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【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第8話

さすがに年末までには見終わらないと


<第8話 合金>

エリュン・ガレン(緑森)を彷徨っていたよそびとは、ノーリを装った魔女たちに追いつかれる。彼女たちはひざまずいて、「お仕えするために参りました。サウロン様」
しかし、思ったとおりに動かない“よそびと”に、業を煮やした魔女たちは縛ろうとするが、そこをノーリたちが目撃。無謀にも助けようとしたところを、武闘派の魔女に長老サドクが重傷を負わせ、ノーリたちも危機に陥る
そこでようやく覚醒した“よそびと”は、月光蝶(である!)の魔法で、魔女三人をオーバーキル!
“よそびと”は、サウロンではなくリューンの魔法使い(イスタル)らしい
長老サドクの死で、ハーフットのリーダーはノーリの母マリゴールドが努め、ノーリは“よそびと”とリューンへと旅立つのだった

ガラドリエルは負傷したハルブランドを連れて、エルフの都市エレギオンにたどり着く。ミスリルの採掘に失敗した傷心のエルロンドと再会した
小さなミスリルでエルフの滅亡をどう防ぐか、苦心するケレブリンボール卿に、負傷から異様に回復の早いハルブランドが、合金にするように助言する
霧が晴れたように活発な行動をする彼を不審に思ったガラドリエルは、南方国の系譜を調べ直して、それが千年前に途絶えた家系と判明。ハルブランドを問い詰めるが、ここでサウロンとしての本性を露わにする
そして、サウロンの意図は中つ国に平和をもたらずことだと、幻術を弄し始めるのだ。からくもガラドリエルはそれを退け、ケレブリンボールに対してひとつの冠ではなく、3つの指輪を作ればいいとした。いわく「ひとつは腐敗を招き、ふたつは対立を生み、3つは調和を生む」

ヌーメノールへは、ようやく摂政女王と遠征軍が帰還。失明した女王と遠征の司令エレンディルは抱きしめて慰め合う
彼がガラドリエルを救ってしまったのは、エレンディルの名が「エルフの友」を意味するからで、「エルフに味方すると最後は報われる」と言われているが、最愛の息子イシルドゥルを失ったのは高すぎる代償だ
完全に目覚めたサウロンは、3つの指輪が作られたことを察しながら、影の国モルドールへ駆けていった


シーズン1の最終回にふさわしく、タイトルである「力の指輪」が生まれたところで終わった
名シーンが多いのだけど、ガラドリエルとサウロンが対峙する場面で、精神的な戦いに転じるところに、なんだか日本の漫画くささを感じたのは管理人だけだろうか。SF小説やおとぎ話に前例はありそうだけど、こういう使い方には既視感と親近感を覚えてしまった
“よそびと”が家族と離れるノーリに言う台詞「一人ではただの旅だが、仲間が入ればそれは冒険だ」は、ゲーム世代に向けたものに思える(アメリカだとゲーム世代=ほぼ全世代か)

シーズン1の総括としては、暴れん坊ガラドリエル、とでもいう他ない。視点キャラとして、アロンディルノーリはいるものの、紛うことなく彼女の物語なのである
構成では“よそびと”をサウロン第1候補に見せ続けて、最終話で魔女に「サウロン様」と念を押させるところが巧みだった
で、原作にハルブランドはいないから、オリジナルキャラと思わせて、実はサウロン。WIKIで人物名を確認している間に、正体を知ってしまったのだけど、それだけに演出の上手さが光って見えた
最終回の挙動が怪しすぎるのが、ラスボスにしては浅はかな気もするが、それが向こうの悪魔像なのだろう
この『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』は、最低5シーズンが予定されている。「3つの指輪がエルフに、7つの指輪がドワーフに、9つの指輪が定命の人間に、ひとつの指輪が冥王に……」とエンディングテーマが流れて、今後の物語の流れを予告しているようでもあった
ノーリと“よそびと”の旅、3つの指輪の行方、沈没が予言されているヌーメノールと、気になることが盛りだくさんなので、シーズン2が楽しみでならない


前回 【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第7話



【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第7話

火砕流に巻き込まれても、ガラドリエルの白肌は健在


<第7話 目>

オロドルイン火山の火砕流に巻き込まれたガラドリエルは、灰まみれになりながら目覚める。そこに広がる光景は村は燃え崩れ、村人や兵士たちは生きながら焼かれる、まさに地獄絵図!
テオ母親ブロンウィンとはぐれて、ガラドリエルとその場を離れる
女王ミーリエルの一行は崩れた家に取り残された者を助けようとするが、それに巻き込まれてイシルドゥルが犠牲に(生死不明)。女王も失明してしまう
息子を失ったエレンディル「エルフを信じるんじゃなかった」と後悔するが、ガラドリエルと謁見した女王はすべての責任を引き受けるその態度に、「再び、ヌーメノールは帰ってくる」と宣言した

ドワーフの王国では、エルロンドミスリルの採掘と500年の森の産物を交換しようと、ドゥリンの父王(ドゥリン3世)と交渉するが、これを拒否される
ドゥリン王子に対して父王は「エルフの没落は宿命」と頑な。生まれたときの話まで持ち出して王子を懐柔しようとするが、こっそり坑道を掘り当てた息子と大喧嘩をして、最後には後継者の資格を剥奪してしまう

ハーフットの一行は目標だった“グローブ”(grove=林、木立)に到着するが、そこは火山の噴火の影響で噴石が落ち、灰に覆われていた
長老のサドクよそびと樹木の再生を頼むが、ハーフットの子供が下敷きになりそうになるアクシデントから、敬遠されて人間の村へ追い出すことに
しかし、ある夜に“よそびと”を追う白装束の女たちが忍び寄るが、ノーリは偽の方角を教える。ラルゴがノーリを守ろうと、松明をつきつけると、リーダー格の女が松明を手で消し、ハーフットの荷物車に燃え移らせた!
“よそびと”による豊作から一転、大被害を被った一行だが、ノーリは“よそびと”に注意を喚起しようと言い出し、その優しさに感じ入ったサドクは追い出した罪滅ぼしからか、率先して“よそびと”を探そうとするのだった

アダルは火山によって空が灰に覆われたので、「もうこの土地で太陽を恐れることはない」とオークたちに勝利宣言。もはや「南方国」ではなく、モルドール(影の王国)”と称するのだった


ガラドリエルたちは噴火による被害から逃れるのに精一杯で、話の歩みは緩やか
テオとの会話ガラドリエルは、「殺しを称賛しないで」「いつか闇に引き込まれてしまう」と、前回のアダルとのやり取りを反省するように、戒めの言葉を口にする。敵は我にありは、指輪物語のテーマ
“よそびと”が追っていた女たちが、その仲間ではなく刺客ぽいことにはびっくり。残り一話でどこまで進むのやら


次回 【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第8話
前回 【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第6話



【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第6話

長くなるので、1話ごとに


<第6話 奈落>

アダルはオークの前で演説し、物見の塔へ進軍開始。しかし、アロンディルたち物見の塔そのものを崩す壮大な罠を仕掛けて、オークたちに甚大な被害を与える
そして、その隙に村を奪還! 今度は村での待ち伏せをはかって準備する
アロンディルはブロンウィンに戦いの後に息子テオと三人で家庭を持とうと語り、庭に植える種を渡すのだった

次の夜、再びオークたちが夜襲をかけてくるが、燃えた荷車を突っ込ませて混乱させたところを、家の上から弓で斉射! 犠牲を出しながら勝利したかに思われた
が、倒したのはオークに降伏した村人たち。そのショックに打ちひしがれているうちに、アダル率いる本隊が突入して、戦えない者が隠れる酒場すら制圧してしまう
アダルは“鍵”を渡すように迫って、人質にした村人を次々に殺害、重傷を追ったブロンウィンの番に回ったところでテオが“鍵”の在り処を告げる

しかししかし、そこに現れたのがヌーメノールの騎兵隊!
現実の馬の能力を越える長距離の疾駆と、ご都合過ぎる展開により、オークたちは駆逐され、アダルも逃亡ガラドリエルハルブランドの追撃で、そのアダルをも囚えるのだった
ガラドリエルの尋問に、アダルサウロンは真の力を求めて北へ向かったが、「旅に疲れて自分が殺した」などと茶化す。自分がサウロンを追う旅で仲間に嫌われたことを思い出したのか、ガラドリエルは「オークは間違って生まれた出来損ない」「殺して尽くして、最後にあなたの耳に囁いてやる」とかコマンドーな暴言をしてしまう

テオアロンディルに“鍵”の場所を明かしてしまったことを謝るが、アロンディルは「俺でもそうする」。そして、テオが“鍵”の力に憧れをもったことを明かすと、「自分でヌーメノール軍に海で捨てるように頼め」と布に包まれた状態で渡す
えっ、彼に渡したら、闇落ちするのでは、と疑問に思ったが、布から出てきたのは、ただの斧!
アダルは事前にワルドレグへ“鍵”を渡していたのだ。彼が物見の塔にあった岩へと刺すと、ダムが決壊! オークたちの作ったトンネルに水流が流れ込み、火山のマグマの海へと落ちる
そこで水蒸気爆発が起こってオロドルイン火山が大噴火!!
村のガラドリエルやヌーメノール軍は火砕流に巻き込まれるのだった。(完)


今回はアクションシーンが満載。騎兵の長期疾駆は異常だが、やはりファンタジーや西部劇では窮地での騎兵隊は外せないところであろう
ドラマではガラドリエルとアダルの対話が面白く、アダルはモルゴスに捕まえられたエルフの末裔であり、その存在は歪められ、モリヨンドル、“闇の息子たち”“最初のオーク”と呼ばれる。アダル自身はウルクと誇る
ガラドリエルはオークの権利を主張するアダルに対して、「存在そのものが許されない」とオークスレイヤーな対応をとるが、アダルに「サウロンと戦ううちに闇に落ちたか」と嘲笑されてしまう
激怒した彼女は、「最後にすると言ったが、あれは嘘だ」とばかりに殺そうとするが、ハルブランドに制止される。数百年強気だったガラドリエルが、ハルブランドと支え合う雰囲気に。しかし、恋人未満という感じでもなく、どうなることやら


次回 【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第7話
前回 【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第4話・第5話



【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第4話・第5話

ドワーフでも政治家レベルではしたたか


<第4話 大きな波>

ヌーメノールの摂政女王ミーリエルは、大津波の夢を見たことから、軟禁中のガラドリエルを呼び寄せる。ガラドリエルはエルフと同盟して南方国への遠征を提案するが断られ、ミーリエルの父王に請願すると言い出したことから牢屋へ入れられてしまう
南方国では捕まったアロンディルの前に、同じエルフにしてオークたちの指導者となったアダルと対面する。彼は「おまえはたくさん嘘を吹き込まれてきた」「それを変えるには新しい世界の想像が必要だ」と語り、物見の塔に逃れた人々に伝言を託すのだった

エルロンドドゥリン王子と仲直りして、ドワーフたちの協力を得てエレギオンの新しい鍛冶場建設に着手
しかしその裏でドゥリンは秘密の坑道を掘らせていて、エルロンドに勘づかれる。なんと、そこにあったのがミスリル”金属
落盤事故により採掘は中止されるものの、父王と対立したドゥリンをエルロンドが自身の父に対する思いから宥めるところが、今回一番の感動だ

ガラドリエルは隙を突いて脱出し、ミーリエルの父がいる塔へ侵入する。そこには瀕死の病人である王とミーリエルと対面、王がエルフとの同盟を謳い出し、国二分したという真実を知る。そして、宝珠“パランティール”から、女王の見た大津波がヌーメノールを滅ぼす未来を目撃した
結局、女王はガラドリエルを追放することで未来を変えようとしたが、出航の際に白の木の花が散る徴を見たことから、南方国への遠征を決断。志願者には、船乗りを落第したエレンディルの息子イシルドゥルと友人たちがいた

物見の塔は住人で一杯になり、食糧危機が勃発。危険を犯してブロンウィンの息子テオが村へ戻るがオークに発見され、手にしていた剣の柄アダルの探す邪悪な力の武器と知る。帰還したアロンディルの助けで逃げ延びたものの、物見の塔では納屋にその柄を隠していた男ワルドレグに、モルゴスを継ぐ者への忠誠を求められるのだった


<第5話 分岐点>

ノーリの一家を助けた“よそびとは、術の代償にホタルを死なせたことから、まだハーフットたちからは不吉な人間に見られていた。予定していた森が枯れていたことから、ノーリの一家ごとの追放を訴える者がいたが、魔狼(ワーグ)を退けたことで一転ヒーローとなる。しかし、その不思議な魔術に氷漬けにされかかったことでノーリとは距離ができてしまう
そして、“よそびと”が落ちた場所には、謎の白装束の集団がその痕跡を追っていた

オークによるトンネルは完成し、アダルは手始めに物見の塔への攻撃を準備する
その物見の塔では、ブロンウィンが人々に結束を呼びかけるが、親サウロンのワルドレグが妨害し半数の人間がアダルの元へ出てしまう。テオの友達ローアンは去るが、テオはワルドレグの誘いを振り切って塔へと残る
そして、弓を教えるアロンディルに、力の源される“柄”を見せ、アダルの求めるなにかの“鍵”と知った

ヌーメノールでは、南方国への遠征を巡り国を二分ファラゾーンの息子ケメンは、父を口説いてミーリエル女王の追い落としを画策するが、ファラゾーンは「人間優位の“中つ国”」を目指すと反論
しかし、遠征用の船に火をつける者がいて、二隻が焼失。ただその犯人を取り押さえたイシルドゥルは、船乗り失格から遠征への参加を許される
南方国への遠征に後ろ向きだったハルブランドは、ガラドリエルの度重なる説得から、ついに王族として旗印となることを決意した

ドワーフのドゥリン王子リンドンのギル・ガラド王を訪問し、お互いの秘密を知ろうと食事の席で探り合いを続ける
ギル・ガラド王はミスリルの採掘を勘づいており、白の木の衰えを知らされたエルロンドドゥリンとの友情の板挟みに苦しむ。エルフの運命はドワーフが掘ろうとするミスリルにかかっているというのだ
エルロンドは意を決して、ドゥリンへ正直に告白。二人してミスリル採掘の再開を期するのだった

第5話は分岐点だけあって、アクションは少なめだけど、ドラマシーンでは神回ハルブランドに戦うことを求めるガラドリエルは、「なぜ戦うのか」を問われ、戦いの途中に味方に見捨てられたこと、王にも嫌われて栄転という名の追放処分を食らいそうになったことを告白。その上で「止められないからよ」「戦わなくては心の平穏は得られない」とハルブランドに訴えていく
遠征から取り残されそうになったイシルドゥルは、父エレンディルから厳しい現実を突きつけられつつも、仲違いした幼なじみに頭を下げるなど、なりふり構わない行動をとる
そして、エルロンドとドゥリンの友情。意外にこのドワーフは政治の駆け引きがうまい


ついにアダルの軍勢が南方国で進撃を開始し、ガラドリエルヌーメノールの軍勢とともに中つ国へ帰ってくる。物語は大きく動き出した。わりと順調に仲間がまとまってきた感じだが、果たして何が待っていることやら
そして、まだサウロンが正式に登場していないことから、正体は誰なのか、謎を残しているのがポイント。”よそびと”がもっとも疑われる位置にいるのが、まんまな訳もなくガンダルフ的な何かとおぼしいが
ファンタジーに親しんできた人間としては、廉価な魔法金属扱いになっている”ミスリルが、世界を救うような位置づけで出てくるのが新鮮(笑)。ゲームでは店で普通に売られたりしているが、これこそ本来のミスリルなのよ


次回 【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第6話
前回 【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第2話・第3話



【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第2話・第3話

本館の更新は少なめなので、感想をあげときます


<第2話 漂流>

中つ国に戻るべく海に飛び込んだガラドリエルは、ハルブランドたちの乗る漂流船に助けられる。彼らの船を沈めたワーム(海にワームだと!)に襲われて、彼女とハルブランドだけが生き残ることに
エルロンドは、王の命でエルフによる鍛冶の国エレギオンへ行き、高名な鍛冶師、ケレブリンボール卿に会う。卿は新しい鍛冶場を作りたいというので、エルロンドはドワーフの王国“カザム=ドゥム”を訪れ、旧友のドゥリン王子に面会を申し入れるが……
南方国では、アロンディルブロンウィンが焼け落ちたホルデルン村を調査。そこは襲撃を受けたというより、大きな穴に引き込まれたようであり、アロンディルは単身、穴の中へ突入するブロンウィンは自分の村に警告に戻るが無視されたが、家の地下から現れたオークを始末し、酒場に首を晒したことで村人を避難させる
ハーフットの娘ノーリ隕石で落ちてきた男を助け、彼は不思議な力でランタンのホタルを操り、星座を作るのだった

ガラドリエルは冷たい海をクロールで泳ぎ、エルロンドはドゥリンとの岩砕き対決へ果敢に挑む。『指輪物語』のエルフは肉体的にもガチである
ドゥリンのエルロンドに対する感情は、元祖「これだから、エルフは」だろう(笑)
ハルブランド南方の国の王族であり、オークたちに故郷を滅ぼされて、すさんだ人間となっている
しかし、謎の男はなんなのか。使ったホタルが死んだのが不吉なのよね


<第3話 アダル>

ガラドリエルハルブランドは、立派な帆船に拾われ窮地を救われる。拾ったのは、西方の島国ヌーメノールの船長エレンディル。ヌーメノールの国はエルロンドの双子の兄弟エルロスに建国されたが、月日が経つうちに外の人間を受け入れなくなったという
そういった事情を意に介さないガラドリエルは、摂政女王ミーリエールに対して「恩を忘れるなら」と喧嘩になり、賓客の名のもと軟禁状態となる
ハルブランドは平穏なヌーメノールで就活に励むが、鍛冶屋のギルドの紋章をくすねようとしたことでやはり喧嘩。牢屋に放り込まれてしまう
脱走をエレンディルに止められたガラドリエルは、エルロスが築いたという学び舎で、南方国の地図と闇の計画、ハルブランドの国の紋章を発見。獄中のハルブランドに中つ国への上陸計画を語るのだった

一方、南方国のトンネルで奇襲を受けたアロンディルは、オークに捕らわれて“何か”を掘り出すための奴隷に身を落とす。オークが太陽を嫌うのを利用して、逃亡計画を練るが、想像以上の警備の厳重さに多くの犠牲を出しただけに終わった
そして、彼はサウロンに仕える謎の男アダルのもとへ連れられるが……
ハーフットのノーリはというと、父親ラルゴが怪我して落伍のピンチでありながら、好奇心から謎の男(よそびと)のため、長老サドクから星座の本を盗み大問題となる
そのため、他の手を借りられない移動の最後列に位置するが……
はたして、“よそびと”はサウロンなのか、ガンダルフ的なお助けキャラなのか

ヌーメノールには、島国とは思えない壮大な石像が彫られていて、CGとはいえ圧巻。設定的にはエルフの技術だろうし、イースター島などの巨石文明のイメージだろうか
あまり、アクションシーンは少なく、結果もアロンディルのように一敗地にまみれる。次へのつなぎといった回だった


次回 【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第4話・第5話
前回 【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第1話



【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第1話

今年9月にアマゾンのプライム・ビデオにて始まった『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』を遅ればせながら見た
第1話はまず作品世界の紹介ということで、冒頭のナレーションが長い。なにせ、『指輪物語』から数千年前(中つ国第二紀)の時代の設定であり、話さなきゃいけないことが多いのである(苦笑)
トールキンが遺した未発表作品をまとめた『シルマリルの物語』あたりが対象の年代で、第一紀で悪の根源モルゴスが滅ぼされ、勝利者であるエルフ中つ国のヘゲモニーを握り、モルゴスに味方した中つ国南方の人間たちを監視している
しかし、モルゴスに仕えた魔術師サウロンオークの残党を集めて、逆襲を企んでいるという情勢だ


<第1話 過去の影>

ヴァリノール(中つ国の西端)で育ったガラドリエルは、サウロンの追跡のなかで命を落とした兄フィンロドの遺志を継ぎ、極北の地フォルトワイヌまで赴く。その痕跡を見つけるも、上級王ギル・ガラドの命令と部下の反発にあって帰還を余儀なくされる。王はガラドリエルの独断専行を不問にしつつ、エルフの故郷、不老の国バリノールへの帰還を許されるが、サウロンへの恐怖がやまないことから、兄の言葉を胸に、1人海へと飛び込んでしまう
一方、シルヴァン・エルフの戦士アロンディルも同じく帰還命令を出されるが、好意を持つ監視先の村の治療師ブロンウィンと異変を感じてホルデルンの村へ向かうも、すでに村は焼き払われていた。その裏では、ブロンウィンの子テオが倉庫でサウロンの紋章を見つけてしまって……
そして、草木に隠れて暮らす種族ハーフットの娘“ノーリ”(本名エラノール)は、赤い隕石をたどり、落ちた先で謎の男を見つけるのだった


エルフの長命ぶりがすさまじい。『指輪物語』にも登場するガラドリエルエルロンドは数千年前から指導者の地位にいて、特にガラドリエルは序盤に雪トロール相手に段違いの戦闘力を見せるなど、早くも彼女の物語として動いている
日本では『ロードス島戦記』の影響で、人間より小柄で魔法に長けるイメージだが、『指輪物語』の世界では鎧を着て堂々とオークたちと闘う。精神的にも高潔で、各種族のなかで指導的な立場にいるのが当然という、貴族、エスタブリッシュメントという描かれ方
その中で物議をかもしたのが、アロンディル役にアフリカ系プエルトリコ人の俳優が起用されたこと。むしろ管理人に意外だったのは、彼以外のエルフにアフリカ系が使われていなかったことだ(1話まででは、他に見かけない)
人間やハーフットにはアフリカ系の役者が目立つので、なんで彼だけエルフで使われたかがかえって問われてしまう。ガブリエルの配下には1人もいないのだ
それほどポリコレと寝たというわけでもなく、文句を言われないための最低限の配慮がかえって仇になったというか
シルヴァン・エルフはみんな、地黒なんですと決めてしまったほうが分かりやすかったような。そこらへん、どういう事情でそうなったのか、作品内でどうフォローされるかに注目したい


シリーズは見ていきますが、その都度、記事にするかは未定

しました→ 【プライム配信】『ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪』 第2話・第3話



【DVD】『ツイン・ピークス リミテッド・イベント・シリーズ』 第17章・第18章

まさか、……これで終わり? 終わり・・・・???(福本漫画調)


<第17章 過去が未来を決める>

ブルーローズの仕事部屋で、ゴードンダイアンの化身を撃てなかったことを嘆くが、とりあえずワインを乾杯しつつ、25年間隠していたことを告白する
実はブリッグス少佐が軍の施設から消える前に、クーパーとともに負を極めた存在‟ジュディ”ついて聞いていたというのだ。もともとは‟ジャオディ”と言われたが、いつしか‟ジュディ”という名で呼ばれるようになったとか
クーパーから「(フィリップやブリッグス少佐のように)自分も消えたら、探してくれ」と頼まれていて、「2羽の鳥でひとつの石を殺すつもり」と聞いていた。そして、あの若造の情報屋レイ・モンローから「刑務所のクーパーが座標を知りたがっている」と聞いていたようだ。つまり、黒クーパーを始末しようとしたのは、ゴードンということになる

ゴードンの告白には混乱させられた(苦笑)。レイ・モンローはあくまでジェフリーズにスカウトされた情報屋であり、ジェフリーズの指示でゴードンへ情報を持ち込んだということ。ゴードンは黒クーパーがドッペルゲンガーだという確証はもってなかった

そこへラスベガス支部のFBIからお電話が。ダギー・ジョーンズがクーパーだったとして、ラッキー7の社長から「これからツインピークスのトルーマン保安官と会う」「2:53は足したら完全な数字‟10”になる」と伝言を受ける
その訳の分からないことこそが、「間違いなく‟青いバラ”事件だ」として、みんなでツインピークスへ向かうこととする

黒クーパーは‟ジャックラビットの宮殿”へたどり着き、次元の渦から巨大な少佐の顔が浮かぶ異界へ送られるが、「消防士」の差し金か、保安官事務所へ転送される

*ウッズマンに首チャンパされたブリッグス少佐は、ホワイトロッジへ逃れていた! ロッジでの黒クーパー鳥籠みたいな格子状の箱に囚われており、仕事人フレディのいる保安官事務所へ送りつける。消防士がその到来を予期していたのだろう

保安官事務所では彼を歓迎するが、どことなく違和感を感じたアンディは、ホークを探しに地下の留置所へ。そこで脱獄しようとしたチャドに出くわすが、牢屋の中のフレディがその怪力で弾き飛ばすのだった
フランク保安官黒クーパーと対峙しているなか、本物のクーパーからお電話が。バレたことを察した黒クーパーは拳銃を抜こうとするが、後ろからズドン!
アンディと自身の勘を信じたルーシーが撃ち抜いたのだ。が、本当の戦いはここから
クーパーの忠告で死体から離れてクーパーの到着を待っていると、部屋が暗転してスピリットたちがその体を修復し始める。クーパーが着くと、巨大な黒い玉が浮かび出して、体当たりを仕掛けて来る
それを打開したのは、緑手袋のフレディ! この日のためにツインピークスに来たとばかり、玉を床に叩きつけ穴からは‟黒い炎”が上がる。さらなるパンチで粉砕すると、玉は砕けて天へと消えていったのであった
そして、クーパーはすかさず緑の指輪(あれ、ベッドに隠していたような)を黒クーパーの死体へ装着。「赤い部屋」へ送還したのであった

「巨人=消防士」が第1章で言った謎掛け「ひとつの石で二羽の鳥」は、”ボブ”と黒クーパーをまとめて始末するということだったのだ

ミッチェム兄弟と3人の愛人がサンドイッチを持ち込んで再会を祝すが、フランク保安官‟315号室の鍵”をもらえないかと頼む、ベンジャンミン・ホーンからハリー・トルーマンのためにならないかと受け取っていたのだが、少佐からここにあると聞いていたらしい。そこへボビーもやってきて、クーパーは言う、「少佐はこうなることを分かっていたんだ」
クーパーはそこでナイドの存在に気づき驚く(しばらく驚いたクーパーの顔が背景にぼんやり残り続ける)クーパー「いくつかのことはこれから変わる。過去が未来を決めるのだ」
ナイドと手のひらを合わせると、彼女の顔が消えて「赤い部屋」がチラつき、真っ赤な髪の毛のダイアンへと変わる!!
感動の再会にディープキスを交わすが、時計が2:53から進まない。クーパー「我々は夢の中を生きている」「また君たちに会いたい」
ゴードンとクーパーが呼びかけ会うと、それにダイアンを含めた3人が異界へ入る
しかし、クーパーは315号室へは独りで入ろうとする。クーパー「カーテンコールでまた会おう」

*昔315室だった場所は、現在ボイラー室となっている。ジェームズが聞いたボイラー室の異音は、旧315号室に起因するのだ

315号室の異界で出迎えたのは、‟マイク”伝承にある魔術師の言葉を言う。そのまま、黒クーパーがたどったように暗い中、階段を上る
‟ダッチマン”の店では、ボイラー(?)となったフィリップ・ジェフリーズが待っていた。フィリップ「頼む、(時間を)特定してくれ」、クーパー「1989年2月23日だ」
「君は私にこれを求めたのか」煙で、フクロウの称号を作り、それは縦に並んだ◇から数字の8へ変化した
フィリップ「クーパー、忘れるなよ」「ジュディを探せ」

数字の「8」は、ダッチマンズ・ロッジの部屋番号フレディのいた留置所の番号と重なる。カバラ数秘術では、1~7までの数字を束ねて不可能のことを成し遂げる意味があるとか。ジェフリーズなりの励ましなのかもしれない

クーパーが送られたのは、ローラ事件が起きる当日だった
ローラがジェームズを振り切って、レオたちと合流しようとしたとき、クーパーはローラを引き留める。「あなたは誰?」「待って、夢のなかで見たわね」
クーパーの差し出す手をローラが掴むと、翌朝見つかるはずのローラの死体は消えた
しかし、パーマー家ではセーラ・パーマーが人間離れしたうめき声を放ち、ローラの写真立てをナイフで粉砕!
朝を迎えたクーパーとローラだったが、電子音とともにローラが悲鳴を上げ消え去るのだった
そして、赤いカーテンをバックにジュリー・クルーズの歌が流れてエンドロール

セーラ=ジュディスローラの写真に八つ当たりするのは、”ボブ”に聖性をもつローラを始末させようとしたところを、クーパーに邪魔されたからだろう。クーパーと行動を共にしたローラが姿を消したのに、ジュディスが関わっているのは間違いないのだけど、何をどうしたかは分からない


<第18章 君の名前は?>

黒クーパーは、燃えながら「赤い部屋」に転送された
‟マイク”はクーパーの頼み通り、クーパーの髪の毛と「種」からダギーの化身を作り出して、ダギーの家族の元へ送り出す

ローラを見失ったクーパーは、「赤い部屋」での‟マイク”のやり取りが繰り返される。「これは未来か、過去か」
彼に‟腕”の元へ連れられると、「この物語はあの少女の話か」「あの通り沿いに住んでいた」。ローラからなんらかのことが囁かれて、彼女が悲鳴を上げて消える

オードリーが言っていた「通り沿いに住んでいた少女」というフレーズが、”マイク”からも飛び出す。現実のローラがいなくなったことで、その事実を知った「赤い部屋」のローラも驚いたように姿を消す。生き残ったローラと合一したということでいいのか?

リーランドからは「探せ! ローラを」
赤いカーテンを抜けると、そこはグラストンベリー・グローヴのようで、赤い髪のダイアンが待っていた
二人は車を走らせて、‟腕”の発する電子音を頼りに送電線に近づく。「キスしてくれ」「ここを越えると全てが変わる」
すると、辺りは急に暗くなる。黒クーパーがドライブで走っていた世界のようで、この状態自体が異界だったのだ

巨人=消防士の謎掛け「430とは、ブラックロッジの入り口があるグラストンベリー・グローヴから430マイルを越えた電柱のこと。そこに時空を超える異界への入り口がある

リーランド「赤い部屋」にいるのは、ローラが失踪した一年後に車中で自殺したから(『ファイナル・ドキュメント』)。ボブから解放された彼は、素直に娘が心配なのだろう

ダイアンとクーパーはモーテルを借りるが、ダイアンは奇怪なことにクーパーが部屋を借りに行った際に、もう一人の自分を見る
そして、クーパーと同じ部屋に入るや、怪しいBGMが流れて濡れ場へハッテン。馬乗りになったダイアンがクーパーの顔を覆い、天を仰ぐのが印象的だ

ダイアンなぜ、もうひとりの自分を見たのか? 暗闇のモーテル自体がすでに異界であり、黒クーパーによってコンビニエンスストアの2階に連れ去られた際の自分を見かけたのではないだろうか
 クーパーの顔を覆ったのは、かつて黒クーパーにレイプされたトラウマが醒めないからかもしれないし、朝になったら離れ離れになる運命を悟っていたからかもしれない


クーパーが目覚めるとダイアンの姿がなく、ベッドで一人きり。部屋に残されたメモには、リンダからリチャードに残した別れの手紙が残っていた
リチャードとリンダは、第1章で「巨人=消防士」が言っていた名前なのだが……
そして外に出ると、そこは昨晩止まったモーテルとは違うのであった

*巨人の謎掛け「リチャードとリンダ」。クーパーとダイアンへローラとジュディスを追うために、違う時空で違う人間になることを求めるものだった

テキサス州のオデッサに入ると、クーパーはジュディのコーヒーショップ」というカフェを見つける
中でコーヒーを注文すると、地元のカウボーイ(?)がウェイトレスにセクハラ。注意すると拳銃を抜き出したので、軽く一蹴して、ウェイトレスから欠勤しているもう一人の住所を書いてくれと頼む
着いてみると、住所は「1516」何度かフラッシュバックされていた電柱が近くにあるのだった。尋ねてみると、ローラ・パーマーそっくりの女性が出てきて、キャリー・ペイジ(=シェリル・リー)を名乗る。ローラにはまったく心当たりがないという
しかしツインピークスへの同行を頼むと、部屋内に額を撃ち抜かれた死体があったように犯罪に巻き込まれた(あるいは、巻き起こした)ようで、快く引き受けるのであった

*わざわざ「ジュディのコーヒーショップ」に勤めていたのは、無意識のうちに見つけてほしいということなのかもしれない

テキサス州からワシントン州ツインピークスへの旅はまるでロードムービーのようにまったり
ツインピークスに入り、パーマー家の前に止まっても、キャリーは特に反応しない
実際に家を訪ねてみると、出てきたのはセーラ・パーマーではなく、アリス・トレモンドという中年女性であり、前の家の持ち主はミセス・チャルフォントと無関係のようだ
引き返しながらも振り返ったクーパーは「今は何年だ?」と聞く。すると「ローラ」と呼ぶしわがれ声が聞こえ、キャリーは悲鳴をあげる。そして、旧パーマー家の照明が点滅するのだった
そして、ローラがクーパーに何かささやいたカットでエンドロール。いったい、何を囁いていたんだ……!!

トレモンドというと、シーズン2で首をつったハロルド君の隣家に住むトレモンド夫人とその孫を思い出すし、チャルモントは劇場版でトレーラーに住んでいた老婦人で、デズモンド捜査官の失踪に関わっている。特にトレモンド夫人の孫ピエールは、ツイン・ピークスの悪霊の黒幕ではないか、思わせる存在感があった

クーパーは「今は何年だ?」が引き金になって、キャシーはローラとして目覚めたような悲鳴を上げる。じつのところ、ロードムービーな場面からずっと夜が続いていて、知らぬうちに異界に踏み込んでいる可能性大。あるいはキャシーとしての半生そのものが、誰かに作り出された夢なのかもしれない

シーズン2でローラがクーパーにささやいたのは、”ボブ”の正体、事件の犯人であるリーランド・パーマーだった。おそらく、クーパーに囁いたのは、「母親がジュディスよ」ってことだろう



今回はラストのラストまで、欠かさずネタバレしてしまった。ネタバレと言っても、あまりに謎めいた作品なので、それについての粗筋もひとつの解釈に過ぎないわけですが
シーズン2のラストを観終わった後にも多くの謎が残ったけれども、それはシーズン3の構想があったためと、受け止めることができた
しかし、本シリーズはそれこそ実質シーズン3であり、‟シーズン4”があるとはちょっと考えられない。あまりの登場人物の多さに、それぞれを描ききる尺がなかったのだろうけど、ラストを謎めいたものにしたのは間違いなく監督の意図だろう
あそこからどうなるのか、何が起こったのか、想像させる楽しみを残してくれたと考えたい……といいながら、『ファイナル・ドキュメント』をポチっとしてしまう管理人であった
なんか、考察という名の妄想を書くと思います


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ついにクーパーが!


<第15章 手放すのが怖い>

ネイディーン金メッキのシャベルをもって、エドのガソリンスタンドへ。彼女は金メッキをきっかけに‟真実の愛”に目覚め、エドをノーマの元へ送り出すことを決意する(今さらかよ!)
明日になったら変わらないかと疑うエドだったが、勇んでノーマのダイナーへ。ノーマとウォルターの話し合いにやきもきしていたが、彼女はフランチャイズを手放して、エドとの結婚を選ぶのだった。しかし、ネイディーン劇場がこのまま終わるのかどうか(笑)

黒クーパーフィリップに会うべく、‟コンビニエンスストア”の外階段を上がり、異界へ入る。‟ダッチマン”の店では、フィリップが奇妙なボイラー(?)となって存在していた。デヴィッド・ボウイに代役を立てないのは、彼に対する敬意なのだろう
フィリップはレイに殺させようとしたことを認めず、劇場版で話した‟ジュディ”の存在には「彼女から聞け」と返す。それはクーパーがすでに会っている相手らしい。そして、彼に座標をで教える
コンビニエンスストアから出ると、そこにはリチャード・ホーン「このFBIめ!」と銃を突きつけてきた。母親のオードリーからクーパーのことを聞かされていたらしい
彼を一蹴した黒クーパーは、リチャードを連れて座標の位置を目指すのだった

*夜道を走る場面は、同じリンチ作品の映画『ロスト・ハイウェイ』を思い出させる。この時点で異界の高速道路に突入しているとおぼしい

”コンビニエンスストア”の2階に登るところで、劇場版に登場したジャンピングマンの姿が、フラッシュバックする。ジェフリーズが目撃した悪霊たちの会合の場所なのだ

*コンビニの2階の奥から出た異界には、黒クーパーはたどりつくが、ジェフリーズがいる”ダッチマン・ハウス”の扉(ルームNO.8)は閉ざされている。異界の住人らしい不気味なオバさんが開けてくれる

*意外なのは、黒クーパージュディスのことを気にしていること。”ボブ”すら居場所を知らないというのか。悪霊の業界にも秘密や軋轢があるらしく、一枚岩ではない。この関係性は作品世界を読み解く上で重要だろう
ジェフリーズが煙で教える座標は”4,8,5,5,1,4……”と、ルースの腕の番号と途中までは同じ


失踪していたスティーヴンス付き合っていた人妻(ガースデン・ヘイワード、ドナの妹)と森でいっしょだったが、コカイン中毒の禁断症状で鉄砲をもったまま錯乱していた
人妻になだめられていたが、一般人に見つかったことから人妻が身を隠した隙に、銃声が!

『ファイナル・ドキュメント』によると、スティーヴンは行方不明扱いガースデン・ヘイワードはツイン・ピークスを出たという。自殺したような描写だったが、死体が見つからないだけなのか、あるいは化身だったのか

ロードハウスでは、ジェームズドナに近づくと、ドナの旦那レネーが掴みかかってくる。甘んじて殴られていたジェームズを守ろうと、フレディが緑の右を一閃!
殴りかかってきた二人を病院送りにしてしまう。そのおかげで、ジェームズともども留置所へ入れられるのだった

クーパーはジェーンにスイーツをもらっていたが、昔の映画(『サンセット大通り』!?)に「ゴードン・コール」の名が出てくることに動揺! 思わず見たコンセントの穴に注目して、フォークの柄を突っ込み、感電してしまうのだった

ツインピークスの保安官事務所では、丸太おばさんからの電話がかかってきた。「私は死ぬわ」とホークに告げ、「死は知ってるでしょ。終わりじゃない。変わるだけよ」と言いつつも、「手放すのが怖い」
ホークは事務所のみんなを集め、丸太おばさんの死を告げるのであった
おなじみのロードハウスのライブでは、席をどかされた眼鏡っ子が這いつくばり、曲が終わる頃に悲鳴! いったいどういう意味が……?

丸太おばさんこと、マーガレット・ランターマン役キャサリン・E・コールソンは、2015年9月28日にお亡くなりに。全体の撮影期間は、2015年9月から2016年4月までだから、まさに余命いくばくもない、覚悟の出演だったのだろう
 フィリップ・ジェフリーズ役のデヴィッド・ボウイも闘病中であり、2016年1月に亡くなっている


オードリー夫チャーリーの、ビリーを探しにロードハウス行く行かないの口論が延々と続く。原因はチャーリーがオードリーに「行くなら、コートを着ろ」といったため。チャーリーはインテリなので、ディスコ・クラブでもあるロードハウスと文化的に合わないのだろうし、それが夫婦不和の一因と思われる。あるいは、”コート”に意味があるのだろうか


<第16章 ノックもなく、ベルも鳴らさず>

座標の位置についた黒クーパーは、巨大な岩に向けて照明を照らす。彼はリチャードに特殊な計測器を持たせて、岩の上へ上らせる。知らされた3つの情報のうち、2つがこの場所を指していたとか
しかし、岩の上に登ったリチャードは、強力な電気を流されたように感電し、姿すら消し飛んでしまうのだった。まさか、リチャードがオードリーとも絡まずにこういう形で退場しようとは
黒クーパーは「さらば息子よ」とつぶやき、ダイアンへのメッセージに「全て(all)」と送る

*黒クーパーが座標を聞いた3人とは、情報屋レイ・モンロー、フィリップ・ジェフリーズ、ダイアン(化身)?ダイアンの検索した番号がツイン・ピークスを指すことから、これがレイ・モンロージェフリーズはつながっていて、黒クーパーを葬りたい立場から偽物であり、リチャードが味わった必殺の罠が仕掛けられていた

「おれの方が25年先輩だ」「さらば息子よ」の台詞から、リチャードの父親が黒クーパーと判明する。当初はオードリーがシーズン2に初体験した実業家ジャスティスかと思われたが、銀行爆破事件で入院していた彼女とチョメチョメしたらしい。リチャードがクーパーの写真を持っていたことも証拠となろう

黒クーパーの手下は刑務所の所長に、ダンカン・トッドを始末したあと、クーパーを狙ってダギーの家を見張る。しかし、感電したクーパーは入院しており、家には誰もいない
そこへダギー=クーパーと気づいたFBIに、見舞いの品を家に届けにきたミッチェム兄弟が来て、三すくみの展開に
その均衡は、黒クーパーの手下に、ならず者が絡んだことに破れる。撃ち合いになった手下の男女はマシンピストルで車ごと撃ち抜かれ、死亡したのだった

クーパーは独りになったところで、‟マイク”の呼びかけに応じて、完全に覚醒する!!
‟マイク”は黒クーパーがまだ「赤い部屋」に戻っていないと告げ、緑の指輪を渡してくる。クーパーは「種(シード)」はあるかと聞き、‟マイク”はダギーが「赤い部屋」で変化した球を示す
クーパーは髪の毛を抜いて、「もうひとつ作ってくれ」と頼み、指輪を枕元に隠す。家族のために、身代わりとなるダギーを作るつもりなのかな?
社長や家族はクーパーの目覚めを大喜び。クーパーはそれまでのが信じられないぐらいにテキパキと頼み事をしていく

黒クーパーのメッセージを受け取ったダイアンは、「全て」を思い出したようだ。BGMに不気味なヘヴィメタルが流れ、ブルーローズの仕事部屋へ赴く

ダイアン「全て」のメッセージを受けて、座標の数字「48551420117163956」を送る。この時点で黒クーパーに座標を送ったとなると、座標を教えた3人に数えていいのかという話になる。謎の3人目が言っていたこともガセなのか、将来教えてくれる相手としてダイアンを含めて言ったのか? 少なくとも自らが作った化身のダイアンを信頼していたことだろう

そして、ゴードンたちにクーパーとの最後の夜のことを話し出す。クーパーと最後に会ったのは、彼が失踪してから2~3年後で、「ノックもせず、ベルも鳴らさずに」入ってきたという。尋問するように質問を受け、強引にキスされて違和感を覚えたが、気づかれたことに微笑んだ後にレイプされたという!!
そして、その後に古いガソリンスタンド(コンビニエンスストア)に連れていって……
「保安官事務所にいる彼へ座標を送った」といった後、ダイアンは「私は私じゃない」と錯乱し、カバンから銃を取り出す。予期していたアルバートとタミーはすかさず発砲し、撃ち倒された彼女は死体も残さず消えるのだった。「本物の化身(トゥルパ)ね」
ダイアンは「赤い部屋」に転送され、‟マイク”にも悪態をつきつつ「種」に戻った

*錯乱するダイアンは、私は保安官事務所にいるとも口走っている。これは封印(保護?)された彼女がナイドであることを指している。コンビニエンスストアに連れ込まれた彼女が、いかにしてホワイトロッジ関連の異界に逃れたかは謎である

クーパーはミッチェム兄弟と待ち合わせた家族に、「しばらく遠くへ行く」と告げる。ジェーンは彼がダギーでないと勘づいたが、クーパーは子供に対して「君のパパだ」と押し通す
涙の別れの後、ミッチェム兄弟には25年間失踪していたFBI捜査官だと正直に。やっとやっと、あのクーパーが帰ってきたよ

ロードハウスに、ようやくオードリーとチャーリーの夫婦がやってきた
ライブがひと段落したところで、なぜか「オードリーのダンスが告げられる。とまどいつつ、踊り始めたオードリーだったが、途中で他に喧嘩が始まってしまう
怖くなったオードリーは「ここから出して」とチャーリーに頼むが、鏡で自分を見る場面に差し掛かり、彼女はロードハウスから消えてしまう
だれ得のダンスからの異界転送は、まったくもって予想外の展開。彼女は何に対峙していくというのだろう

オードリーがロードハウスで踊る場面は何を意味するのだろう。彼女の踊りは誰が期待するものでもなく、彼女自身の主役願望の表れである
鏡で自分の正体を知るというのは分かりやすく、ここでオードリーの夢は醒めたということ。クーパーが去った後、失われた青春を取り戻すように奔放に生きたが、老いてどうにもならない自分に気づいてしまったということだろうか。ここでのロードハウスは一種の夢空間であり、自分の実体を知った彼女は、引きこもっている自宅に引き戻されたのだ。夢だけに様々な解釈が可能である


前18章中、16章に達したことで、いろんなことが一気に片付いてきた
ラスベガスのことはおろか、ベッキーの旦那スティーヴンスオードリーの息子リチャードといった、旧作メンバーの身内もこうバッサリやられるのは、寂しい気もする。もっともツインピークスや異界において絡んでくる可能性はあるわけだが……
とはいえ、もう後2回で物語は幕を下ろす。はたして、どういう結末が……

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オカルト要素がたぎってきた!


<第13章 物語って何よ>

ラッキー7社に7000万ドルを手にしたミッチェム兄弟が来社し、社長とクーパーBMW(!)などのプレゼント。この展開にアンソニーは驚いて、兄弟の商売敵トッド・ダンカンに報告するが、「一日でケリをつけろ」と迫られる
ダギーの家には、BMWとともにジム・セット(ジャングルジム!)が届き、妻子を泣かせるのだった

一方、モンタナ州西部では、レイを追って黒クーパーが地元ギャングのアジトに現れる。そこのボス、レンゾはアームレスリングの元チャンピオンで、初めて来た者には必ず勝負をして、14年間無敗を守ってきたという
しかし黒クーパーは平然と勝負を買って、レンゾの腕をボキリ! マッハパンチで相手の頭蓋ごと割ってしまう(ケンシロウかな?)
レイを脅すと、フィリップ・ジェフリーズに殺すよう依頼されたという。会ったことはないが、ダッチマンという店にいると言われているらしい
そして、レイは黒クーパーの死体に緑の指輪をはめろと指示されたらしく、黒クーパーはレイにはめさせて撃ち殺すのだった
このギャングの一団はマジックミラー越しにこのやり取りを聞いていたのだが、その中の一員にリチャード・ホーンの姿が! どう絡んでくる?

情報屋のレイ・モンロージェフリーズ「例の場所におびき寄せて殺す」と言っていたのが、まだ黒クーパーの傘下にないこのグループだったらしい

ラスベガス市警では、クーパーの指紋サウスダコタの刑務所を脱走した黒クーパーと、失踪中のFBI捜査官と一致したとの検査結果を知らされるが、刑事たちは検査ミスと見なして報告書をほかしてしまう
そこへ、アンソニーが慌てて相談に押し付ける。不正をするのに懇意になっていた刑事に、毒殺用の薬物を相談に来て、購入を頼む
翌日、BMWで出勤したクーパーをコーヒーに誘うが、あまりに無邪気な彼に罪の意識を苛まれ、社長へこれまでのことを告白。ダンカン・トッドや不正に関わる刑事2名を打ち明けるのだった

セーラ・パーマーは、リピートするボクシングの試合を知らぬかのように見続ける。最初の話のほうでも、肉食動物が草食動物を捕食する動画を見ていて、取り憑かれた悪霊の本性が透けてみえる

オードリーとチャーリーは結局、ロードハウスには行かないようで。チャーリーは「ゲームをやめないと、君の物語も終わるぞ」オードリーは「物語って何よ? 通り沿いに住んでいた少女の物語のこと?」
彼女は情緒不安定になって、泣き出す。いったい、この27年間に何があったのか
ロードハウスでは、ジェームズが懐かしい‟just you”を披露。聞いていたドナ・ヘイワードが頬を濡らすのだった

チャーリーの「君の物語も終わるぞ」は、けっこう重要な台詞。『ファイナル・ドキュメント』によると、オードリー父ベンジャミンの手を離れて美容院を成功させており、ここ最近は情緒不安定で引きこもりだが成功者と言っていい人生だった。チャーリーはそれが台無しになるぞ、と言っている
しかし、オードリーは「通り沿いに住んでいた少女の物語のこと?」と返す。オードリーはチャーリーと同じ空間にいながら、違う世界に住んでいるように噛み合わない。「通り沿いに住んでいた少女」は、金持ちの娘オードリーではなく、おそらくローラ・パーマーのことだと思われる
『ローラの日記』で、似たようなフレーズがでてきていたのだ


<第14章 私たちは夢見人のよう>

まだサウスダコタにいるゴードンは、ツインピークスの保安官フランクに電話をかける。そこで失われたローラ・パーマーの日記に、二人のクーパーについて書かれていたことを知る
アルバートはタミーに「ブルーローズ」結成のきっかけとなった1975年の怪奇事件を紹介。ロイス・ダフィーを捕まえようと、部屋に突入したところ、一人が銃で撃たれて死んでおり、一人が銃を持っていた。それは両方ともがロイス・ダフィー!! そして、ダフィーは殺人を認めず、裁判前に首を吊ったという
それをタミーはまるで「化身(トゥルパ)と呼ぶ

トゥルパチベット仏教の概念「応身」のことで、転じてオカルトの神智学にて人々のオーラから生成される思念形態を指すとか

そこへダイアンが入室し、ゴードンはクーパーとの最後の夜で、ブリッグス少佐の話題が出たかを聞く。ダイアンは渋々ながら、それを認めた
そして、少佐の体から出た指輪のことに触れると、ジェイニー・Eが自分の異母妹ジェーン・ジョーンズ(旧姓エヴァンズ)と同名で、その夫の名がダギーだと驚く
ゴードンはさっそく、FBIのラスベガス支部ダグラス(ダギー)・ジョーンズを探すように依頼。さらに、ゴードンは昨晩見た夢について話す
それはモニカ・ベルッチとパリでコーヒーを飲むという、一見ふざけた内容なのだが(苦笑)、そこにはクーパーも違う建物にいた。そして、モニカから「私たちはみんな夢の中を生きているようなものなのよ」「でも、その夢を見ているのは誰?」と哲学的な問いかけを受ける
そして、ゴードンが振り返ると27年前のゴードンがいて、クーパーから夢についての相談を受けていた(劇場版の映像!)。失踪中のフィリップ・ジェフリーズが姿を現し、クーパーに対して「これを誰だと思う?」と問いかけたという
アルバートも忘れかけていたその光景を思い出す

モニカ・ベルッチの言葉から、胡蝶の夢”の故事を思い出したけど、あれは「夢は夢、現実は現実でそれぞれ肯定、どちらが真というわけではない」というのが荘子の結論。それがツイン・ピークスに影響するかは謎
フィリップ・ジェフリーズが、劇場版でクーパーを指して「こいつは誰だと思う!」と警告したのは、未来の世界で黒クーパーの存在を知っていたということだろうか


保安官事務所では、ブリッグス少佐の件で呼び出されたチャド緊急逮捕。罪状ははっきりしないが、フランクは数か月間、馬脚を露すを待っていたようだ
後顧の憂いがなくなったところで、フランク、ボビー、アンディ、ホークの面々で、‟ジャックラビットの宮殿”へ出発。かつて少佐が務めていた基地跡から、255ヤード東へ行くと、不思議な霧が立ち込めた場所にでくわす
そこに横たわるのが、真っ裸の目を潰された女! 異空間でクーパーを救った‟内道”(ナイド)だ。彼女の声にならない声を聞くうちに、ゴードンが出くわしたような次元の渦に出くわす
それを見つめ続けたアンディは、巨人のいる異空間へ! 巨人は「消防士と名乗り、天窓を開く。白く濁ったそれは黒くなって、NYで現れた怪物など様々な怪奇現象などを見せて、アンディを地上へ戻したのだった
他の3人も記憶こそないが、似たような体験をしたらしく、何か追われているとおぼしきナイドを連れて保安官事務所で保護する
彼女は留置所に入れられるが、そこには先ほど捕まったチャドと、顔に奇妙な傷と黒いゲロを吐く男がそれぞれ違う牢屋に入れられているのだった

「巨人=消防士がいるということは、そこにホワイトロッジへの入り口があったということ。黒クーパーによって傷つけられた○○アンが、ナイドとしてホワイトロッジに匿われていて、クーパーの準備が整うのを見計らって現世に送り返されたというのが妥当か

グレート・ノーザン・ホテルでは、ガードマンをしているジェームズ同僚の若者フレディと話していた。緑の手袋をはめるその青年は、ロンドンのイーストエンドの生まれで、手袋も酔っぱらったときに巨大な渦に吸い込まれ、巨人から「片手だけの手袋を買え」「それを手につければ、途方もない力をする」と言われる
さっそく言われた店へ行ってみたが、店員から開封された品物は売れないと強硬に反対される。代金だけ置いて持ち去ると、その店員は泥棒扱いでしつこく追いかけてくる。そこで手袋をはめて一撃を食らわすと、なんと、店員の首ごと折ってしまったという(爆)
仕方なく、巨人のいう通り、アメリカ行きの便に乗りにいくとすでにチケットを用意されていたとか。巨人いわく、ワシントン州のツインピークスへ行けば、「そこで運命を見出す」。最後まで聞いてあげるジェームズはいいやつだわ

ジェームズボイラーから不思議な音を聞く。ボイラーというと、異界でのジェフリーズを思い出せる。異界の住人として安定した彼は、各地のボイラーを通してアンテナを張っているのであろうか

エルクズ・ポイント・バーセーラ・パーマーが酒を飲んでいると、よほど女に飢えていたのか太っちょの男が言い寄ってくる
あまりしつこいのでとセーラはなんと、顔面をマスクのように剥がし、その中の空洞と怪物の歯を見せた! そして、男に一撃を浴びせると、頭にえぐるような傷を作って即死。セーラは悲鳴をあげて見せて、店長にすがって見せるが……
なんてこったい、いつから彼女に憑りついていたのやら

「赤い部屋」のローラが外した顔からはが漏れていたが、セーラの中には怪物が隠れていた。手口はウッズマンに近い

ロードハウスでは、何気ない会話にティナとビリーの名が。ビリーはオードリーの大事な存在(息子?恋人で、ティナはチャーリーが電話してた相手ビリーがつき合っている人妻らしい。断片的な情報が妙につながってきた

*話しているのはティナの娘で、ビリーは年上の人妻をこますのがうまいらしい
 それはともかく、その娘の話すビリーの様子が異様。180センチの柵を飛び越える跳躍力と、別の生き物が乗り移ったような動き。”ボブ”とは違う別種の悪霊が取り憑いたかのようだ
保安官事務所の留置所に入れられた、顔が傷だらけの男(役名Drunk)との符号が気になるが、関係は不明



さらに記事が長くなってしまった(汗
話も佳境に差し掛かってきて、いろんな事象が、ツインピークスという土地に吸い込まれるように関わってきて、書かざる得ないのだ
旧作の登場人物の出番が増えてきたのも、追いかけてきたファンとしては嬉しいところ。ボビーとシェリーの関係に終わった感があるように、ノーマとエドとの関係も違う男が間に入って、男どもには哀愁が漂う。悲しいなあ


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チラ見せのシーンと、やけに長い尺のシーンが極端


<第11章 あなたが向かう場所に火がある>

トレーラー・パークに住むベッキーは、突如ヒステリーを起こし、母シェリーに電話。母親が来るや、いきなり車を奪って爆走!
振り切られたシェリーを管理人のカール・ロッドが拾って、無線で父親のボビー・ブリッグスを呼ぶ
ベッキーはそのまま、スティーヴンの女のマンションへ突撃。今出てったと隣人に聞いても、扉に銃弾を浴びせるのだった

サウスダコタのバックホーンでは、ゴードンたちビルを連れて、ブリッグス少佐を見たという廃墟(コンビニエンスストア跡?)に入る
ゴードンは電子音とともに巨大な渦を感じ、異界の髭面の男たちを見る。アルバートはゴードンが吸い込まれそうになった寸前に引き止めた
そして、二人は草むらに転がるルース・ダヴェンポートの首無し死体を見つける
その隙に、髭面の男がビルの乗る車へ接近。その顔ごと食いちぎってしまった!!

*こちらは悪霊が屯するコンビニエンスストアの入り口があった。留置所からつけ狙っていたであろう、ウッズマンたちにビル(ウィリアム・ヘイスティングス)は殺された

ベッキーはノーマのダイナーで、両親と今後を相談。ベッキーはスティーヴンスと別れるというが未練たっぷりで、両親の方も昔ワルだった分、子供の素行には甘い
しかし、ボビーとシェリーが上手く行ってるわけではないようで、シェリーの愛人のような男が堂々と店にやってきて、彼女と見せつけるように抱き合う
そこへ、突然の銃撃! ボビーが飛び出したところ、子供が後部座席にあった銃を暴発させたようだが、その子供は不気味にも平然としている。さらに後ろのクラクションを鳴らすおばさんの車には、ゾンビのようにゲロを吐き出す子供が……
ツインピークスには、何か異変が起きている!?

シェリーの不倫相手は、リチャードと取引していた麻薬シンジケートの“レッド”! 旧シリーズのレオみたいな奴と、またなぜと思うが
高校生が麻薬がらみで死亡する事件もあり、ゲロを出す子供もそうした薬物汚染の象徴か。堅気になったボビーの家庭崩壊を含めて、ジュディスか、黒クーパー=”ボブ”かに街が侵食されているということなのだろう


保安官事務所では、ホークが持ち込んだご先祖由来の地図と、フランクがにらめっこ。少佐の言っていた場所にあるのは死に通じる‟黒い火
丸太おばさんからも、「丸太が火を恐れている」「あなたが向かう場所に火がある」

ホークがフランクへの説明するインディアンの伝承がけっこう重要かも。ふたつの山はツイン・ピークスではなく、ブルーパイン山! ブルーパインというと、パイナップルやカクテルのイメージだが…
火が現代の電気の一種(!)と捉えられているのは面白い。「赤い部屋」の”腕”が絡むときに、電柱のジリジリした音が鳴っている
「黒いコーンが実っている場所へ行け」黒いコーン(病気にかかったとうもろこし)は、病気・異変・死を意味するそうだが、悪霊たちが食らうガルモンホジーアを思い起こさせる。そして、火と黒いコーンを足すと、「黒い火」となる


*バックホーン署では、ルース・ダヴェンポートの腕座標の数字が書かれていることがわかり、ダイアンはそれを暗記し、ゴードンアルバートは彼女を泳がせている

社長室に呼ばれたクーパーは、「君の調査によって、警察もからんだ組織的不正があきらかになった」とし、またシルバー・マスタング・カジノのミッチェム兄弟への保険金が下りることになり、兄弟へ直に渡しに行くように頼まれる
ミッチェム兄弟は、保険金が下りないのとジャックポット連発の恨みで、殺すつもりで‟ダギー”を呼んだのだが、ブラッドリー(兄)の見た夢と、3000万ドルの小切手のおかげで、大手のひら返し。大歓迎を受けるのだった
そして、高級レストランのピアノをBGMにエンドロール


<第12章 さあ、やろう>

ゴードンは、タミーブルーブック計画について明かす。1970年に廃止されたそのプロジェクトは、UFOを調査するものだったが、軍とFBIが合同で未解決問題に取り組むこととなり、ある女性の被害者が発した言葉から‟青いバラ”というコードネームが名付けられた
メンバーはリーダーがフィリップ・ジェフリーズで、クーパー、アルバート、劇場版に出たデズモンドの3人を誘った
アルバート以外が失踪したとあって、タミーダイアンが補充されることに。ダイアンは力強く「さあ、やろう!」

「さあ、やろう!」(Let’s Rockは、ツイン・ピークスで何度か見かけるフレーズ。劇場版で失踪したデズモンド捜査官の車に書かれた文字、旧シリーズの「赤い部屋」で”腕”がクーパーに呼びかけた言葉が印象的。精霊の業界で流行っているのだろうか?

ツインピークスのスーパーでは、酒とたばこを買い込んだセーラ・パーマー(ローラの母)が、レジの女の子に霊感トーク。七面鳥のビーフジャーキーから連想して、女の子に多くの男たちに襲われる不幸を予見する
心配した保安官事務所は、ホークをパーマー家に派遣したが、セーラにも自分がなにをやったか分からないのだったようだった

*この時のセーラは、私のときのように襲われると女の子を脅すというより、心配している調子である。全人格をアレに支配されているわけではないのだ
男たちとは、”ボブ”でありウッズマンたちだろう


グレート・ノーザン・ホテルのベンの執務室に、フランク保安官が現れる。子供のひき逃げ事件の犯人がリチャードと知らされ、さらに目撃者だった保育士ミリアム・サリヴァンの暴行容疑もあるという(あの状態でよく助かったなあ)
がっかりきたベンは、ミリアムへの医療費を払い、昔に父親が自転車が買ってくれたことに現実逃避するのだった

そして、やっと旧シリーズのヒロインの一人だったオードリーが登場。小柄な夫チャーリーとの痴話げんかになるのだが、知らない固有名詞と通称が飛び出して、何が話し合われたかは不明(苦笑)。彼女がやって欲しいのは「ビリーを見つけたいから、ティナに電話してくれ」ということなのだが、チャーリーが渋々かけると「チャックがビリーの車を盗んだ」他、何やら衝撃の事実が伝わったらしいがしゃべらない(リチャードのひき逃げの件?)

オードリー夫のチャーリーと契約的な結婚であり、ビリーという恋人が別にいるらしい。で、彼女いわくビリーが怪我している夢を見て、安否が気になるのだが、ビリーにはティナという別のつき合っているぽい娘がいて、彼と最後に会っていたのだがそのティナ
恋敵であるティナに電話しにくいから、チャーリーに電話させようとしていたのだ
 しかし、そのビリーとティナが会っていたという男チャックは、ビリーから車を盗んだような男なので、そんな話は信用ならないとチャーリーは渋っているようだ。初見じゃ、分からん!


‟ブルーローズ”に加わったものの、黒クーパーとのやり取りをアルバートに盗聴されてるダイアンは、ルースの左腕の刻まれた数字携帯の地図アプリに有力してみると、それはツインピークスを指す。ようやく、彼らとツインピークスが交わるのか?
ロードハウスでは、女性たちの席に、交通事故に遭いかけた男=トリックが混ざるがメインのストーリーにどう関わるかは謎

*ダイアンが入力したのは、ルース・ダヴェンポートの腕にある数字列ではなく、「Coordinetes(座標)+2」。最初から、ツイン・ピークス付近にあたりをつけていたのか?


シリーズも折り返しを過ぎて、少しづつ畳まれるエピソードもある
本筋に関係のない、やけ尺の長い場面も多く、監督本人が演じるゴードンとナンパしたフランス人女性の絡み以外は、今ひとつ面白みに欠けただろうか
9本あるいは18本の映画として見るにも、情報の出し方が上手く行っておらず、何かしらの読本でもないと把握しきれない。今まで映像作品を観た人間ですらこうなので、ここらへん、ちょっと問題である
(WIKIもリミテッドシリーズについてはそれほど載ってないし、どこかサイトを探そうか)


次回 【DVD】『ツイン・ピークス リミテッド・イベント・シリーズ』 第13章・第14章
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