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『胡蝶の夢』 第4巻 司馬遼太郎

徳島市には関寛斎の石像あり




戊辰の戦争は、蘭方医に数奇な運命をもたらす。鳥羽伏見の戦いに敗れた近藤勇は、江戸に帰り松本良順のもとで治療を受ける。その後も新選組に関わったことで、東軍へ身を投じて会津まで同行する
一方、徳島藩の侍医・関寛斎は、藩が官軍に転じたことから、野戦病院の病院長を務めることとなり、くしくも良順と対峙することに
そして、佐渡に帰らされた伊之助も、幕府瓦解の影響で職をなくし、横浜へと旅立つが……

小説としては、江戸時代が終わるまでを扱い、あとは後日譚として語る感じだった
解説にもある通り、当初は新選組に関わって、賊軍の軍医になったにも関わらず、維新政府に請われて軍医総監になった松本良順を主役にしたと思われるが、それに伴って現れたのが、長崎時代まで助手として関わった島倉伊之助(司馬凌海、父・佐藤泰然の弟子だった関寛斎
良順以上に、浮沈の激しい二人を見つけてしまったせいで、最終巻の後半は彼らの流転に紙数が割かれる
小説全体として見たときに、誰の話かブレてしまった感はあるものの、予想外の形で「胡蝶の夢」を発見してしまった以上、それに傾けざる得なかったのだろう

人間関係に不得手の伊之助は、佐渡でも医者として通用せず、鉱山を調べにきたアメリカ人技師の通訳ぐらいしかやることはない
幕府の崩壊から、佐渡奉行のともに紛れて横浜を目指し、良順の父・佐藤泰然と再会したことで、語学教室を開くように助言を受ける
こと、語学に関して伊之助の才能は天才的で、本場の人間と話したことがないにも関わらず、オランダ語はおろか、英語、ドイツ語、中国語を自由に会話できてしまう
しかし、近代的な生活・倫理についていけず、稼いだ金を遊郭につぎ込み生徒に教科書を高く売る、二日酔いで休んで授業を滞らせるなど、世間に敵を増やしてばかりだった
ヨーロッパの留学生が語学と知識を身に着けて帰り、外国人医官が帰国する時代になると用なしとなった
伊之助肺結核となるが、ポンペの治療を自流で解釈し、熱海の温泉へ出掛けた帰りに旅の疲労から客死してしまう
司馬のあとがきでは、佐渡は島を暖流が囲うように流れ込んで、北陸とは思えない温和な気候。江戸時代は幕府の直轄地で年貢も安く、日本海航路の要衝江戸・上方の優れた文化の影響を受ける、もっとも恵まれた土地だった
現地を訪れた司馬は、「こんな土地で生まれた伊之助は、佐渡を出るべきではなかった」と涙したという

関寛斎も波の激しい人生を送った。官軍の軍医と獅子奮迅の働きをした寛斎だったが、医界の権力闘争に嫌気がさしたのか、すぐに徳島で町医者を始める
庶民に無料で種痘を施すなどして慕われるが、息子が農業学校へ行ったことから、一念発起して北海道へ移住し、広大な牧場を開拓する
しかしトルストイの影響で、土地を共に開拓した人々に譲渡しようとしたことから、米国流の牧場経営をしたい息子や家族と対立し、大正元年に服毒自殺を遂げる
その人柄は、明治の作家・徳富蘆花の評論に残っており、蘆花は「本来なら、(良順のように)男爵軍医総監でもおかしくなかった」と惜しんでいる
この時代の日本の医界は、短期間のうちに漢方→蘭学→イギリス式→ドイツ式と覇権が入れ替わった。その激しい流れは、蘭方医たちをあるときは蝶のように華やかに舞わせ、それが夢であったかのように庶民の海へ戻していく。それを見事に描いた、知られざる名作なのである


前巻 『胡蝶の夢』 第3巻




『胡蝶の夢』 第3巻 司馬遼太郎

幕府の瓦解へ




1862年11月1日ポンペはオランダへ帰国する。松本良順を本国に連れ帰ろうとするが、良順は他の塾生を推薦し、江戸に戻り医学所頭取(東京大学医学部の前身)となる
当時は反りの合わない伊東玄朴が江戸の蘭方医学を仕切っていたが、スキャンダルで失脚。要職についた良順は“将軍後見職”の一橋慶喜、ひいては第14第将軍・徳川家茂の治療も扱うことに
一方の、島倉伊之助はポンペに長崎を追われたあと、平戸の藩医・岡崎等伝に逗留し、その娘を妊娠させてしまう。そこへ祖父・伊右衛門がやってきて、無理やり連れ戻してしまい……

ポンペが帰国するとともに、良順の身辺にも政治の波が押し寄せる
江戸に帰った良順は、医道の風上のおけないと嫌う伊東玄朴に冷や飯を食わされる。しかし、玄朴が養子に花を持たせようと、偽って翻訳者に名を連ねさせたことで失脚し、良順は奥医師へ復帰できた
長崎帰りの名声から、一橋慶喜の治療に呼ばれ、さらには江戸にいる時に新選組局長・近藤勇の知遇を得るなど、一気に政治の世界へ関わっていく
京都では、壬生や西本願寺にいる新選組を訪ね、その衛生習慣の改善を指導。近藤とは一種の侠客としての付き合いで、幕府の衰亡を予測しつつも佐幕派へ肩入れしてしまう
将軍・家茂との関係は、「医者はよるべなき病者の友である」というポンペの教えどおりで、本作の最大のドラマシーンといえよう

島倉伊之助はというと、きわめて動物的に欲望を満たすように行動していく。世間知は一欠片も持ち合わせず、そのときの状況でゴロゴロと流れていく
同じポンペの講義を受けた佐賀平戸藩の岡崎等伝の家に転がり込んで、娘の佳代を妊娠させてしまう。驚いた等伝が伊之助を養子に取ろうとしていたところへ、祖父・島倉伊右衛門が現れて、格上の藩医に掛け合って無理やり佐渡へ帰す
このときの、伊之助のリアクションは人並み外れて薄い!
「胡蝶の夢」のタイトルどおり、佐渡と長崎のとぢらが現実で夢なのか、分からぬ風情であり、どこか他人事なのでる。平戸では学問的な興味を見いだせず、旺盛な性欲をカタギの娘に向けてしまったらしい(苦笑)
ただ知りたいという好奇心が彼の中心であり、岡崎家に捨てられてしまえば、平戸へなんの未練もないといったところ。本作はこの奇人への描写が微細である

その伊之助と仲の良かった関寛斎は、請われて阿波徳島藩の蜂須賀家侍医として召し抱えられる。生涯、町医でいたかった寛斎にはありがた迷惑で、大藩であるだけに他の侍医との付き合いに苦労する
徳島藩東海出身の蜂須賀家が支配者層として君臨して、元三好家の郷士たちへ強権的な支配をしているように描かれるが、『功名が辻』のこともあるのでどこまで真実なのか誇張なのかは分からない
ただ、戦国の三好家の時代に、阿波は上方文化に浴しており、成り上がりの蜂須賀家と反りが合わなかったのはあるかもしれない


次巻 『胡蝶の夢』 第4巻
前巻 『胡蝶の夢』 第2巻

『胡蝶の夢』 第2巻 司馬遼太郎

医学の世界から革命始まる




1857年(安政4年)11月、松本良順は、オランダからやってきたポンペ・ファン・メールデルフォールトを師事して、日本で初めてとなる西洋医学の講義を始めた
江戸では13代将軍・家定の治療を巡って、蘭学医・伊東玄朴が陰に陽に動き回り、奥医師の世界に蘭方医学が解禁される
その一方で、咸臨丸教官カッテンディーケを迎えた長崎の海軍伝習所は、築地の軍艦操練所に吸収され、オランダ人教官は引き上げを余儀なくされた
長崎伝習所内にあるポンペの医学伝習所も岐路に立たされる

海軍教官のカッテンディーケ軍医のポンペがやってきたことで、長崎の海軍伝習所日本で最先端の教育機関となった
それまで蘭学医療は、西洋科学の体系を踏まえずに、本からの情報医者の経験則によって行われていて、外科の技術も師匠から弟子へ伝えられるものだった
ポンペは医学に必要となる基礎的な学問、物理学、化学、解剖学、生物学、病理学までも一人で教え、オランダ語を把握できる松本良順とその受取である島倉伊之助が各藩の塾生に読み下す形で広めていった
ポンペの壁となったのは、江戸時代の身分制度ポンペはオランダ国王の家臣ということで旗本直参の待遇であり、他の塾生もほとんどが士分である
そうした身分の人間が一般庶民を診ることは、社会制度の破壊を意味したのだ
しかし、良順開明派の長崎奉行・岡部駿河守の尽力で、天然痘の予防となる種痘の実施に、コレラの治療に成果をあげ、日本で初めての西洋医学病院となる「小島養生所」(後の長崎大学医学部、長崎大学病院の源流)を建設するに至る。西洋医学の流入は、その社会の背景となる平等思想の浸透につながり、

江戸では将軍の治療を巡り、思わぬ人物が頭角を現す。良順が医で金を稼いでいると、蛇蝎のごとく嫌った伊東玄朴である
伊東玄朴は佐賀藩に籍を置いていたが、思わぬところから将軍の生母・本寿院の耳に評判が入り、大老・井伊直弼に呼び出される。佐賀藩当主の正室は、第11代将軍・家斉の息女で、大奥に玄朴の評判を吹聴していたのだ
家定の死期を予見した玄朴は、井伊直弼の支持を得て、良順の父・良甫ら蘭学医の一団を奥医師へ引き入れたのだった
司馬によって、良順より精密に描写されるのが、主人公の一人、島倉伊之助
天性の記憶力とともに一向に身につかない世間知とのギャップに惹かれるのか、なんでその才能が恐れられつつ、最終的に集団から爪弾きにされるのかを執拗に描いていく
ただただ一直線に学問的関心のみで生きているせいで、ポンペの蔵書を勝手に持ち出してしまい、異邦人の彼にすら不信感をもたれてしまう
良順が「小島養生所」とポンペの講義に忙しく、まずます伊之助の面倒が見られなくなって、急変する世の中とともにどう転がっていくのかに注目だ


次巻 『胡蝶の夢』 第3巻
前巻 『胡蝶の夢』 第1巻

『胡蝶の夢』 第1巻 司馬遼太郎

幕末の医学界




「佐倉順天堂」を開設した佐倉泰然の息子、良順は、幕府奥医師ながら蘭学を修める松本良甫の家に婿入りする。その若い跡取りの助手として、佐渡から連れてこられたのが、異常な記憶力を持つ伊之助。伊之助は忠犬のように良順に従うが、あまりに世渡りと人付き合いが下手で、紆余曲折を経て佐渡へ帰されてしまう
良順は黒船が到来しても、漢方が絶対の奥医師の世界にうんざりし、長崎へ海軍伝習所への“留学”を決意。伊之助を再び佐渡から呼び出すが……

2巻まとめて感想を書こうと思ったけど、あまりに長く内容も濃いので1冊ずつ
医療の視点から幕末から明治の社会を描いた作品ながら、視点となる主人公がかなりマイナー!
順天堂大学の起源となる蘭学塾を開いた佐倉泰然を父に持ち、幕末は幕府陸軍、奥羽列藩同盟の軍医となりながら、明治では陸軍初代軍医総監となる松本良順。脅威的な記憶力と語学力で、日本最初のドイツ語辞典を作った司馬凌海(島倉伊之助)と、本作を読むまでまったく存じ上げなかった人なのだ
日本の近代を準備した“小英雄”が主役なので、その周辺の人々との関係から、自然と江戸の身分制度、佐渡と江戸の風土の違いが浮かび上がってくる
颯爽とした江戸っ子の良順に、変わり者で純朴な伊之助凸凹コンビは、心は通うようで会話がドッジボールという、このぎこちなさに人間関係のリアルを感じてしまう

幕府奥医師の跡取りながら、蘭学を志す良順に立ちはだかるのが、多紀楽真院を始めとする漢方絶対主義の壁
蘭学しか学んでいない良順に漢方の試験を課し、いかに民間や他藩で蘭方医療の有効性が証明されようと幕府内には取り入れない。自分たちの権威が脅かされるからであり、それら多くの侍医は江戸城に控えているだけで扶持をもらう体たらくだった
その医療体制は、第12代将軍・家慶二十数名の子を為したにも関わらず、将軍を継いだ家定を除いて早世するという、異常事態を招いている

伊之助の側から見えてくるのは、江戸時代の細かい身分制度。なにかにつけて上下の別を作って、庶民同士でもマウントをとってくるのだ
同じ松本家の用人でも、些細なことの積み重ねから追い出そうとしてくる
伊之助が育った佐渡は、金山のある天領であり、役人は最小限の人数でまかなっていた。そこでは医者に士分はなく、風通しもいい
江戸には勉学の興味は満たされても、人間的には鬱屈する。伊之助は人の気持ちへの鈍感さも祟って、良順以外の理解者を得られずに苦しむ
彼の苦しみは、現代の日本にも通じるものがあって、なんだかんだ江戸時代の悪弊が今でも残っていると思われるのだ


次巻 『胡蝶の夢』 第2巻

『ツイン・ピークス クーパーは語る』 スコット・フロスト

ゲ○で痛恨の延滞! 料金で借りたDVDを買い取れそうなぐらいだったので、これからの映画鑑賞は配信中心にしたいと誓った今日このごろ




『ローラの日記』に続き、クーパー捜査官が自身の半生をテープとともに振り返る22年間
テープレコーダーをプレゼントしてもらった13歳(1967年)から、ローラ・パーマー殺人事件の解決に旅立つ1989年2月24日まで、テープに記録されたクーパーのモノローグとして、彼がその時々に体験したこと、学校生活、男女関係、怪奇現象、旅行、FBI、宿敵ウィンダム・アールとの出会いと暗闘が赤裸々に明かされる。著者はメインの脚本家マイク・フロストの実弟で、シーズン2の脚本にも参加したスコット・フロスト
シーズン2ですら明かされなかったFBIの助手、ダイアン・エヴァンスが実在の人物として姿を現すが、クーパーとはあくまで仕事上の関係にとどまり、言及は少ない。その点では肩透かしでも、やはり彼女あてに告白せずにいられない、困った女性を助けたがる騎士道に生きるクーパーをして、依存できる存在というのはたしかで、リミテッドシリーズでの重要な役割を担うのも分からぬでもない
本書は日本での発売が1991年で、劇場版の公開1992年に先立つもの。そのせいか、劇場版でのテレサ・バンクス事件の扱いと異なり、最初に捜査へ出たチェスター・デズモンド捜査官とフィリップ・ジェフリーズの存在は完全に割愛されている
その点が考察に扱う資料(!)としては、『ローラの日記』と同じで微妙なところなのだ
とはいえ、変人の貴公子クーパーがいかに生まれたか。偏執的な好奇心がニューエイジと結びつき、初恋の人がドラッグ中毒の果てに自殺するなど、その過程が興味深い

クーパーの少年時代にも、奇妙な悪夢を見ている
14歳のときに、自分の部屋に知らない男が押しかけてきて、「お前が欲しい」と大声で叫ぶという。彼の母親も同じ夢を見ており、夢見の能力を受け継いでいたのだろう
この時点で、“ボブ“のような悪霊に遭遇していたのである
また、母親が死んだ後に、若い母親が出てくる夢を見ており、彼女に金の指輪を渡される。これがツイン・ピークスで“巨人“に謎掛けとともに取られ、後に返ってきた指輪だ
誘拐事件で犯人を射殺せざる得なかった後には、夢で緑の椅子に座る“脚のない男”と対面し、「おまえは走れない。あいつはすぐ後ろに迫っていて、お前を殺そうとしている」と哄笑する
後のことを考えると、おそらくウィンダム・アールに殺されかかったことを暗示しているのだろう。ツイン・ピークス以外にも「赤い部屋」に相当する異界は存在し、精霊たちがうごめているのだ

ウィンダム・アールとキャロラインを巡る因縁については、詳述されている
後ろ手を縛られた状態で両手を切断、頭に一発撃ち込んだ変死体が発見されたとき、アールは4日の間、姿を消す。キャロラインに対しては、電話で「おれは沈む、沈む」というメッセージを残していた
おそらく、ブラックロッジへの潜入するためのある種の儀式だったと考えられる
キャロラインいわく、これより前のある時点でアールの人柄は変わったらしく、ブラックロッジに触れて“ボブ”のような悪霊に取り憑かれたか、あるいはドッペルゲンガーにすり替わられたのか
本書には上述のとおり、劇場版での重要事項がすっぽり抜けている。逆にいうと、リンチ監督はシーズン2のラスト2話分と劇場版をもって、幻のシーズン3への設定を盛り込んだといえ、リミテッド・イベント・シリーズまでの全貌を捉えるには、それを重視すべきなのだろう


関連記事 『ツイン・ピークス ローラの日記』



『ウィトゲンシュタイン家の人々 闘う家族』 アレグザンダー・ウォー

忘れにくい名前



偉大な哲学者と隻腕のピアニストを生み出したオーストリアの華麗なる一族とは? 19世紀から2つの世界大戦を乗り越えた血族の生き様を描く

身内から課題図書(!)のように渡されたので読んでみた
ウィトゲンシュタインというと、まず思い浮かべるのは思想家のルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン。実際にその著書を読んだことはなくとも、その言葉の響きで覚えてしまう
しかし同時代では、2歳上の兄パウル・ウィトゲンシュタインのほうが世間では有名で、ルートヴィッヒの名声はケンブリッジ中心の論壇に限られたものだった
彼らの父母と他の兄弟姉妹との関係が描かれるのだが、中心となるのは隻腕のピアニストであるパウル。著者が音楽一家に生まれたのもあるだろうが、ルートヴィッヒは憂鬱で神経質な人間であり、短気ながら快活な彼のほうが主役として書きやすいのだろう
体裁は一族の伝記なので2人の姉についても触れているけれども、熱の入り方に違うのでパウルの伝記にしてくれたほうが読みやすかった

彼らの父カール・ウィトゲンシュタインは、お金持ちの娘と結婚し製鉄業で巨万の富を得た立志伝中の人で、数多くの別荘や農場を持ち、ロダン、クリムト(三女マルガレーテの肖像が有名)などの著名な芸術家を後援した
中でもメンデルスゾーン、マーラー、ブラームスらといった音楽家との交際は深く、それがパウルのピアニストとしての覚醒につながっていく
まったくお金に困らない家族だったが、外目に幸福な家庭とは言い難い。父カールが強権的に子供へ接し続け、母レオポルディーネもそれに逆らわず子供を守ろうとしなかったせいか、8人兄弟中3人の男子が自殺する悲劇に見舞われる
兄弟たちは父にならって我を張り続けて、人に妥協できない駄々っ子(!)だったが、唯一のコミュニケーションツールになったのが音楽だった

パウルが新進のピアニストとして成功するなか、第一次世界大戦が始まる
召集された彼は対ロシアのガリツィア戦線へ送られ、前線で優秀な働きをするも右手を負傷、切断することとなる。その後、ロシア軍の捕虜となり、過酷なシベリア生活ドストエフスキーが「死の家」に書いた収容所を体験、それでも左腕での演奏を続けるために練習を続けた
終戦とともに音楽の師で盲目だったヨーゼフ・ラボールに作曲した作品で演奏会を始め、両腕のある演奏家と遜色ない実力に一流のピアニストとしての名声を得る
製作中に揉めながらも、モーリス・ラヴェルリヒャルト・シュトラウスといった一線の音楽家の楽曲を演奏することができた

一方、ルートヴィッヒもまた対ロシア戦線へ志願兵として加わり、パウルが右腕を失ったことなどから絶望に陥り、トルストイによる聖書解説本を読みふけって危機を脱する
戦後書き上げた『論理哲学論考』において、その構成がトルストイの解説本と類似している箇所があるとか。この難解な作品はその後に多くのフォロワーを生むにいたるが、ここから彼のとった行動が凄まじい
もはや哲学の仕事をやり遂げたと考えた彼は、学者の世界を捨て去り、全財産を寄付して、普通の仕事につこうとするのだ。小学生の先生になったときには、どついた生徒が失神する事件を起こして職を追われている
ケンブリッジ大学では数少ない理解者であるバートランド・ラッセルやマクロ経済学を生んだケインズらと交際した

ルートヴィッヒの同じ高校に通っていたアドルフ・ヒトラーが巻き起こした情勢は、ウィトゲンシュタイン家を大きく揺さぶることとなる
1938年には、第一次大戦で小国となったオーストリアへ工作し、独墺合邦(アンシェルズ)に成功。概ねそれに反対していた一家は、新体制への迎合を迫られる
しかし、ユダヤ人を選別する悪名高きニュルンベルク法がネックに。3代遡って3人のユダヤ人がいたと認定されたことから、本人たちの自覚がないままに“ユダヤ人”と認定されてしまう
そして、パウルが愛人ヒルダと子を為していたことを、“ユダヤ人”でありながらアーリア人に手を出したとしてに問われるのだ! 憤ったパウルは国外へ脱出し、母子もスイスへ逃れさせる
ここに至って、ウィトゲンシュタイン家は完全に引き裂かれた。結婚してアメリカ国籍を取得したグレートル(マルガレーテ)は、米独を往復して、家族の救助や財産の保全に奔走するが、これに関して2人の弟は関与しないし役に立たない
身も蓋もない家族間の相互不信もあらわになって、形骸化していた大家族が崩壊していくのだ
サブタイトルに「闘う家族」とあるが、一致して闘うわけではなく、それぞれがそれぞれの状況で闘うのみであり、下手すれば家族同士で闘うこともあるので、タイトルに偽りありだろうか(苦笑)
まずは忘れられたピアニスト、パウルの伝記として、家族を通した歴史の資料として読める一書である



『覇王の家』 司馬遼太郎

『新史 太閤記』と扱っている年代がかぶってた




250年余の長きに渡って日本を統治した“覇王の家”徳川家は、いかにして生まれたか。徳川家康と三河武士の関係を軸に、今川家の人質時代、三方原の戦いから小牧・長久手の戦いまでをたどり、日本人に及ぼした影響を探る

徳川家康という人物が捉えきれないのか、奇妙な小説となっていた
人間の欲望が沸騰していた戦国時代から、大人しい江戸時代の人間が生まれたのは、天下を取った三河武士の気質が影響を及ぼしたのではないか。そして、それは今の日本人の性格にも影響している
そういった仮説から、徳川家康と三河武士の関係を描いていくのだが、主人公にも関わらず家康は不思議な立ち位置にある。信長にしろ、秀吉にしろ、明快なキャラクターをもって登場していたのに、家康に関しては遠くから眺めるような距離があるのだ
三方原の無鉄砲さと石橋を叩いて渡らぬ慎重さが同居し、容易に底が割れない不気味さがどうも小説の主人公として座りが良くない。それは司馬が家康を好きになれなかった理由にもなっているのだろう

尾張国と三河国は現在、同じ愛知県にあっても、戦国時代においてその地域性はだいぶ違う。尾張国河川が密集していて商業が発達し、自然と人間も軽快さと投機性を持ち合わせたのに対して、山がちな三河国堅実で保守的な人間を育んだ
戦国人らしく時勢によって主君を変える尾張衆に対し、三河衆は鎌倉以来の地域内の関係を大事にする。後に天下を制した集団は、実はもっとも時勢に遠い感覚で生きていたというのだ
松平家はもともと山間部の豪族であったが、近隣の酒井家などと連合し、家から英傑が出たときに平野に出て、ようやく大名に近い存在となった。その有り様を遊牧民が農耕民を征服して国家の体を為し始めたと比較するのが面白い
そうした三河武士と家康の関係は単なるご恩と奉公の関係では説明がつかず、信者と教祖(しかも救世主!)に近い。今川家に人質へ出されたときにも、居城の岡崎城を乗っ取ろうとする重臣は現れないのだ
ただそうした熱烈な家臣たちに対して、家康の側も独裁者として振る舞うのではなく、古くからの序列と格式を守った上で操縦している

初出が1973年なので、当然ながら今となっては廃された通説を採用しているところも多い。しかし、そこから掘り下げる読みは侮れない
長男・信康の切腹に関しては、徳姫経由の情報による信長の命令としつつも、酒井忠次が弁解しなかったところに注目。徳川家(松平家)と三河武士の関係を守らない信康に対して、三河衆の代表である忠次が廃嫡を促したとするのだ
家康の正室・築山殿のみならず、信康も人質として駿河で育てられており、三河衆とは縁が薄い。家康も宿老たちと波風立てる後継者を放置できなかった。この部分はリアリティを感じる
また、石川数正の出奔は三河の外の世界を正当に評価できるゆえに、愛郷心と忠誠を疑われて三河衆から追い出された感じで、何やら日本の中小企業体質を思わせる
いろんな華が咲いた江戸時代を、三河武士の作った灰色の時代とするのは短絡的だと思われるが、随所に鋭い洞察があり。作者本人が苦手な題材なのに、なんだかんだ楽しく読ませてもらった


関連記事 『新史 太閤記』



『ツイン・ピークス ファイナル・ドキュメント』

登場人物にとっての25年間




『ツイン・ピークス』脚本家マーク・フロストによる設定資料第二弾
“文書”を読み終えたタミー・プレストンが、クーパー捜査官の“第二の失踪”の後にツイン・ピークスに居残って、その住人たちを中心に調査した記録となっている
『シークレット・ヒストリー』アメリカの黒歴史を広げた壮大な前史であったとすると、本書はドラマには描ききれなかった登場人物の裏側に触れる、設定資料集らしい設定資料集といえるだろう
特に怒涛の展開の『シーズン2』の最終話に、『リミテッド・イベント・シリーズ』(シーズン3)に突如語られた1945年から1956年のモノクロシーン、といった分かりにくいシーンの補足になっている
正直言って、特に“シーズン3”は断片的なシーンが多くて、視聴者には提示される謎以上に見づらいところがあって、本書があってこそ、推測を確定な事実にし、それを踏まえた真相に向かうことができるのだ
まあ追い銭を払わないと分からないというのは、ドラマとしてどうかとは思う(苦笑)

『シーズン2』から“シーズン3”の25年間、登場人物たちに何があったかについてはちゃんと明かされる
旧作でクーパーと結ばれかけて、新作にまったく出てこなかったアニー・ブラックバーンは、助け出された後に意識こそ回復したが、ブラック・ロッジで魂を奪われたのか、廃人同然になってしまった
最初は義姉ノーマが看病していたものの、精神病院に入り回復の見込みは薄いとか
銀行爆破事件に巻き込まれたオードリー・ホーンは、3週間ほどの昏睡状態から目覚めた後に、父ベンジャミン・ホーンから独立。妊娠していたが、ベンと離婚した母シルヴィアの手を借りつつも、1人息子リチャード・ホーンを育てる
父親の名は誰にも明かさず、DNA鑑定もせず、店にクーパーの写真を飾っていたという。その後、金銭目的付き合いの長かった会計士(チャーリー?)と結婚するも、酒浸りに不倫疑惑と荒れた生活を送り、いつのまにか公の場所から姿を消したという
ちなみにベンとオードリーが絶縁状態になった原因は、ベンがゴースト・ウッドの森にある私有地を売却し、民営の刑務所に迎えたことで、そこの所長には“シーズン3”で連邦刑務所に収監された黒クーパーを解放したドワイト・マーフィーも含まれている
黒クーパーの魔の手はツイン・ピークスにも及んでいて、リチャード・ホーンも見張られていたのかもしれない

旧作の登場人物でもっとも華々しく活躍したのは、意外にもドナ・ヘイワード
シーズン2最終話で家庭が崩壊した後、ニューヨークへ移って、バイトでやっていたモデル業が大ヒット。セレブと浮き名を流すほどに上り詰める
IT企業の創業者と結婚して順風満帆とおもいきや、ダグラス・ミルフォードの未亡人ラナと遭遇してからは、ドラッグとアルコール中毒で転落してしまう
絶縁していた母アイリーンの死をきっかけに、存命していたウィル・ヘイワードと和解し、ウィルの助手として看護師の勉強に励んでいるとか
ちなみに、ラナは次々と金持ちと結婚し、それに翡翠の指輪(緑の指輪)を送って早死させていたらしい
ドナの恋人、ジェームズ・ハーリーはローラの事件のショックで、長らくツイン・ピークスに戻らず。メキシコの麻薬カルテルの整備工をしていたときに捕り物に巻き込まれ、ツイン・ピークスの保安官事務所預かりとして戻ってくる
そこからエド・ハーリーのガソリンスタンド、グレート・ノーザン・ホテルの警備員として落ち着いたようだ

意外だったのは、クーパーの“第2の失踪”での変化だろう
クーパーは異界のフィリップ・ジェフリーズを訪ね、ローラ事件の当日夜に転移し、ローラを連れ出すことで彼女の死なない未来を作り出してしまった
しかし、そこで世界が2つに分岐したわけでなく、ローラが死ななかった場合として世界が再構成されているのだ
ツイン・ピークスではローラ殺人事件はローラ失踪事件へと代わり、一年後にリーランド・パーマーがピストル自殺している。クーパーは失踪事件の捜査にやってきて、数週間滞在したことになっている
不思議なのは、調査しているタミー・プレストンが、ローラの殺人事件がかつてあったことを知っていること! ツイン・ピークスの人間の記憶は調整されても、彼女には及んでいないのだ。及んでいると、語り部としての役目が果たせないからだろうが、精霊たちの采配も雑である(苦笑)


まだ『クーパーは語る』は読んでいないけれど、最低限の材料は揃ったのは、過去の記事に追記しつつ、なにか記事をあげたいと思ってます。浅く雑なものになるだろうけど


関連記事 『ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー』

シーズン1 『ツイン・ピークス シーズン1』 序章・EP2

『ツイン・ピークス シークレット・ヒストリー』

『ファイナル・ドキュメント』とセットな感じ



ツイン・ピークスの町に何が起こっていたのか。全米をにぎわしたUFO騒動に、インディアン移住問題までもが関わってくる町の裏面史

『ツイン・ピークス』脚本家マーク・フロストによる設定資料第一弾
未解決事件(ルース・ダヴェンポート殺人事件)の現場から発見された文書とされていて、ゴードン・コールの許可を受けたタミー・プレストン文書の「管理者」を読み進めながら特定するミステリーともなっている
内容は19世紀前半のアメリカ政府によるツイン・ピークスの“発見”から始まって、ネイティブ・アメリカンへの迫害、アメリカ全土を揺るがしたUFO騒動と政府の対応、ロケット科学者とオカルト教団と大きく迂回しながら、その奔流を再びツイン・ピークスに流し込む構成で、シーズン3の壮大な物語を補足するものになっている

前半は特にツイン・ピークスにかこつけて、アメリカの闇の歴史に触れているといっていい
第3代大統領トマス・ジェファーソンの政権を転覆せんとした副大統領アーロン・バーのクーデター計画ジェームス・ウィルキンソン将軍の裏切りなどは、なかなか日本人の耳に入らない史実だし、ロズウェル事件などのUFO騒動に国家予算を割いて調査と収拾を迫られたことや、イギリスの神秘家アレイスター・クロウリー→ロケット工学者“ジャック”・パーソンズ→サイエントロジーの教祖ロナルド・ハバードと続くカルト教団の系譜も興味深い
そうした歴史的事実に関わっていくのが、シーズン2でただのにぎやかしだと思われたツイン・ピークス・ガゼット新聞社の社長ダグラス・ミルフォード
彼は第二次大戦中の不祥事から、マンハッタン計画の特殊部隊を経て、1947年のロズウェル事件などから生まれたUFO調査の「プロジェクト・サイン」へ参加する。そこからUFO騒動の火消しをする「プロジェクト・グラッジ」から、科学的調査をするブルーブックも参画し続けた
そして、ニクソン政権下の1969年に「ブルーブック」が終結しかかったが、大統領の肝いりでダグラス・ミルフォードは、FBIの協力者ゴードン・コールらと極秘に活動する組織(「ブルーローズ」?)を結成し、空軍からガーランド・ブリッグス少佐を呼んでツイン・ピークスにレーダー基地を建設したのだ
ドラマでは孫ほど年の離れた新妻ラナに鼻を伸ばしていた御仁が、これほどの重要人物だと誰が思おうか(笑)。そうなると、彼の急死がラナによる暗殺説も浮上しそうだ

ツイン・ピークスの前史として気になるのは、"丸太おばさん”こと、マーガレット・ランターマン
1947年9月3人の小学生が謎の失踪を遂げていて、無事に帰ってきたものの右膝にフクロウのタトゥーが彫り込まれていた(残りの2人の子供のうち、1人がトレーラーハウスの管理人であるカール・ロッド
その後、パッカード製材所の職人サムと結婚するが、直後の山火事で婚約者をなくし、告白を受けたグラストンベリー・グローヴ近く(ブラックロッジの入り口!)であの丸太を見つけるのだ。丸太が彼女を通して発していたのは、「赤い部屋」からのメッセージなのだろうか
そのほか、ハンク・ジェニングスが刑務所でルノー一家に刺されて、死の淵ですべての罪を告白したとか、銀行爆破事件でアンドルーとピートを失ったキャサリンは製材所を廃業してベンジャミン・ホーンに権利を譲ったとか、リミテッド・イベント・シリーズに登場しなかった人々についても触れている
まだまだ謎は残るものの、ファンなら買って損のない資料集といえよう


関連記事 『ツイン・ピークス ファイナル・ドキュメント』

シーズン1 『ツイン・ピークス シーズン1』 序章・EP1

『ツイン・ピークス ローラの日記』 ジェニファー・リンチ

アマゾンで注文して届かなったので(物がなかったのだろう)、珍しくキンドルで『シークレット・ヒストリー』と『ファイナル・ドキュメント』を入手。ページ数が多いので、読むのに時間がかかりそう




『ツイン・ピークス』で事件の真相に迫る重要な証拠となった「ローラの日記」を書籍化したもの
著者がデヴィッド・リンチの娘、ジェニファー・リンチであり、ローラの視点から闇に堕ちていった女子高生の孤独と悲劇が語られている。その赤裸々な告白は、ぶっちゃけ官能小説の色彩すら帯びる
テレビシリーズや劇場版で触れられなかった人間関係やエピソードが知れる一方で、重大な欠点もある
なんとローラが殺された以降にも、日記が書かれているのだ(爆)
彼女が殺された日は1989年2月23日なのだが、日付ありのページの最後が1989年10月31日で、「片目のジャック」をやめたので女支配人のブラッキーの妹ナンシーから最後の給金と荷物を受け取ったことが書かれている
テレビでは「今夜、Jに会うのが心配」というのが最後の記入となっているのだが、そういった記述は一切ない
そんなわけで、本書で書かれた内容をすべて字義どおり受け止めていいかは微妙なところだ

日記は彼女の12歳の誕生日、1984年7月22日から始まる
彼女が生まれたのは1972年、親友ドナ・ヘイワードの父、ウィル・ヘイワードによって取り上げられた
12歳の誕生日には、父リーランド・パーマーのお得意さんであるベンジャミン・ホーンから一頭のポニーがプレゼントされ、トロイと名付けられる。後にトロイは病んだローラによって野に話されたが、野生で暮らした経験のないトロイは無惨な死を遂げて、彼女を精神に大きなダメージを与える
ベンジャミンの娘オードリーは、自分との扱いの差に嫉妬して、ローラと距離を置くようになったようだ
また、ジュピターという猫を買っていたが、不幸な交通事故死を遂げた。彼女が薬物中毒になった際、自身がトラックで猫を轢いてしまい、これまた大きな衝撃を与える

彼女がコカインへ手を出す原因は、悪霊“ボブ”から逃れるためだった
ラリっている間は“ボブ”が姿を見せないので、売人であるレオとボビー・ブリッグスから手に入れるために肉体関係を持つことに
それでも“ボブ”はつきまとうので、不特定多数との性交妊娠中絶(!)『片目のジャック』での売春と、鬼神も退くような悪女街道を突き進んでいく
その一方で、RRダイナーのノーマとともに、家から出られない人々に食事を届ける「ミールズ・オン・ウィールズ」に協力し、「第二の日記」を託すハロルド・スミスと知り合っている。ハロルドには強引に関係を迫ったが、逆にパニックを起こさせてしまったと反省している
また、パッカード製材所の未亡人ジョシーに英語を教えたり(香港の水商売上がりと把握している)、オードリーの兄で知的障害者のジョニー(シーズン3にようやく登場!)に絵本を読んであげたりと、評判どおりの天使の側面も残していた

“ボブ”の名前は当初から出てくるが、シリーズを見通してしまうと、12歳の誕生日翌日(1984年7月23日)のところが気になる
夢の中の“ボブ”はシーズン2のりーランドのように歌い続け、ローラに悪戯したあとにセーラ・パーマーが好きな「ワルツィング・マチルダ」(オーストラリアの民謡)を歌い、その声は途中で母の声となる!
シーズン3に露呈したセーラの正体を知れば、家に“ボブ”を入れたのは……
ちなみに、ワルツィング・マチルダは放浪者の歌であり、羊を盗んで追われ湖の溺死を選ぶという内容で、それが暗示するのはローラの行く末なのか




TVシリーズ 【DVD】『ツイン・ピークス シーズン1』 序章・EP1



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