本郷猛(=池松壮亮)は何者かに拉致され、人体改造を受けていた。しかし謎の女性・緑川ルリ子(=浜辺美波)に連れ出され、バイクに乗って脱走。合流した緑川弘博士(=塚本晋也)から、ショッカーによって本郷が“バッタ・オーグ”に改造されたことを告げ、自らも所属するその組織を壊滅して欲しいという
そこへ追手の“クモ・オーグ”が現れ、博士を絞殺。本郷もルリ子を取り戻すため、戦いを挑む
巷の不評の割に、視聴後は悪く思えなかった
1971年放映の初代『仮面ライダー』をベースに、庵野流のアレンジを加えたリメイク作品で、冒頭はクモ男からの流れを踏襲しつつも、後半は緑川家内の葛藤というオリジナル展開を遂げる
不評の原因のひとつは、冒頭の掴みに失敗したこと
管理人は初代ライダーのみ(!)を再放送で知っているからついていけたが、カーチェイス→緑川博士→クモ・オーグとの対決の流れは、初見では分かりづらい
怪人たちのキャラクターが立っているし、ライダーが殺人を悔やむところなど、深掘りしている部分もあるだけに惜しい
テレビの特番(?)だと、監督と現場のスタッフの齟齬が流されていたが、むしろ問題なのは脚本だと思う
『シン・ウルトラマン』でもアニメ的な、ほばエヴァな脚本が目立ったが、今回はそれが悪く出た。「用意周到」「心すっきり」など口癖のキャラ立ては分かりやすかったものの、心の中で思っていることを全部、台詞で説明してしまう
語らずとも表情でうかがわせるとか、そうした演出がほぼなく、豪華な俳優陣も宝の持ち腐れだった
これこそ、アニメと実写を作るときの大きな違いで、CGで埋められない場所なのだろう
アクションに関しては、ショッカーライダー6人対ダブル・ライダーの部分が、暗くて何をやっているか分からないぐらいしか不満はなく、構図の美しさに惚れる部分も多々ある
厳しい声が上がるのも、ウルトラマンしかり仮面ライダーが現役バリバリで動き続けているシリーズだからであり、充分に見どころのある作品であるのだ
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