『HUNTER×HUNTER』 第10~12巻 富樫義博

一気読みするつもりだったが、感想が遅くなった。最新巻に追いつくのは大分先になるかも

ハンター×ハンター (No.10) (ジャンプ・コミックス)ハンター×ハンター (No.10) (ジャンプ・コミックス)
(2000/11)
冨樫 義博

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ハンター×ハンター (No.11) (ジャンプ・コミックス)ハンター×ハンター (No.11) (ジャンプ・コミックス)
(2001/03)
冨樫 義博

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ハンター×ハンター (No.12) (ジャンプ・コミックス)ハンター×ハンター (No.12) (ジャンプ・コミックス)
(2001/07)
冨樫 義博

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10巻は、伝説のゲーム「グリーンアイランド」の買い取り資金を稼ぐため、ゴンたちが市場で掘り出し物を探す話。ゼバイルというワケありの職人が、古美術品に関するウンチクを長々と語ってくれる。これってなんてギャラリーフェイクだと思っていたら、まんま旅団の一人が「神の右手悪魔の左手」(ギャラリーフェイク)という技で、贋作を作っていた。なんでもやるな、この作者
ゴンとキルアは古美術の素人だが、「念」を使ってものを当ててしまう。便利すぎるぞ「念」。もう少し失敗しないと愛敬がない
冒頭では、クラピカが仇である幻影旅団の一人を苦もなく葬ってしまう。なんでそれほどに強い?これも「念」の設定によるものらしい
後半、ゴンたちは、旅団の懸賞金目当てで彼らを追う。が、圧倒的な実力差の前に捕まってしまう
旅団はただの子供だと思ったらしく、生かしておく。見張りはノブナガというドジなおっちゃん一人。どう逃げる?敵が間抜けなだけだが、なかなか爽快なオチです(笑)

11巻は、十老頭による新たな殺し屋と旅団との対決。その殺し屋というのが、キルアの家族であるゾルディック一門。団長クロロとゾルディック父子(キルアパパ&グランパ)の戦いは見応えがある。クロロの能力は相手の特技を盗んでしまうことらしい。盗んだ能力を使うためにも、制約がある
決着は、キルアの兄が十老頭を先に暗殺したことでお流れ。これって“殺し屋”としていいのかねぇ
再開されたオークションで旅団が作った贋作が売れ、自らの死体もギャラリーフェイクし、旅団としての任務は完了
あとは、旅団の一人を葬った“鎖野郎”をどうするかで少々揉めることに。クロロは絶対あたる占い娘ネオンの能力をパクって団員の運命を占う。うまい話のもって行き方だ
ゴンたちはクラピカと再会。クラピカは自らの能力の秘密を語る

12巻は、クロロが行った予言は衝撃的なものだった。旅団の構成員の半分が死に至るらしい。予言を避けるべく、旅団はあーでもないこーでもない。ヒソカは裏切りまで予言されてしまったが、予言の紙をすり替えることでなんとか乗り切る
しかし、ヒソカの心理をコマ数使って解説するのは蛇足。一応少年マンガと考えるとやも得ないのか
ゴンたちは旅団のなかで記憶を読む女バクノダを狙い、クロロは予言を避けるべく班ごとにグループ分けしてクラピカを探す。ここらあたりは映画のような緊迫した展開。NO.107の扉絵あたりを見ると、何か元ネタがあるのかな
ゴンとキルアはドジを踏んでまた捕まるが、一瞬のスキにクラピカが団長クロロを拉致(!)。この事態に旅団メンバーは動揺。これからどうなる?ってところで次巻へ

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『ローマ人の物語 14~16 パクスロマーナ』

アントニウスとクレオパトラを破り、文字通りローマの「第一人者」となったオクタヴィアヌス。「アウグストゥス」の尊称を得た彼は、ローマの帝政を開始するのだが、その道程は象の歩みのよう
この巻は、初代皇帝アウグストゥスが「パックス・ロマーナ」を築いた長い治世を描く

ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)
(2004/10)
塩野 七生

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ローマ人の物語〈15〉パクス・ロマーナ(中) (新潮文庫)ローマ人の物語〈15〉パクス・ロマーナ(中) (新潮文庫)
(2004/10)
塩野 七生

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ローマ人の物語〈16〉パクス・ロマーナ(下) (新潮文庫)ローマ人の物語〈16〉パクス・ロマーナ(下) (新潮文庫)
(2004/10)
塩野 七生

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ローマに戻ったオクタヴィアヌスは、まず「共和政の復活」を宣言する。カエサルの遺志に背く行為に思えるが、これは彼の深慮遠謀。議員たちの名誉と利権を守りながら、裏では帝政への準備を進めていく
その宣言に対し、元老院は「アウグストゥス」(尊厳なる者)の尊称と「第一人者」(プリンチェペス)と終身の総司令官(インペラトール)の地位で報いる。アウグストゥスは既存の役職をまとい「保守」を演じながら、徐々に体制変革を果たしていくのだ
その手法は地味ながら狡猾なもので、著者はカエサルような天才でないと言うが「政略の天才」と言っていい

アウグストゥスの政治目標は「平和」(パクス)。カエサルの「寛容」(クレメンティア)とは少し違う。カエサルはコスモポリタン志向だったが、アウグストゥスはよりローマ本土を重視する。カエサル路線を継承しつつも、ローマはローマ市民のものという原則を守ろうとする
少子化対策のため、結婚制度を整え「姦通罪」を導入。独身者に税制の負担を増やし、子だくさんに報奨を出す。ローマ市民権の拡大を止め、シチリアですらラテン市民権に留める
全てはローマ本土の地位と「共同体ローマ」を守るための政策である
カエサルに比して彼の政治は保守的とされるが、その多くは現実的なものだった

政治に置いて非の打ち所のなかったアウグストゥスも、二つの失敗をする
一つ目は、ゲルマン遠征。遠征そのものはティベリウスらの活躍で勝利するものの、統治を楽観したため一部の氏族の裏切りに遭い、総督ヴァルス以下の軍団を失ってしまう。著者はアウグストゥスを机上でしか戦争を考えていなかったと非難する。政略の天才であっても軍略の天才ではなかったのだ。彼を軍事面で補佐してきたアグリッパはすでに亡くなっていたのも痛かった
失意のアウグストゥスはゲルマンからの撤退を決め、帝国の国境はカエサルの遺志どおりライン川-ドナウ川となる

二つ目は、後継者問題。晩年はそれまでの共和制護持の建前を捨て、直系の子孫への世襲にこだわる
アウグストゥスには男子はいない。仕方なく娘ユリアを何人もの男性と娶せ、男子を作らせようとする
第二代皇帝となるティベリウスもその一人だったが、結婚生活に疲れた彼はロードス島に隠棲してしまう。その後、ユリアは父の要求に堪りかねたのか、御乱行。彼女もローマを放逐されることになる
仕方なく親戚の男子を養子にしていくが、期待した子たちも早世。極めて理性的な指導者が後継者探しに血道を上げる姿はまるで宮廷ドラマのようで面白い(本人や周囲は不幸だが
結局、ティベリウスを和解し彼を後継者に迎えることになり、彼の直系からは皇帝は出ないことに・・・続きを読む
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『お前が若者を語るな!』 後藤和智

タイトルや帯に挑発的な新書は最近増えているが、だいたいのものは読んでみると中身はおとなしかったりするもの。が、これは違った

おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)
(2008/09/10)
後藤 和智

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文字通り、「若者論」を語る文化人たちに退場勧告をしている。名指しされた面々も錚々たるものだ。宮台真司を筆頭に、香山リカ東浩紀寺脇研鈴木謙介宇野常寛まで・・・
批判されるのは、「若者論」だけでなく論者も含まれるので、若干の人格攻撃もあり

批判の中心となるのは、宮台真司発の「若者論」だ。オウム事件、酒鬼薔薇聖斗事件以後に展開された「若者論」において、「脱社会的存在」という概念を持ちだし、世間に「若者」は「理解不能で、何をするか分からない存在」だとする観念を植え付けてしまったというのだ
批判の対象になっている『終わらない日常を生きろ』や『サイファ覚醒せよ』などが、若い世代全体に流されたメッセージとは思えないが、少年事件に関する氏の活動がそういう影響を世間に与えた可能性はある
というか、「若者論」に関して宮台さんの全盛期はブルセラ論争だと思っていたけど、その後も「ゆとり教育」や石原慎太郎(!?)、後続のサブカル文化人など広汎に影響を与えていたことに驚いた
この本の著者は、オウム事件以後の宮台氏の「若者論」が客観的な根拠やデータで検証されないままに、同世代や次世代のサブカル知識人に継承されてしまい、悪霊のように社会全体に取り憑いていることを批判している

ただ、各々批判されているのは、あくまで「若者論」について。それぞれの他の批評に関しては、さほど手をつけていない。ただ、サブカルと「若者論」を結びつける根拠の希薄さをその都度、指摘するにとどまる
著者は、社会学の基本に立ち返り、統計と客観的な調査を重視した議論すべきとする。まさに正論だが、事が起きてから正しいデータが集まりきるのには時間がかかるわけで、その間に毎回風説が流れるんだよなあ

10’9/17 修正
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『精霊の守り人』 上橋菜穂子

アニメにもなったこのシリーズ。堅苦しい本ばかり読んでいたので、肩をほぐすつもりで読んでみた
舞台は、古代の日本をモデルにした架空世界だ。架空ではあるが、かなり日本の歴史や神話を意識して取り入れられている。ヨゴ人とヤクー人の関係は、縄文人と弥生人のそれだし、新ヨゴ皇国の創始者トルガルとナナイの逸話は神武東征を意識させるものだ
作者は文化人類学が専門であり、ヤクーたちの呪術についてもシャーマニズムの考え方を踏まえて描かれている。かなりの度合いで古代人の精神が再現されているのではないだろうか

設定だけでなくドラマもいい。30女バルサと皇子チャグムのバディものと言えるんだが、二人の関係がときに親子、ときに師弟、ときに兄弟のよう。ラストの別れは涙涙。ただ、後半になってチャグムが自己主張する印象があるので、もう少し彼視点での描写が多ければとは思う
展開も国の命運がかかっている割に地味なのだが、スピード感がある
驚いたのが戦闘の描写がしっかりしていること。女性の作者なのにという偏見を打ち壊すほど、バルサを中心とした戦闘シーンは颯爽として格好いい。時代劇が好きなんだろうなあ

シリーズはこの後10巻続くそうだが、この巻はこれだけで完結している。うまく収まっているので、続巻でバランスが崩れないか心配だが、作者の力量を考えるとそれも杞憂そう
いや、噂通りの良作だった

精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)
(2007/03)
上橋 菜穂子

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『カルタゴ人の世界』 長谷川博隆

『ローマ人の物語』を『パックス・ロマーナ』まで読了したので、ちと小休止。珍しいカルタゴ関連の本を読んでみた
ギリシャやローマ人についての文献は数多く残っているが、カルタゴ人自身がカルタゴについて語った史料は皆無である。彼らが文化・歴史に無関心だったからではない。ローマにより征服され、国民は奴隷として売り飛ばされ、都が徹底的に破壊されたためだ。カルタゴの遺跡からそれなりの規模の図書館があったことが確認されているが、第三次ポエニ戦争で中の書籍は焼失したらしい

カルタゴ人の世界 (講談社学術文庫)カルタゴ人の世界 (講談社学術文庫)
(2000/03)
長谷川 博隆

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本書では、アリストテレスなどのギリシャ人やキケロ、大カトーらローマ人の史料に記されたことから、謎の文明カルタゴを探っている
カルタゴは、ローマと比較して海運国、通商国家と見られがちだ
しかし、実際には農業技術が発達していて大規模農場でオリーブやイチジクを栽培する農業国でもあった。ポエニ戦争後には、カルタゴ人マゴの農業書がローマに伝えられ、キケロも友人や使用人に必読であると薦めている
ローマも共和制末期以後、大規模農場を展開することからも、カルタゴはこの方面で先輩だったらしい

政治体制については、実はローマと似通った制度を持っていた。国政の最高位にはローマの執政官に相当する、「スフェス」と呼ばれる地位が存在し、1年任期で二人がカルタゴ市民による民会で選出される(諸説あり)。ローマとの決定的な違いは軍事上の権限を平時は有しおらず、基本的に行政の長であること
軍事については特別職で将軍職が置かれた。将軍に対する監察のため「百人会」の制度が設けられ、処刑される将軍も多かった
その「百人会」の構成員を占めるのが元老院で、富裕な市民から数百人から構成され任期は終身(!)。第二次ポエニ戦争後、ハンニバルによって“民主化”が行われるまで、実質的な貴族階級となっていたらしい
アリストテレスも同胞のギリシャ人に、「ローマとカルタゴだけはバルバロイ(蛮族)と侮ってはならない」として、両者の政治体制を高く評価している

各所に面白い話が載っているが、なんとも読みにくい。あとがきを読むと、どうもそれぞれ違うところで書いた論文やエッセー、講演録をかき集めたものらしく、文章の調子も一定でなければ対象とされる読者も違う。特に序盤はある程度、ローマ、カルタゴの知識を知らないと非常に読みにくい。著者も飛ばして読んでくれと書いていたりする(笑)
また、学者さんの文章なので、史料的裏付けのないことについては歯切れが非常に悪い。史料が少ないから仕方ないとはいえ、結論がでず「あーでもない、こーでもない」といった調子。もうちょっと勝負して欲しかった
ただ、カルタゴ関連の文庫本は珍しいし、カルタゴ視点から地中海世界と考えている本はそうあるものではない。ローマもの好きで気長の人なら続きを読む
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『ローマ人の物語 11~13 ユリウス・カエサル ルビコン以後』

カエサルはついにルビコン河を渡った。旧体制の維持に汲々とする元老院との対決を決意したのだ。ガリアで鍛えられた軍団は迅速な進軍でローマを目指し、本土には彼らを止められる軍団はなかった。元老院議員たちと手を結んだポンペイウスは、ローマを放棄を決意。ローマはカエサルの手に落ちた

ローマ人の物語〈11〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(上) (新潮文庫)ローマ人の物語〈11〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(上) (新潮文庫)
(2004/09)
塩野 七生

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上巻は、カエサルとポンペイウスの戦いが中心。ローマを捨てたことでカエサルの行動にある程度の正統性を与えてしまったものの、ガリアとローマ本土以外は全てポンペイウス派の勢力圏。実は逆包囲されてしまったといえる。カエサルはまず、スペイン、シチリアと順繰りに片付け、ギリシャでポンペイウスと天下分け目の戦いを行う
とにかくカエサルは冴え、ポンペイウスはそれほど悪手を指さずに負ける方向に転がってしまう。野球ではないが、力の差ではなく勢いの差が浮き彫りに出る
後半にはエジプトのクレオパトラ登場。しかし、カエサル萌えのナナミンは彼女には辛口で、文量も少ない

ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中) (新潮文庫)ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中) (新潮文庫)
(2004/09)
塩野 七生

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中巻は、「来た!見た!勝った!」のシリア~北アフリカ~スペインの小遠征行と帝政を準備する改革について。カエサルは軍事・政治両面で陣頭指揮を執る。部下にそれぞれ決め手になる人間がいなかったからでもあるが、天性の才幹なのだろう。ことごとく成功を収める
ツキもある。北アフリカにおけるタプソスの会戦では、二倍の敵軍がわざわざ軍勢を二分してくれて、各個撃破!それを誘ったとはいえ、ついてる
元老院派の撃破に成功したカエサルは、政治改革を断行。ガリア人の族長たちを元老院議員に指名し、事実上の形骸化をはかる
その一方では、反対派の多くに「寛容(クレメンティア)」の精神で許し、元老院に復帰させる。これが後の惨劇を招くことに・・・
「寛容」の精神は、ローマ本土だけでなく、属州にも及ぶ。解放奴隷にローマ市民への昇格を認め、なかつ退役兵らに植民都市を積極的に建設させている。ローマの栄光をその征服地全体に分かち合うことで、国家としの凝結力を高めようしたのだ
広大な国土を保全するためには、ローマ人以外の民族を保護する権力を必要とする。カエサルは終身独裁官に就任し、事実上の帝政を敷こうとするが・・・

ローマ人の物語〈13〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(下) (新潮文庫)ローマ人の物語〈13〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(下) (新潮文庫)
(2004/09)
塩野 七生

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下巻では、カエサルが暗殺された「三月十五日」の経緯と顛末、そしてオクタヴィアヌスアントニウスの「三頭政治」とその後の内戦に触れる
カエサルは急進的に自身の権力を強化するが、元老院に登院するさいにほとんど護衛をつけなかった(護民官のアントニウスのみ)。自分のやっていることからすると、随分な自信過剰に見える。刺客たちは青二才の集まりで、暗殺後の彼らは右往左往するばかり。この程度の相手なら気をつければなんとかなったのではないか。天才の一生の不覚だ
三頭政治後、オクタヴィアヌスとアントニウスの内戦に到るが、どうも筆致が冴えない。オクタヴィアヌスもアントニウスもクレオパトラも余り著者の好みではないらしい。特にクレオパトラの評価は、亡国の女王として非常に辛口だ。確かに政治は結果責任だが・・・
内戦については映画にもよく取り上げられる部分だし、もう少し力を入れてもらいたかった
とはいえ、「三月十五日」の詳細はきめ細かく記述。良く悪くもカエサル萌えのナナミンでありました続きを読む
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【DVD】『勝手にしやがれ』

富野監督の選んだ洋画十選の一作。思わず沢田研二を連想してしまうタイトルだが、巨匠ジャン=リュック・ゴダールの長編デビュー作だそうな。ゴダール監督のは『アルファヴィル』ぐらいしか見たことなかったな

勝手にしやがれ デジタル・ニューマスター版勝手にしやがれ デジタル・ニューマスター版
(2006/05/26)
ジャン=ポール・ベルモンドジーン・セバーグ

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話の筋は警官を殺した男ミシェル(=ジャン・ポール・ベルモンド)とアメリカから来た記者志望の女パトリシア(=ジーン・セバーグ)の逃亡劇といったところだけど、シーンはほとんど男女の会話。アクションシーンは完全に添え物で、軽快に編集されている
一見、外装はよくあるハードボイルドだけど、華麗に編集されて浮かび上がってくるのは、男と女の物語だ

ミシェルとパトリシアは余り相性がいいようには見えない。会話は楽しんでいるように見えて、噛み合っているわけではない。パトリシアの方は、相手を探りつつも割合早めに「彼とは長くつきあえない」と判断していたりする。それでも、嫌いにはなりきれず、ずるずる付き合ってしまう
ミシェルの方も足手まといだよな、思いつつ離れられない。ある時は「あの女最低」と言っても、ある時は「最高」になる。結局、男の方が前のめりで女にのめり込んでいく
男と女の話なんだけど通俗的な恋愛ドラマに落とさず、離れそうで離れない微妙な関係を描き続けている。「恋愛にゴールはない」ということか
そして、二人の行く末は・・・。ラストはなかなか見られない終り方だ(笑)

普通の映画なら念入りに撮られそうなアクションシーンなどは、華麗に割愛されているが、その削り方自体はとてもお洒落。なんでもないシーンでもコマ一つ抜いてあったりして、一瞬快い違和感がある(変な日本語だな)。作り手の狙いとしては、「省略したシーンにはたいした価値はないよ」ということなのだろうが、見てる側としては抜かれたことで妙な爽快さを感じてしまうのだ。こういう編集をジャンプカットと呼ぶらしい
作家パルヴュレスコの口を借りて、男と女の事が語られるが、そっちよりこっちの軽さの方が面白かったりする

わざわざハードボイルドな設定で始め、超編集で男と女の話に凝縮していったのは、「反ハリウッド」という意志の表れなのだろうか。アメリカ人女性が自由を求めてフランスで働くという設定も、「(当時の)ハリウッド映画は女性軽視である」という批判ととれる。ハンフリー・ボガードに憧れた主人公が、ラストに悲惨な結末を遂げることからも、この映画はハリウッドへの果たし状といったところなのか
もっと、ヌーヴェルバーグやゴダール監督のことを勉強しないのと、そこら辺の文脈は分かりにくい続きを読む
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【DVD】『蝶の舌』

1991年公開のスペイン映画

蝶の舌蝶の舌
(2002/03/22)
フェルナンド・フェルナン・ゴメスマヌエル・ロサノ

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喘息持ちで引きこもりがちな少年と引退を控えた老教師の交流を描いている
見た目はかんしゃく持ちに見えるが、グレゴリオ先生(=フェルナンド・フェルナン・ゴメス)はとても優しい。騒ぐ子供たちを力で抑えようとせず、ウィットの聞いた言葉と博識で気を引いて鎮める。そのやり方が全ての生徒に通用しているかは微妙(笑)だが、少年モンチョは先生の話すことに釘付け。学校を怖がっていた彼は、先生の話を聞きに嬉々と通うようになる
モンチョの親友となるロサもいい。初登校時ションベンを漏らしたモンチョに、「おれは最初の日にウンコ漏らしたぜ」とひと言。なんていいヤツだろう
1930年代のスペインを偲ばせる風俗は興味深いし、森の光景も美しい

モンチョは虫以外にも様々なものを観察していく。グレゴリオ先生との虫観察の他にも、大人の“愛の営み”(笑)を覗いたり、兄貴が入団したオーケストラの遠征にもついて行き、その初恋と挫折も目撃する。モンチョ自身は喘息で苦しむ場面もあるが、友人の妹とカーニヴァルで踊ったりと楽しい青春を送る。少々乱暴な大人も出てくるが、モンチョ自身は幸せ三昧だ
が、その楽しい日々も終盤30分に暗転。この映画の舞台は、内戦直前のスペインなのだ・・・

子供視点ながら、大人たちのドラマも骨太に、そして軽快に出来ている。100分の映画だが、話は濃いしテンポがいい。構成が完璧なのだろう、まったく何かを抜かした感じはない。原作付きの文芸映画なんだけど、飽きさせないように工夫されていて、普通に面白い
これぞ名作だ!
ただ、幸福な時間が流れていくだけに、ラストに訪れる破局には愕然。歴史の無残を見せつけられる
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