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【DVD】『野獣死すべし』(1980年版)

忘年会後に風邪をひき、さらに寝てるうちに舌を噛んで流血という、多難
年末の予定が完全に狂ったわ


野獣死すべし 角川映画 THE BEST [DVD]
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都内で岡田警部補(=青木義郎)が刺殺されて、拳銃が奪われる事案が発生。その銃は警部補が関係するカジノバーの襲撃に使用された。犯人は元通信社で、今は翻訳を手がけながら、クラシックが趣味として悠々自適の生活を送る伊達邦彦(=松田優作)。伊達は次の標的に東洋銀行を定めるが、単独行動では成功は期しがたいと、荒々しい真田敏夫(=鹿賀丈史)を抱き込む。その伊達の後を、捜査一課の柏木(=室田日出男)が追いかける

『蘇る金狼』同じ作家の原作、同じ監督ながら、また一風変わった作品だった
題名にわりに、まず主役の伊達が“野獣”らしくない東大出の高学歴でクラシックが趣味、文学的教養もあると多趣味であり、表面的には現代人的頭でっかちである
元通信社での紛争地の経験と、学生時代に射撃部に属した銃の腕という背景はあるものの、ところどころでインテリ的な知識ひけらかしがあって、あくまで人に飼い馴らされない意味での“野獣”
むしろ、所構わず人を殴る真田のほうが野獣に相応しく、伊達も彼とつるみ、洗脳する過程で自らも本性に目覚めていく
映画の出来としては、展開のスムーズよりは俳優たちの見せ場重視で構成されており、優作の一人芝居は観ているだけで面白い。前野耀子が閉店したクラブで歌うなど、ちょい役でも豪華な場面が多い
頭を動かすよりも、気持ちのままノッて観る作品だ

詳しくしゃべると、ネタバレになってしまうのだが仕方ないと開き直ろう
伊達の“野獣”は、紛争地の経験から生まれた。紛争地の虐殺現場からこの世の真理を感じ取ってしまい、平和な暮らしが嘘としか思えなくなってしまった
ゆえに日本にいても、世の真実である修羅場を求めてしまい、自ら事件を起こしてしまう。一種の精神病なのである
一般の動物は自らが生きるともに、子孫を残そうとあくせくしているのだから、管理人は女を躊躇なく殺す伊達が“野獣”だと認めがたい(笑)
真田にその彼女(=根岸季衣)を殺させようとするところ、伊達にとっての“野獣”とは、「男だけの世界」なのだ
ラストシーンは映画史に残る謎エンドらしいが、あれだけ人を殺して無事に戻れるなんてありえないという、物語の力学が働いたように思える。あそこまでやって死ななきゃ、ただの悪人に終わってしまうだろう


関連記事 【DVD】『蘇る金狼』

野獣死すべし (角川文庫 緑 362-24)
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【DVD】『蘇る金狼』

今のドラマには、セックスとバイオレンスが足りない


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東亜油脂で働く平社員・朝倉哲也(=松田優作)には、裏の顔があった。プロ顔負けにまでボクシングで肉体を鍛え上げ、白バイ警官に扮して一億円を強奪。それを麻薬に変えるため、薬の売人であるヤクザや黒幕の市会議員までのしてしまう一匹狼の悪漢! 上司の経理部長(=成田美樹夫)愛人・京子(=風吹ジュン)を寝取り麻薬でたらしこみ、会社を巻き込む大汚職事件を嗅ぎつける

かなり乱暴な映画であった(苦笑)
冒頭から凄い。いきなり一億円を強奪して、そのトランクを会社に持ち込んで悠々と仕事をしているのである。見え見えのズラと、いかにもな大ぶちの眼鏡が、あまりに松田優作と不似合いで大笑いしてしまった
このヘボい扮装をした主人公が夜には好き放題に大暴れするので、只野係長が暗黒化したような感じなのだが、実際に漫画のほうでそういう影響を受けているのかもしれない。ちなみに原作小説には、ヘボく見せかける設定はなかったそうだ
作品としてはエピソードの繋ぎ方がかなり雑である。強奪した一億円のナンバーを控えられたから、麻薬に変えようというのだが、あまりに手法が乱暴で派手過ぎる。ボクサーとしての背景はあるにしても、ランボー顔負けの立ち回りはないだろうに(笑)。すべては松田優作だから許されるバランスである
リアリズムより鬱屈した会社員の願望を優先していて、山場で東亜油脂の経営陣を脅しつける場面にそれが象徴されている気がした

しかし、タイトルの『蘇る金狼』とはなんなのだろう
東京オリンピック直前の高度成長期で、社内の主人公のように人間が組織に飼い馴らされていく時代に、飼い馴らされない狼のようにということなのだろう
中盤以降、朝倉は表の世界で権力の階段を登ろうとする
会社の大株主となって社長の娘と婚約、ランボルギーニで朝の路上のど真ん中を走り抜ける。仮面のついた椅子に口づけする場面は、下克上を達成したと同時に体制に取り込まれることを意味していて、それは狼でなくなることでもあった
アウトローの世界に置いて行かれると思った女に刺されるラストは、整えられた社会では狼が存在しえないことを物語っているようだ。もっとも、男も狼に戻ろうと、海外への高飛びを考えていたのだが……
構成が残念で映画の出来としてはイマイチなのだが、風吹ジュンの、今では信じられないほど濃厚な濡れ場とか、役者さん的には非常に見所の多い作品だった


蘇える金狼 野望篇 (角川文庫 緑 362-2)
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【映画】『シン・ゴジラ』

落し物を受け取るついでに、観にいった。ネタバレ気味なので、観にいく予定の人はご注意を


東京湾に一隻の漂流船があった。海上保安庁の船が調査したところ、遺書ともとれる書類と靴が並べられていたが、そこに水蒸気の噴射が隊員たちを襲う。東京湾で起きた異常現象に内閣官房副長官・矢口蘭堂(=長谷川博己)は、ネットの動画からUMO(未確認生物)の可能性を口にするが、会議では一笑に付される。しかし、巨大な尻尾がテレビ映像に流れるや、空気は一変。蘭堂は内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹(=竹野内豊)と連携し、巨大不明生物特設災害対策本部を立ち上げる

でこぼこしているものの、いい特撮映画だった
謎の怪物ゴジラに対して、日本人が存亡を賭けて立ち向かう内容であり、名高い初代への原点回帰といえる。主役は文句なしにゴジラで、この一作のなかで何段階も進化を遂げ、“新ゴジラ”に相応しい様々な驚異を見せてくれた
対する人間側は、政府要人、官僚、自衛隊といった上層部に焦点が当たっていて、前半は彼らの想定外の事態に対する形式的な対応、報告の繰りかえしに終始してしまって、主人公格の蘭堂はそうした群像の一人に隠れてしまうほど
しかし中盤以降、ゴジラが首都中枢への脅威となることで、蘭堂ら対策本部のチームが直接の被害者となり、ようやくギアが入る。アメリカが破局的な解決法を決めたことで、蘭堂たちが東京の、日本の命運を背負うこととなるのだ
最後の作戦に向けての、蘭堂の訓示は役者さんの演技もあってまさに迫真である

膨大な情報を2時間以内に収めるためか、ひとつひとつの場面が小さく刻まれ過ぎて、その消化に視聴者はけっこうな負担を強いられる。特に対策本部の尾頭ヒロミは短い尺の長台詞が多く、市川実日子の中の人も大変である(てっきり田畑智子だと思ってました)
監督が監督だけあってか、普通の民間人の視点が綺麗に欠けていて、前半は特に他人事のような距離感がある。ニコニコ動画やツイッターを通して把握するようなリアルさがある反面、蘭堂が守るとする「国民」の姿が見えないという難点もある
途中でアメリカの特命大使として石原さとみが出てきて、邦画特撮の伝統的な緩さ(!)を見せつつも、特に恋愛要素もなく終わるとか、自分の不得意な部分は徹底的にそぎ落としていくという潔さは、良くも悪くも監督の個性を感じさせる
第一形態の使徒のような暴れ方、ゴジラの背中から出る驚きの対空ビーム、切り裂かれる高層ビルに、張り飛ばされる電車と、映像的な見所満載であり、その点では劇場でこそ観るべき作品である
ラストには、ゴジラの尻尾に絡み合った異形の姿もあって、作品内で単性生殖の可能性に触れられるなど続編への伏線がたっぷり。このテンションで新エヴァも完結させて欲しいものだ


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【DVD】『デビルマン』

酷いもの見たさ その2


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不動明(=伊崎央登)は、科学者の息子・飛鳥了(=伊崎右典)と幼馴染。怪物好きの了はなにかと問題を起こし、明がかばう関係だった。ある日、了は科学者の父が死んだとして明を実験室へ呼ぶ。そこでは、了の父(=本田博太郎)が寄生生命体・デーモンに合体された異形の姿となっていた。了もデーモンと合体したという告白に驚くが、直後に明もデーモンの寄生体をその身に受ける。しかし、明はデーモンにならず、人の心を残したデビルマンとなる

たしかに噂に違わぬ、凄い出来だった(苦笑)
原作を短い尺に落とし込もうとした影響で、ぶつ切りのシーンが続いてしまい、特に序盤が意味不明。主演の双子を中心に演技が酷く(この時点で芝居未経験、それを補うような演出的な工夫もない
日本なのにボブ・サップのキャスターが英語のニュースを流し続ける、ジンメン(人間時は船木誠勝)固い甲羅の部分をパンチされて息絶える、銃口を向けた警官隊が日本刀で簡単にやられる、追い詰められたデーモンたちがわざわざ撃たれるように出てきて死亡する(コニシキが万歳してそのまま死ぬとは思わなかった)などなど、まさに失笑を禁じえない場面が多かった
宇崎竜童・阿木燿子夫妻に出番が多い反面、小林幸子、的場浩司、キタロウなどなんだか豪華なカメオ出演があって、演技力の不均衡が目立った。なぜにこういうキャスティングになったのだろう
いっそ、どこかの事務所がごり押しで介入したほうが良かったかもしれない。夫婦で監督と脚本とか、某ガンダムシリーズを思い出させるが、限られた尺で何を見せるのか、撮りきる環境があるのか、という今の実写映画に続く問題がある。この映画から10年経って、どれぐらいマシになったろうか

たしかに酷かったのだけど、原作の精神は比較的守られていたのではないか
デーモン狩りに乗り出す人間たちは、無実の同胞をも血祭りに上げていく。魔王ゼノンなどの強敵も出てこないので、後半は原作のテーマである人間の持つ暗黒面、醜悪さへと焦点が当たる
ヒロインの美樹(=酒井彩名)がしっかり生首になっていたのは評価したい


デビルマン BOX [DVD]
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【DVD】『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』

若松プロダクションのマークは、赤い星に銃がそそりたつ


実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]
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安保反対、ベトナム戦争反対の学生運動がたけなわの1960年代、遠山美枝子(=坂井真紀)重信房子(=伴杏里)は共産主義者同盟(第二次ブント)へ共に参加する同志だった。ブントが解散後に赤軍派へ流れた二人だったが、重信房子は国外に拠点を作るべくレバノンへ出国する。赤軍では議長の塩見(=坂口拓)らが逮捕されたことで森恒夫(=地挽豪)が実権を握り、永田洋子(=並木愛枝)の革命左派と合流して連合赤軍が誕生する

連合赤軍の青年たちがなぜ、残酷な総括を行い、あさま山荘事件を起こしたのかを三時間に渡って追いかける
あくまで連合赤軍の視点なので、抑制が効きながらもシリアスでヒロイックに描かれる
前半は総括の犠牲者である遠山美枝子に焦点があたり、第二次ブントから塩見率いる赤軍派が生まれる経緯に始まって、当時の世相や国際情勢、学生運動の展開などが報道映像を交えて詳細に描かれていく。丁寧に触れてはいるが、若い世代からすると、なぜ当時の若者が共産主義に夢を託せたか、その大前提に触れてないので理解しにくいだろうか
中盤には、山岳キャンプにおける「総括を生々しく取り上げる。遠山の化粧・長髪問題から始まり、猟銃の傷、パンタロン、恋愛、妊娠と、様々なことが指弾の対象となって犠牲者が増えていく。木に縛られた同志に帰還した者が驚く様は、もはやホラー映画である
総括の口火を切るのは森と永田であり、永田はブサイクで嫉妬深い女性と通俗的に描かれている
クライマックスは遠山に対する総括であり、総括死した小嶋和子の死体を埋めさせるのみならず、自ら顔を殴ることを要求され、永田に鏡を突きつけられて腫れ上がった顔に号泣するのだった

ここで映画が終わればよかったが、さらに50分続く。「あさま山荘への道程」と言いながらも、山荘事件そのものも描いてしまうのだ
山岳ベース事件後は、永田の事実婚相手、坂口弘(=井浦新、ARATA名義)に焦点があたる。永田はキャンプから離脱する際に森との事実婚に踏み切り、坂口と別行動をとる
監督が自らの別荘を取り壊して、セットにするという肝いりの撮影である。山荘をめぐる攻防戦はたいへんな迫力で、「警察との殲滅戦」という彼らの本懐「警官を殺すために映画監督になった」という若松考二の思いが重なったようだ
ただし、坂口のイケメンな描かれぶりは危うく、未成年の加藤元久(=タモト清嵐)「僕たちに勇気が足りなかったんだ」と言わせる軌道修正も足りていない
森の自殺を潔さのように見せる演出といい、監督自身が当事者たち以上に事件を総括できていないのではないだろうか
三時間釘付けにさせる凄まじい絵力を持った作品だけに、イイハナシダナーに堕ちていく違和感がぬぐえなかった
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【BD】『ガッチャマン』

酷いもの観たさで


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世界は謎の機械軍団ギャラクターに襲われ、人類は危機に瀕していた。国際科学技術庁(ISO)の南郷博士(=岸谷五郎)は、ブルーストーンへの適合者がギャラクター兵士のバリアを破れることに着目。科学忍者隊ガッチャマンを組織する。リーダーの鷲尾健(=松坂桃李)たちは東京で開催されるISOの議場を防衛するが、そこへISOヨーロッパから移籍したジョージ浅倉(=綾野剛)が合流した。健とジョーには、かつて同じ女性を愛した因縁があった

巷間でささやかれるほどの酷さではなかった
野球に喩えると、序盤に大量失点してコールド負け同然、観る価値なしという酷さではなく、1回から9回まで細かく失点して33-4になるような酷さなのだ
なんだ、結局は酷いんじゃないか。まあ、ずるずるは観てしまえるのである
平和な世界をテロ組織から守るという原作アニメから、すでに欧州がギャラクターに占拠されるという世紀末的状況に世界観がアレンジされていて、かなりシリアスなストーリーとなっている。正直、ガッチャマンである必要がないといえば、ないのだ
CGを駆使した映像は迫力あるものの、主人公たちの行動とそこから生じる結果にズレがあってしっくりいかないところも多い
代表的なのが、冒頭に議場へと転がっていくタイヤ型鉄獣メカ(?)を巡るものだ。東京都心を壊滅させる爆弾が仕掛けられていて大月ジュン(=剛力彩芽)がギリギリ解除するお約束展開はともかくも、転がるタイヤそのものをどう止めるかという問題が放棄されている。物理法則はどこへ行ったのだろうか
壊滅的な駄作とまで言えないまでも、金を使ったわりに分かりやすいミスが多いことに非難が集まるのだろう

*ごり押しで有名な剛力ちゃんに関しては、演技がそれほど酷いとは思わない。パンチラキックなどのお色気が売りのジュンをあてること自体がミスキャスト(あまり胸がないのに、わざわざ前を開けたドレスを着せるとか)
元がボーイッシュなのに、事務所の上戸先輩の後釜にスライドさせられたところに、彼女の不幸がある


本作のガッチャマンはブルストーンの適合者を無理矢理、戦士に仕立て上げて戦わされている。南郷博士もただ立場の上から「犠牲になれ」と求めるだけで、健もまた仲間に「掟への服従」を唱えるのみだ。チームの空気は最悪である
「何のために戦うか」。この問題に対して、健は終盤において「一死多生」を認めないと言い出す。人類のために一人が死ぬのはおかしいというのだ。身近な仲間を救えずに人類が救えるかというなら分かるのだが……
ヒーローに自己犠牲を否定させたことが最大の原作ぶち壊しといえるだろう
そして、主人公が求めるエンディングへたどりつくために、やけに衛星レーザーの起動が遅いとか、都合よく敵要塞が衛星の近くに浮上するとか(普通、最初から圏外にいるものだろう。というかいつの間に宇宙へ上がったん!?)、香ばしいラストを迎えてしまった
それでいて続編含みのラストカットを入れるのだから、失笑物である
しかし、あまりにいい具合に突っ込み所が多いせいか、近場のTUTAYAではロングセラーSFコーナーに置かれていた。語り継がれる作品なのだ、悪い意味で


科学忍者隊ガッチャマン ブルーレイBOX<15枚組> [Blu-ray]
松竹 (2012-10-19)
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【DVD】『おっぱいバレー』

借りづらいタイトル


おっぱいバレー [DVD]
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戸畑三中の男子バレー部の部員たちは部活動を放り投げ、放埓な毎日を送り「バカ部」と呼ばれていた。そこへ巨乳の女教師・寺崎美香子(=綾瀬はるか)が顧問としたやってきたことで状況は一変する。バレー部としてのまともな活動を求める美香子は、部員たちに「地区大会で一勝したら胸を見せる」と約束してしまったのだ。目の色を変えた部員たちは、新入部員を体を張って守り欠員を確保、美香子も本格的な練習を始める

昭和ノスタルジーを誘う作品だった
舞台は1979年(昭和52年)の北九州。ストーリーはスポ根もののの王道で、ダメ部員が新任教師を迎えてスポーツに目覚め、大会へ向けて必死に頑張るというもの。ただし、その起因となるのがタイトルどおり、「おっぱいである(笑)
部の現実に絶望した新入生を「みんなで、おっぱいを見よう」で迎え入れ、最後の大会が迫るや「おっぱいを見ることが、先生へ俺たちができる恩返しだ」という境地(苦笑)に到る。美香子もよりを戻そうとする元カレを「わたしだけのおっぱいじゃないから」と蹴る。すべてが「おっぱい」で転がっていくのだ
普通の邦画とかだと、押し付けのような善意やベタな感動が用意されていてげんなりしてしまうが、この作品は「おっぱい」で突破している。こういう潤滑油が映画では大事!
昭和の十代の性知識がひとつのテーマ(?)であり、走り抜ける空気から「おっぱい」の感触を想像し、捨てられたエロ本を秘密基地で隠れ読み女子更衣室にロマンを馳せる。管理人の年代からは10年以上ズレるけど、感覚として充分についていけた
あの頃はDカップがとんでもない巨乳に思えたが、時代は変わるものである。今の若者はネットから無尽蔵にエロ情報が洩れすぎて、ここまでの妄想はすまい
物語は美香子がいかに教師となったか、また過去に心ならずも生徒を裏切ったことからどう立ち直るかに掘り下げられていく。大人しい国語教師だった彼女がたくましく部員に檄を飛ばすほどに変貌し、彼女が生徒ともに成長する文字色物語でもあるのだ
やや演出が大人し過ぎて起伏にとぼしく感じる部分はあるものの、要所には懐かしの名曲が流れ昭和ノスタルジーに満ちた良作である


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綾瀬はるか ・・・揺れる17才。 [DVD]
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【DVD】『長州ファイブ』

前後半の落差が残念


長州ファイブ [DVD]
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1863年。生麦事件に刺激された長州の過激藩士は、建設中の英国公使館を焼き討ちする。高杉晋作(=寺島進)を首班とする御楯組のなかに、伊藤俊輔(=三浦アキフミ)山尾庸三(=松田龍平)の姿もあった。しかし周布政之助(=矢島健一)は将来のためにイギリスへの留学を画策し、井上聞多(=北村有起哉)に人選を命じた。井上の誘いで山尾も誘われることなり……

ややまとまりに欠けるが、なかなか硬派の映画だった
冒頭の生麦事件が凄惨で忠実な描写に始まり、続いて英国公使館(予定)をドカン! さらに伊藤と井上の女好きネタを盛り、それに付き合うように象山先生(=泉谷しげる)もハッスルと、出港するまではサービスシーンが盛りだくさん
しかし、いざイギリス行きの乗り込むと、作風が一変して渋くなる
とくに英国艦隊との戦争を受けて井上と伊藤が帰国すると、真面目な技術習得とお勉強の話になり作品のテンションが下がって行く。前半の井上は山尾よりはるかに存在感があるので、後半の完全フェードアウトするのは解せない
山尾とエミリーのエピソード自体は良かったが、前後半の空気があまりに違いすぎた。前半は場面が細切れだし、製作委員会の介入を疑ってしまう

長州五傑(長州ファイブ)の渡航自体は、正確に追われているようだ
イギリスの総領事に密航を相談したところ、一人1000両いると要求され、メンバーが5人に増えたところで5000両もの大金が必要となってしまった。藩からもらった費用は一人200両である
その穴埋めをするために、伊豆倉商店の番頭佐藤貞次郎に相談し、鉄砲購入資金を留守居役の村田蔵六に強引に拠出させている。映画のように蔵六が暖かく応援したかは定かではない(苦笑)
5人のうち、井上聞多(→井上馨)伊藤俊輔(→伊藤博文)は有名だが、イギリスに残った3人もそれぞれ明治政府の要人となった
遠藤謹助は、造幣局で近代貨幣制度を整え、大阪造幣局の桜を一般解放する「桜の通り抜けを始め、今も大阪の風物詩となっている
野村弥吉(→井上勝は、ロンドンで蒸気機関を学び、明治政府で鉄道庁長官などを歴任。その敷設に尽力して、日本鉄道の父を呼ばれた
山尾庸三は、工部卿など工学関係の要職を歴任し、東京大学工学部の前身、工学大学校を設立。身体障害者の教育問題にも取り組み、初の盲唖学校を開いた
作品の整合性や構成が残念だけど、5人の中で山尾を取り上げ、近代化の影まで視野に入れたことは評価したい


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【DVD】『零戦燃ゆ 』

早見優の方言がかわいい


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(2015/05/20)
加山雄三、堤大二郎 他

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1941年12月8日、浜田正一(=堤大二郎)は、ゼロ戦のパイロットとしてフィリピン沖で初陣を飾った。浜田は友人の水島(=橋爪淳)とともに海兵団を脱走しようとした過去があった。そこをテストパイロットの下川大尉(=加山雄三)にゼロ戦を見せられ、その機体に惹かれていく。浜田はパイロットとして、体質の弱い水島は整備士として、戦争を迎える

堀越二郎(=北大路欣也)が出るので期待していたら、一場面だけだった(苦笑)
浜田と水島、飛行機工場の近くで働く静子(=早見優)との青春ドラマを絡ませながら、開戦から終戦までのゼロ戦の興亡を追っていく
冒頭はほのぼのとしてBGMが流れる謎演出(笑)で違和感を禁じえなかったが、中盤から戦況が苦しくなるにつれ、シリアスにまとまっていく
山本五十六(=丹波哲朗)の護衛に失敗するというフィクションも、海軍の性質を描くきっかけとして使われていて構成は上手い。俳優の芝居に一昔の邦画らしい癖が残るけれども、戦闘機の造形が素晴らしく、特撮にも力が入って見所が多い

原作が柳田邦男(國男じゃないぞ)のノンフィクションだからか、ゼロ戦の革新性と欠点を具体的に説明していて、敵の戦闘機も紹介されていく
ゼロ戦の紙装甲は「人間を使い捨てにする設計思想」として批判している。会議の場面では海軍の将官が「攻撃が最大の防御」と発言していて、陸海軍に共通する攻撃主義が強調されていた
ゼロ戦最初の強敵はB‐17フォートレスで、20mm機銃でもその装甲は貫通できなかった
さらにF4Uコルセアなど、ゼロ戦の限界を超えた高高度で戦える機体の登場で、得意の格闘戦に持ち込めなくなり劣勢を強いられていく
紫電改など次期戦闘機の構想そのものはアメリカよりそれほど遅れてなかったが、工業力の違いから配備に決定的な差が出たようだ


零式戦闘機 (文春文庫)零式戦闘機 (文春文庫)
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柳田 邦男

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【BD】『小さいおうち』

女中さんは見た!


小さいおうち Blu-ray小さいおうち Blu-ray
(2014/08/08)
松たか子、黒木華 他

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大学生の健史(=妻夫木聡)は親戚ともに、亡くなった大叔母のタキ(=晩年:倍賞千恵子)のアパートを片付けていた。健史はタキに自叙伝を勧めていて、最後の原稿を手にする。十代の頃にタキ(=黒木華)は東京に上京し、最初の奉公先の紹介で、平井家の女中に上がる。奥さんの時子(=松たか子)は女学校での清楚な美人で、家はモダンな赤レンガ。厳しい北国で育ったタキにとって、夢の空間だった

いい映画だった
2010年に直木賞をとった中島京子の小説が原作で、タキの回顧録から女中の生活、戦前の東京、道ならぬ恋が描かれる
現代の感覚からすると、平井家の「ちいさいおうち」は到底ちいさく思えずド派手な赤レンガは楳図かずおの邸宅を思わせる(苦笑)。しかし現存する古い家(管理人の祖父母のとか)と比較すると、二階建てが少し贅沢かなというぐらい。昔の家は広いのである
脚本はだいたい想像を裏切らない台詞が続く、ベタなものだが、不思議と飽きない。それを裁く演出がよく、豪華な俳優陣の演技が圧倒的で、昭和初期の風景ともに気持ちをさらわれていく
原作の反映か分からないが、時子の不倫のみならず、タキと時子、友人の睦子(=中島朋子)らの場面では百合的なお肌のふれあいも強調されていて、性の輝きが映画に色を添えている
しかし、ラスト30分の現代パートは完全に蛇足。画竜点睛を欠いたか

作中では戦後教育を受けた健二が、タキの語る日本を戦前を美化していると指摘し、タキが「何も知らないんだね」と諭す場面がたびたび登場する
「世田谷・九条の会」の呼びかけ人が撮ったとは思えない方向性で、それだけ歴史と向き合う気持ちが強いのかもしれない
日中戦争の開戦当初は平井家に集まる連中も楽観的で、近衛文麿の株が異常に高い南京陥落したときには、これで戦争が終わると各地で「戦勝記念バーゲンセールが催された
しかし、泥沼化して国家総動員法が施行されると、旦那さん(=片岡孝太郎)の玩具会社は製品の木造化を余儀なくされ、アメリカの経済封鎖などから景気は一気に悪化していく
そして、真珠湾の日を迎えるが、酒屋のおっさん(=螢雪次朗)も万歳しすっきりしたと叫び。タキも「新しい時代が始まるように思えた」と書き記す
戦争を経た人間が忘れようとした感覚が、フィクションの中で再現されている

「小さいおうち」で驚くのは、家の中身が現代とあまり変わらないことだろう
特に坊ちゃんの部屋は、間取りや家具も洋風一色で、今と何が違うといえば玩具ぐらいだ
しばらく前にNHKで戦前の映像に色をつけて再現するドキュメントがあったけど、戦前の東京は戦後と見まがうネオン街だった
女中さんが狭い部屋で寝泊りするように、階級格差は激しかったにしろ、現代人が生活する文化みたいものは戦前に始まっていて、戦後の経済成長を通して地方までその様式が波及したということなのだろう


関連記事 『小さいおうち』(原作小説)

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サイドバー背後固定表示サンプル

サイドバーの背後(下部)に固定表示して、スペースを有効活用できます。(ie6は非対応で固定されません。)

広告を固定表示させる場合、それぞれの規約に抵触しないようご注意ください。

テンプレートを編集すれば、この文章を消去できます。