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【配信】『機甲騎兵ボトムズ』 第1話・第2話

『装甲騎兵ボトムズ』は、1983年から1984年にかけて放送され、リアルロボット物の頂点とも言われる作品である
ガンダムのようにテレビシリーズの続編はないものの、空白の年代を埋めるようにOVAが製作され続けて、今なお根強い人気を誇っている
作品の世界では、銀河を二分するギルガメスバララントが100年もの宇宙戦争を続けており、物語はちょうどその大戦が終結した日から始まる。世界大戦の熱戦から、冷戦に転じる現実世界をだぶらせているのだろうか
なにぶんシリーズを観るのは初めてなので、下手に先読みせずに感想に入ろう


<第1話 終戦>

主人公のキリコ・キュービィーはある特殊任務につこうとしていた。いわくつきの部隊からの転属だからか、作戦内容は知らされなかったが、味方と色違いの機体が撃ちあう異様な戦場に立ち尽くす
一人だけ事情を知らずに放置されていたものの、交戦しているうちに意味ありげなカプセルを発見。中には全裸で禿頭の美女が眠っていたのであった
乳首に驚いたわけではないだろうが、キリコは異常な汗をかいて震えてしまう。ここだけ切り取ると変態に見えるほど(笑)。この美女は、人間の精神へ働きかける謎の力を持っているようだ

美女のカプセルは同僚たちに回収されるも、キリコは小惑星基地の爆破に巻き込まれて漂流。本来は味方のはずのギルガメスの戦艦に拾われる
しかしそこでは、基地に隠された極秘の存在「素体の行方を吐けと、ロッチナ大尉の拷問を受ける。どうも、あの美女が「素体」で、友軍を裏切った連中がもっていってしまったらしい
キリコの母星メルキアに着いても拷問の連続だったが、一瞬の隙をついて脱獄!
特殊部隊顔負けの戦闘力で、追っ手を振り切ってしまう。この主人公は生身の身体でも戦闘力がかなり高い。最初から歴戦の戦士なのである
次回予告では、ロッチナ大尉の声優・銀河万丈の声で、「来週もキリコと地獄につきあってもらう」。単なるロボット物というより、かなりハードボイルドな雰囲気だ


<第2話 ウド>

キリコの故郷であるメルキアは、長い戦争によって変わり果てていた。戦後の闇市を思わせるウドの街は、暴走族が暴れまわる無法地帯であり、キリコも彼らにさらわれて採石場へ連れて行かれる
戦争によって破壊されたコンピュータ工場の跡地には、部品に使われたチジリウムが採れるというのだ。この時代にレアメタルの話題が盛り込まれているのは意外な発見である

戦争中は暴走族と癒着していた治安当局だったが、終戦をきっかけに署長は暴走族との関係を清算しようとする。なぜ、一人で乗り込んで行ったかは謎だが(笑)、ちょうど人夫たちの脱走と重なって大混乱に
そのどさくさにキリコと仲の良かった男が、暴走族と署長の会合を襲撃して命を失うのであった
キリコは暴走族に追われて街(?)に逃げ込むも、体内のビーコンがギルガメス軍に察知されてしまう。ともあれ、転がり込んだゴミ捨て場に懐かしい量産機「スコープドッグが廃棄されていて、そのコクピットの中で「母親の腕に抱かれる」ように眠るのであった。
しかし最後の追っ手を殺したのは、誰だろう。単なる流れ弾だろうか?
次回予告は「キリコがウドで飲むコーヒーは苦い」。さすがに毎回、「地獄につきあってもらう」ではないようだ


今のところ、主役機が人並みはずれた活躍をするというロボット物のお約束からは大きく外れている。なにせ、出てきた人型兵器「AT(アーマードトルーパー)」はまだ一種類であり、最初の話が同じ機種での同士討ちから始まるのだ
ロボット物の殻をかぶったハードボイルドSFであり、アメリカのテレビドラマ『逃亡者』とか『プリズンブレイク』とかを思わせる展開。第2話も販促の都合で最後にロボットを出したかのようで、好きなドラマを作るためにロボット物を装うことを徹底した作風なのだ
OP,EDが渋く決まっていて、早くもファンになってしまった


装甲騎兵ボトムズ DVD-BOXI
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【DVD】『マスク』

なんという、ナメック星人


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スタンリー・イプキス(=ジム・キャリー)は、うだつの上がらない銀行員。どんくさい性格が祟って冴えない生活を送る毎日だったが、ある日、謎の緑のマスクを拾う。緑のマスクをつけるや、スタンリーは謎のマスクマンに変身! 超人的な力で銀行強盗を働いて念願の高級クラブへ潜入。憧れの美人歌手ティナ(=キャメロン・ディアス)のステージをジャックする。しかし、マスクの力は陽の上がらないしか続かないのだった

いわずとしれたジム・キャリーの出世作であり、キャメロン・ディアスのデビュー作
「真面目な男」というキャラ付けのスタンリーなのだが、いわゆる堅物ではない。美人が目の前を通ると、鼻の下を伸ばしてバタバタしてしまう
同僚のチャーリー(=リチャード・ジェニ)と同様の、ノリのいいだけの凡人であり、日本人の感覚からする「真面目」とは少々違うのだ
単純な喜劇に思えて、ストーリーはけっこう捻っている。お色気むんむんのティナとは対照的に、真面目そうな女記者ペギー(=エイミー・ヤスベック)が登場するものの、三四郎のようなオチにはならず、意外な展開が待ちうける。「普段のままのあなたでいい」というテーマに絡んだ決め台詞を言われたあとにまさか、ああなろうとは……
マスクマンとして暴れまわる前半と、マスクをかぶれなくなってしまう後半と違う味が楽しめる。物語が進むごとにマスクを被らないときでも、ちょっとずつスタンリーは変わっていく
ドタバタの末に美しい成長物語として成立していて、やっぱ何度観ても楽しめる名作である

マスクマンとしてのスタンリーの行動は、主人公とは思えない無軌道ぶりである(笑)
憧れの姉ちゃんと付き合いたいから、銀行強盗をしてクラブに殴りこむなど、のっけから犯罪者のゾーンなのだ!
マスクをつけなくなっても、看守から鍵のみならず、銃まで奪って脱獄するなどの傍若無人を誇る(苦笑)。アメリカ人にとってヒーローのイメージとは法の外=アウトローの存在なのだろうか。拳銃ひとつで敵の巣窟に突入するなど、ヤクザ映画でドスをさらしに巻いて決闘するのと同じノリなのだろう


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【BD】『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

70歳のジェットコースター その2。……その1はGレコ


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放浪するマックス(=トム・ハーディ)は、車を崇める“シタデル”の男たちに捕まる。豊富な水がある同地には、イモータン・ジョー(=ヒュー・キース・バーン)と呼ばれるカリスマ的独裁者が君臨し、戦闘集団ウォーボーイズを組織して専制国家を為していた。マックスはウォーボーイズのための“輸血袋”にされてしまう。そんな中、女隊長フュリオサ(=シャーリーズ・セロン)はジョーの子産み女たちを連れて逃走し、マックスも輸血先のニュークス(=ニコラス・ボルト)ともに追跡する羽目になる

いや、とんでもない映画だった
2時間ずっとジェットコースターなのである。冒頭にマックスが荒野に佇む場面からジョーの手下たちに捕まる場面までの二十数分間を、怒濤のアクションが繰り広げられ、ようやくタイトルが表示される
そこで落ち着くかと思いきや、岩山に築かれた要塞“シタデル”の豪快な光景に、水を待つ貧民たちと色白のウォーボーイズ、奇怪な老人イモータン・ジョーと世界観を手早く見せつけて、フュリオサの逃走へ転じる。止らないのだ
おかげで中盤までマックスの存在感がなく、主人公というより闖入者の役回り
しかし、女たちで逃げるにも限界がある。消耗したところで、マックスともう一人の闖入者ニュークスが浮上して、またジェットコースターが最加速する!
CGのない時代にエグい撮影をしていた同シリーズに、CGが加わるとこうなるのかという途方もない映像が観せ続けられて、映画を見る物差しが変わってしまいそうな作品だ

ここまでジェットコースターが続けば、観ていて疲れそうなものだが、それは全くなかった。忙しくならない小気味のいい切り替えに、溜めるときは溜めて魅せるアクションシーンがあって、2時間疾走感を保っているのだ
説明的な台詞がないどころか、なるたけ余計な台詞をしゃべらせないのは、『マッドマックス2』にも共通する傾向だが、本作はそれに磨きがかかっている
それでもキャラクターの動かし方がしっかりしているので、自然と話の筋は理解できる
マックスは“輸血袋”の境遇から脱出するものの、フュリオサに味方する義理はない。まして、女性を助け切れなかったトラウマが彼を苦しめている
なので、ジョーから逃げる彼女たちのタンクローリーを奪って、一人で逃げようとする。まるで主人公らしからぬ、このモヒカン同然の行動が、作品世界の苛烈さを言わずと説明している
ヒーロー物のお決まりでなしに、マックスとニュークスと女たちが三すくみの状況から、チームを為す過程が最高に好きである
そして、悪のカリスマであるイモータル・ジョーが、我が子を可愛がって攻撃をためらうなど、敵味方を同じ人間として扱う視線も健在で、シリーズを蘇らせるに相応しい作品だった


前作 『マッドマックス3/サンダードーム』

メイキング・オブ・マッドマックス 怒りのデス・ロ-ド
Abbie Bernstein
玄光社
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【DVD】『マグノリア』

蛙と犬が可哀想なラスト


マグノリア [DVD]
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自己啓発セミナーの名物講師フランク・マッキー(=トム・クルーズ)クイズ番組のベテラン司会者ジミー・ゲイター(=フィリップ・ベイカー・ホール)とその娘でヤク中のクローディア(=メローラ・ウォルターズ)、その彼女と恋に落ちる警官ジム・カーリング(=ジョン・C・ライリー)、ジミーのクイズ番組で活躍する天才少年スタンリー(=ジェレミー・ブラックマン)とその父親リック(=マイケル・ボーウェン)、元天才クイズ少年で今は冴えない営業マンのドニー(=ウィリアム・H・メイシー)瀕死の大富豪アール・パートリッジ(=ジェイソン・ロバーズ)とそれを介護する妻リンダ(=ジュリアン・ロバーツ)看護士フィル(=フィリップ・シーモア・ホフマン)。サンフェルナンド・バレーで、無関係だった彼らが「ありうべき偶然」で交錯する

三連休でないと観れない映画であった。なにせ、三時間を超える大長編なのだ
どこかでダレるのでは思えたが、上手い具合に人物の視点が切り替わるので、まったく飽きない! ちょうど人間の目の高さにカメラを回しているから、視聴者の生理になじんで情報量や場面転換の多さが負担にならないのだ
10人前後の主要人物は、全てが直接関わるわけではない。危篤に等しい状態の大富豪アール周辺、そして余命2ヶ月を告げられた名司会ジミーと出演するクイズ番組が、ストーリーは大きな二つの塊に分かれて、そこから個々の人物につながっていく
思わぬところで出会うと思えば、背景はあるのに交わらないとか、冒頭に掲げられるようにありうべき偶然が人々をぶつからせる。中盤まではそれが自然で生々しく、グッとドラマへ没入させてしまう

中盤以降にそれぞれのドラマがヤマを迎えると、一気に芝居気が増していく。元天才少年がバーテンに愛の告白をし、警官がデートで有頂天後に拳銃を無くして、マッキーが実父との面会に逡巡するなど、畳み掛けられていくので見る側は「いったいどうなっていくのか」と圧倒されざる得ない
すべての物語が上手く転がるわけではない。むしろ、上手く転がらない話ばかりである
正直、「ここまで懺悔させておいて、なんでハッピーエンドにしないのか」と呻きたくなる結末もちらほら。「ありうべき偶然」の象徴として蛙の雨を降らせるぐらいなら、みんな丸くまとめても良かったのではないか
ラストこそ違和感を残したものの、そう上手くいかないのが人生というのも、またしかりか。「好きに生きた人生に悔いが残らないなんて、嘘だ」「悔いを土台にして、その次を生きるのだ」「人生はいまいましいほど長い」、意識が定かでないアールの口からこぼれる言葉は重く、さりげなく流れるエイミー・マンの歌はそれなりに生きてしまった人間を慰撫する力がある
コンセプトからしてエイミー・マンのPVになってしまうのはぬぐえないのだが、それでかつ名作である


マグノリア <OST1000>
マグノリア
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【BD】『ドラゴンボール EVOLUTION』

吹き替えが、せめてアニメ準拠なら


ドラゴンボール EVOLUTION [Blu-ray]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2010-07-02)
売り上げランキング: 154,969


2000年の昔、ナメック星からやってきたピッコロ大魔王(=ジェームズ・マースターズ)と配下の大猿によって、地球は滅亡の危機に瀕したことがあった。祖父・悟飯(=ランダル・ダク・キム)から聞かされていた孫悟空(=ジャスティン・チャットウィン)だったが、暢気に高校生活を送っているうちにピッコロに自宅を襲われて、悟飯を殺されてしまう。そして、崩れた自宅には、ドラゴンボールを探し求めるブルマ(=エミー・ロッサム)が侵入! 利害が一致してともに亀仙人(=チョウ・ユンファ)のもとへ向かう

なんとなく目に入った勢いで借りた(笑)。勢いがないと借りれない作品である
噂には聞いていたが、確かに出来は良くなかった。最低でも作り手の原作への愛は見せて欲しかったけども、それすら怪しい
レジェンド級の駄作というわけでもなく、低く安定しきっているために、ネタとして喜べるところが少ないのだ
主役が白人は、スーパーサイヤ人=白人化と歓迎される土壌では素で受け入れられるだろうし、配役の在り方もそれほど間違っていない
むしろ許せないのは、ハリウッドらしからず、セットがちゃっちいこと。CGもそれほど使われない昔ながらの特撮風であり、予算の少なさがバレバレだ
どうせ外すなら、盛大に外してもらいたい(白目)

手抜きに思われるのが、敵の陣容である
ピッコロの配下に、なぜかピラフ一味のマイ(=田村英理子)だけがいるのだ。おっぱい要員といえばそうなのだが、なんで普通の人間そうな彼女がピッコロの配下たるのか、まったく作中で説明されない
ヤムチャの登場とブルマへの絡ませ方とか、まったくもってストーリーが雑過ぎる
取り柄はチョウ・ユンファがオモロいおっさんを演じていることと、チチ(=ジェイミー・チャン)“チチ”が凄いことになっとることぐらいだ。この映画、おっぱいへのこだわりだけは、いっちょ前である
ラストに続編を思わせる場面をねじこむならば、ちゃんと予算をとって中身も作ってもらいたいものだ
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【DVD】『野獣死すべし』(1980年版)

忘年会後に風邪をひき、さらに寝てるうちに舌を噛んで流血という、多難
年末の予定が完全に狂ったわ


野獣死すべし 角川映画 THE BEST [DVD]
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都内で岡田警部補(=青木義郎)が刺殺されて、拳銃が奪われる事案が発生。その銃は警部補が関係するカジノバーの襲撃に使用された。犯人は元通信社で、今は翻訳を手がけながら、クラシックが趣味として悠々自適の生活を送る伊達邦彦(=松田優作)。伊達は次の標的に東洋銀行を定めるが、単独行動では成功は期しがたいと、荒々しい真田敏夫(=鹿賀丈史)を抱き込む。その伊達の後を、捜査一課の柏木(=室田日出男)が追いかける

『蘇る金狼』同じ作家の原作、同じ監督ながら、また一風変わった作品だった
題名にわりに、まず主役の伊達が“野獣”らしくない東大出の高学歴でクラシックが趣味、文学的教養もあると多趣味であり、表面的には現代人的頭でっかちである
元通信社での紛争地の経験と、学生時代に射撃部に属した銃の腕という背景はあるものの、ところどころでインテリ的な知識ひけらかしがあって、あくまで人に飼い馴らされない意味での“野獣”
むしろ、所構わず人を殴る真田のほうが野獣に相応しく、伊達も彼とつるみ、洗脳する過程で自らも本性に目覚めていく
映画の出来としては、展開のスムーズよりは俳優たちの見せ場重視で構成されており、優作の一人芝居は観ているだけで面白い。前野耀子が閉店したクラブで歌うなど、ちょい役でも豪華な場面が多い
頭を動かすよりも、気持ちのままノッて観る作品だ

詳しくしゃべると、ネタバレになってしまうのだが仕方ないと開き直ろう
伊達の“野獣”は、紛争地の経験から生まれた。紛争地の虐殺現場からこの世の真理を感じ取ってしまい、平和な暮らしが嘘としか思えなくなってしまった
ゆえに日本にいても、世の真実である修羅場を求めてしまい、自ら事件を起こしてしまう。一種の精神病なのである
一般の動物は自らが生きるともに、子孫を残そうとあくせくしているのだから、管理人は女を躊躇なく殺す伊達が“野獣”だと認めがたい(笑)
真田にその彼女(=根岸季衣)を殺させようとするところ、伊達にとっての“野獣”とは、「男だけの世界」なのだ
ラストシーンは映画史に残る謎エンドらしいが、あれだけ人を殺して無事に戻れるなんてありえないという、物語の力学が働いたように思える。あそこまでやって死ななきゃ、ただの悪人に終わってしまうだろう


関連記事 【DVD】『蘇る金狼』

野獣死すべし (角川文庫 緑 362-24)
大薮 春彦
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【DVD】『ブラック・ダリア』

にんともかんとも


ブラック・ダリア コレクターズ・エディション 2枚組 [DVD]
東宝 (2007-05-18)
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バッキー・ブライカート(=ジョシュ・ハートネット)はボクシングをきっかけに、特務課のリー・ブランチャード(=アーロン・エッカート)とパートナーを組む。リーはかつて凶悪犯に囲われていたケイ・レイク(=スカーレット・ヨハンソン)と同棲していて、バッキーと奇妙な三角関係に陥る。しかし、「ブラックダリア事件」をきっかけにその三角形は崩れ、バッキーは謎めいた美女マデリン(=ヒラリー・スワンク)に引き込まれていく

ブライアン・デ・パルマをして、失敗作であった
600ページ以上ある大長編を2時間でまとめようとしたために、前半は駆け足となり中盤以降も原作と展開を変えざるを得ず、悪い方向にまとまってしまった
1940年代のロスを再現した映像には目を見張ったし、バッキーとリーのボクシングは凝っていたけど、下手に原作前半を忠実に映像化し過ぎたために、後半は力尽きて竜頭蛇尾になっている
もともと原作が数年がかりの物語であり、ハリウッドに向かない複雑すぎる筋書きだっただけに、企画そのものに無理があったのだろう
キャスティング的には、スカーレット・ヨハンソンがエロ過ぎで(苦笑)、誘惑するマデリンがかすんで見えてしまった。映像に残るエリザベス・ショート(=ミア・カーシュナー)がほどよく可愛かっただけに、いろいろともったいない作品である

この映画のこと詳しく語ろうとすると、どうしても小説と映画双方のネタバレになってしまう。以下は覚悟して読んでください
一番大きな改変は、舞台がロサンゼルスに限られること。原作では国境を越えたメキシコ側の都市ティファナにまで、バッキーはリーの足跡を追跡するのだが、映画ではケイと関係したマフィアとのどさくさに殺される
小説ではそのショックで、ブラックダリア事件を離れてケイと普通の結婚生活を送るが、映画だと間をおかずにリーの過去が暴露され、怒濤のごとく真相へなだれ込む
真犯人の片方がすでに死んでいて、残されたほうも事件の全貌を語って、ご都合のような自害(苦笑)。最後でリーを殺した犯人まで、バッキーが手を下してしまう
この終盤の畳み方は完全に映画オリジナルであり、小説の風味をぶちこわしてしまった。どうにもならない苦味のなかで、再生するラストが良かったのに……。プロデューサーの介入でもあったのだろうか
小説が気に入った人は見ないがいいかもしれない


関連記事 『ブラック・ダリア』(原作小説)
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【DVD】『ロード・オブ・ウォー』

先日、家族で京都鉄道博物館へ
そのうち、記事にします


ロード・オブ・ウォー [DVD]
日活 (2006-06-09)
売り上げランキング: 17,130


ユーリ・オルロフ(=ニコラス・ケイジ)は、ロシアからの亡命者が集うリトル・オデッサで育ったウクライナ系移民の子。ロシア・マフィアの構想に衝撃を受けたユーリは、父がユダヤ教に改宗したことからイスラエル関係者に接し、その優秀なUZI機関銃の売買を始める。実弟のヴィクター(=ジュレッド・レト)を引き込んで武器商人としての階段を登り続けるが、インターポールのジャック・バレンタイン(=イーサン・ホーク)がその後を追っていた

ドキュメントのような淡々とした映画だった
全編に渡ってニコラス・ケイジの回想が入り、時系列的にユーリ・オルロフの半生を追うシンプルな構成。追われる武器商人の視点しかなく、敵役のインターポールは微妙な比重でしか描かれないし、対決する場面も山場にしても盛り上がらない
パートナーである弟も薬物中毒の治療で中盤をまるまる抜けてしまうので、信頼できる相棒というよりお荷物にしか思えない
ドラマとして全体を通した一貫性の無さやテンポの悪さもあいまって、映画そのものが面白くないのだ。たとえ、ほぼノンフィクションに近く、啓蒙目的の作品だとしても頂けない。興行的に苦戦するのも止むなしだろう

作中のユーリは、父親がユダヤ教に入信した関係から、イスラエル製の武器輸入を手がけるが、軌道に載ったのは冷戦終結後
冷戦時代には、シメオン・ワイズ(=イアン・ホルム)のような各国の高官と交際できる特権階級のものだった武器市場が、冷戦終結による秩序の崩壊でユーリのようなちゃちな密売人にも参入できてしまった
ユーリは叔父であるヴォルロフ少将を通じて、ウクライナに駐留する旧ソ連軍の武器を格安で購入して、高まる民族紛争の現場に流し続けた
その中には、リベリアの独裁者アンドレイ・バプティスト(=イーモン・ウォーカー)のような冷酷非道な暴君もいて、ユーリが迷走するように武器商人の性質も変わっていく
バプティスト大統領とユーリの間でかわされた「ロード・オブ・ウォー」という言葉は、文字通り「戦争の支配者」という意味であり、作品のオチでアメリカを始めとするイギリス、フランス、ロシア、中国の常任理事国が最大の武器輸出国で、紛争の黒幕であることが語られる
しっかり作って、みんなに観てもらいたかったテーマの作品である
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【DVD】『蘇る金狼』

今のドラマには、セックスとバイオレンスが足りない


蘇える金狼 デジタル・リマスター版 [DVD]
角川エンタテインメント (2009-10-23)
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東亜油脂で働く平社員・朝倉哲也(=松田優作)には、裏の顔があった。プロ顔負けにまでボクシングで肉体を鍛え上げ、白バイ警官に扮して一億円を強奪。それを麻薬に変えるため、薬の売人であるヤクザや黒幕の市会議員までのしてしまう一匹狼の悪漢! 上司の経理部長(=成田美樹夫)愛人・京子(=風吹ジュン)を寝取り麻薬でたらしこみ、会社を巻き込む大汚職事件を嗅ぎつける

かなり乱暴な映画であった(苦笑)
冒頭から凄い。いきなり一億円を強奪して、そのトランクを会社に持ち込んで悠々と仕事をしているのである。見え見えのズラと、いかにもな大ぶちの眼鏡が、あまりに松田優作と不似合いで大笑いしてしまった
このヘボい扮装をした主人公が夜には好き放題に大暴れするので、只野係長が暗黒化したような感じなのだが、実際に漫画のほうでそういう影響を受けているのかもしれない。ちなみに原作小説には、ヘボく見せかける設定はなかったそうだ
作品としてはエピソードの繋ぎ方がかなり雑である。強奪した一億円のナンバーを控えられたから、麻薬に変えようというのだが、あまりに手法が乱暴で派手過ぎる。ボクサーとしての背景はあるにしても、ランボー顔負けの立ち回りはないだろうに(笑)。すべては松田優作だから許されるバランスである
リアリズムより鬱屈した会社員の願望を優先していて、山場で東亜油脂の経営陣を脅しつける場面にそれが象徴されている気がした

しかし、タイトルの『蘇る金狼』とはなんなのだろう
東京オリンピック直前の高度成長期で、社内の主人公のように人間が組織に飼い馴らされていく時代に、飼い馴らされない狼のようにということなのだろう
中盤以降、朝倉は表の世界で権力の階段を登ろうとする
会社の大株主となって社長の娘と婚約、ランボルギーニで朝の路上のど真ん中を走り抜ける。仮面のついた椅子に口づけする場面は、下克上を達成したと同時に体制に取り込まれることを意味していて、それは狼でなくなることでもあった
アウトローの世界に置いて行かれると思った女に刺されるラストは、整えられた社会では狼が存在しえないことを物語っているようだ。もっとも、男も狼に戻ろうと、海外への高飛びを考えていたのだが……
構成が残念で映画の出来としてはイマイチなのだが、風吹ジュンの、今では信じられないほど濃厚な濡れ場とか、役者さん的には非常に見所の多い作品だった


蘇える金狼 野望篇 (角川文庫 緑 362-2)
大薮 春彦
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【DVD】『沈黙の要塞』

原題「On Deadly Ground」
字幕より吹き替えの方がうまく意訳しているのでお薦め。敵の美人秘書が榊原良子さんだ、わーい


沈黙の要塞 [DVD]
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ワーナー・ホーム・ビデオ (2000-08-25)
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アラスカの油田“エイジス1”で、大規模火災が生じた。経営者のジェニングス(=マイケル・ケイン)ともにやってきたフォレスト・タフト(=スティーヴン・セガール)は、爆発処理で収拾するが、現場監督のヒュー・パーマー(=リチャード・ハミルトン)は噴出防止装置の不備を疑っていた。ヒューはフォレストに“エイジス1”の極秘情報を探るように頼むが、ヒューの動きを看破したジェニングスは彼にエージェントのグルーバー(=ジョン・C・マッギンリー)を送り込んだのだった

日本では沈黙シリーズ第二弾と喧伝されたが、世界観も主人公も共通しない別物
監督はなんと、スティーヴン・セガール自身!!
察しのとおり、大変香ばしい出来で、見事ゴールデンラズベリー賞を総なめにした(苦笑)
エスキモーの社会に白人の植民者が入ったきたアラスカを舞台に、大規模ロケを決行。雄大な自然をバックにした馬の追跡など、アクションの見せ場は多いのだが、なにしろストーリーに穴が多い
冒頭の爆発事故では石油の流出事故による環境汚染が心配されて、黒幕はその騒ぎによってエスキモーに採掘権が渡ることを恐れている。が、黒幕が主人公たちを陥れるために、避けるべく新たな爆発事故を起こしてしまう
そして、クライマックスには、主人公自身がエイジス1を爆発させてしまうのだ(爆)
そのうえで締めでは、本人が環境汚染の問題を訴えるという……ある意味、すごいネタ映画なのである

敵の罠にかかったフォレストは、現地のエスキモーたちに助けられる
そこでエスキモーの神話を聞かされ、酋長から「白人が大地を汚染する現実」を変えるように頼まれる。鷲の羽根で頭を突かれるユーモラスな場面から、謎のイニシエーションが始まって、神の戦士に生まれ変わる……はずだった
が、山から下りて友人と合流すると元のセガールフォレストに逆戻り「この事実をマスコミに知らせれば。無駄な血が流れてしまうわ」と正論を吐く酋長の娘に対して、「あんなおとぎ話を信じてどうする」とエスキモーの哲学を否定してしまう
それを守ったら見せ場の油田爆発がなくなってしまうからだろうが、ならばなんであんなファンタジーシーンに尺を割いたかが謎になる。なんら、影響を受けていないのだからスゴイ
ある程度、脚本家に筋を任せていて、途中で納得いかなくなったのだろう。白人がネイティヴの哲学に転向する映画はあれど、登場させといて退ける映画は珍しい

あと気になるのが、やたらと敵が主人公を褒め称えるところ。そこまで評価するのなら、戦うのをやめるか、もっとちゃんとした罠を張ったらどうかという
そして、序盤での酔漢との乱闘といい、最後の演説といい妙なタイミングで説教が入るのもセガール映画の特徴である。本人が監督をしているだけあって、いつもより自己顕示が強い!
『沈黙の戦艦』からして最後にラスボスに褒めてもらうシーンがあるなど、そうした傾向があった。どうも本人が脚本に介入しているとおぼしく、なんか敵に罵られるのが映画のなかでも嫌いなようだ
「敵にショットガンを胸に突きつけられながら、一瞬後に奪い取って相手をぶちぬく」(爆)という無刀流ならぬ無銃術を駆使するなど、アクションのキレだけは上等ないろいろ愉快な作品である


関連動画 『沈黙の戦艦』
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サイドバー背後固定表示サンプル

サイドバーの背後(下部)に固定表示して、スペースを有効活用できます。(ie6は非対応で固定されません。)

広告を固定表示させる場合、それぞれの規約に抵触しないようご注意ください。

テンプレートを編集すれば、この文章を消去できます。