガ将軍もその擁立にはCIAが関わっていたとか
秘密工作に傾倒する余り、情報収集はお粗末なもの。その結果、外国の諜報機関に依存する割合が高く、中東では特にイスラエルのモサド一辺倒。このためにアメリカ要人の中東観はイスラエルに歪められ、同国よりの外交政策が組まれるという

結局のところ、CIAは諜報機関としては半人前で、硬直した官僚機関に過ぎなかったようだ。組織防衛のためだけに無駄な秘密工作を繰り返すだけ。上には都合のいい報告だけをするばかりだ。そしてその実態を把握していない大統領が功名心に駆られて・・・
任務を隠すのが当然な諜報機関だけに、誰もそれをチェックしきれない。まさに嘘の上に嘘を塗り込める歴史だ
いやはや、この本には驚かされたなあ

*2010’8/30 追記
文庫版も出たようだ。しかし、1100円の“文庫”って・・・文春さんよお~

CIA秘録〈上〉―その誕生から今日まで (文春文庫)CIA秘録〈上〉―その誕生から今日まで (文春文庫)
(2011/08/04)
ティム ワイナー

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CIA秘録〈下〉―その誕生から今日まで (文春文庫)CIA秘録〈下〉―その誕生から今日まで (文春文庫)
(2011/08/04)
ティム ワイナー

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