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競馬を勝つべくして勝つ秘訣とは? リアルカイジが語る競馬で勝ちきる法
著者は東スポ、月刊誌『競馬最強の法則』で連載を持つ予想家で、管理人が参考にしている一人である
三点突破論の「三点」とは、「予想法」「買い方」「メンタル」
「予想法」自体は素朴なラップ分析であり、勝負に絡みうる逃げ馬を見つけることが競馬で勝利する早道とする。ここまでならよくある定跡かもしれない(アマゾンのレビューでそう吠えてた人もいた)が、著者はそこをさらに逃げ馬のタイプを加速の仕方で数パターンに分け、レースの性質によって取捨していく
ラップ分析を重視するものの、単に上がり三ハロンの速い馬を見つけるのでは、人とは差がつかない
競馬を「競走馬とそれを見抜く人間のゲーム」と見ず、「競馬を買う人間同士のゲーム」と考えているのが鋭い指摘で、オッズの裏を掻くことは多数派の裏を掻くのと同じということ。競馬はまごうことなき「対人ゲーム」なのだ
ある程度、予想法を持つ到ったファンにとって、悩んでしまうのが馬券の「買い方」。ついおかしい馬券の買い方をして、いろんな後悔をするものだ
著者の「買い方」は、競馬は勝ち馬を当てるものという原則から単勝を基本とし、馬連、ワイド、三連複、三連単に広げるやり方
回収率については、的中率を20%として一撃で5倍の配当を目指す。この前読んだ境和樹氏とは、この点では共通するものの、著者の場合は複勝を重視しない
複勝では、5倍の配当に達するケースが少ないからだ
5倍の配当を目指すゆえに、オッズでも「5」の数字が明確な基準となる。単勝でもワイドでも5倍を切れば、買うに値しない
細かいと思うのは、合成オッズへのこだわりだ。競馬データベースソフト「TARGET」を使用して、なるべく同じ配当になるように細かく調整していくのだ
著者いわく、オッズを把握するためにも、競馬場より自宅のほうが予想に向いている
「メンタル」については、カイジらしからぬ(?)精神論に突入する
まず第一に、競馬には潤沢な資金が必要と、10万円の現金を用意しろというのだ。家庭を持つサラリーマンでも、一年頑張ればこれぐらい貯まる、貯められないなら止めてしまえの突き放しは、この手の本を買う読者に通用するだろうか
管理人もパチンコで勝負するときは、10万ぐらい資金が貯まるのを待ちはしたが…競馬は100円から買えるからこそ、予想が甘くなるという指摘は耳が痛い
第二に、馬券に使う最低金額を1万円に設定すること。理由は賭け金が少ないと、やはり予想が甘くなるから。まあ、これは著者個人の場合で、個人個人で引き下がれない最低金額を設定して、甘く賭けちゃうぐらいなら「見」にするべきということだろう
負けがこんだからと賭け金を引き下げると、かえって予想に対する自信がなくなっていくというのは、管理人も今週から半額にするつもりだったので、まさに図星だった(苦笑)
正直、ここまでストイックだともはや「カイジ」とはいえまい。見た目からして競馬寺の若和尚である。ともあれ、これからもこの人のコラムを読んで、競馬道に精進していくつもりだ
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