『ベルセルク』 第39巻 三浦建太郎

物語はやっと中盤?


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三浦建太郎
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ガッツたちは大航海ののちに妖精の島にたどりついた
妖精の島は同時に魔法使いの島でもあり、一行に案山子や野菜の化け物をけしかけたのは、余所者を警戒する魔法使いたちなのであった。そんな保守的な彼らのなかでも、禁忌の守護者を放ったお騒がせ魔女モルダは、今後のストーリーに絡んできそう。ガッツのパーティは何人まで増えるのであろう(苦笑)
シールケの師匠と大導師が知り合いだったことから、すんなり受け入れられキャスカの正気取り戻すために、妖精の女王‟花吹雪く王”との謁見に臨むのであった

大導師たちによって、転生したグリフィスが行ったことが説明される。本巻は半ば説明回である
彼らが大幽海嘯と呼ぶのは、天界と地上界と冥界をつなぐ「世界樹」が顕現し、幽界の力が猛威を振るうこと。グリフィスが世界樹を封印していた「霊樹の森」をつぶし続けることで、世界を変えてしまった
ガッツはグリフィスの目的を問われるが、「国盗り」であると同時に「それは手段であり、さらなる高みを目指すこと」と答える
大混乱の世界のなか、首都ファルコニアの周辺のみに秩序が残されていて、グリフィスは偽救世主として統治している。果たして、彼の目指すさらなる高みとは、なんなのだろう

後半はシールケとファルネーゼによるキャスカの夢探検。いまいち、活躍の場のないファルネーゼにお鉢が回ってきた。ナニのシーンでなぜにシールケの目を塞ぎ、自分は見たのであろう(笑)
ともかくも、シールケの登場以降の傾向なのだが、幅が広がった反面、作品に丸みが出てしまったのが寂しい。ガッツら三人で酒を飲む場面は、妙に主人公の人格が出来上がってしまって違和感を覚えてしまった
初出から30年近い時間は、作品に変化を与えずにいられないだろうが……


前巻 『ベルセルク』 第38巻
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『ベルセルク』 第38巻 三浦建太郎

リッケルトにも、強力なお仲間がつく。どこまでキャラを増やす気なの


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前巻から三年は経っただろうか? ようやくの38巻である
元鷹の団の鍛冶屋リッケルト幼妻エリカは、新生鷹の団のアーヴァインに助けられ、グリフィスが建てた王国「ファルコニアを訪れる
かつてウィンダム城があった場所には、信じられないほどの荘厳な城が建てられ、城下には魔獣に追われた難民が集まり、かつてない喧騒を極めていた
リッケルトは元鷹の団の経歴から、グリフィスにその真意を訪ねようとする。城ではたどりつけなかった難民たちの一人一人の葬儀が行われており、シャルロット姫はおろか法王自身までが祝福を行う。なんと、グリフィスは法王庁まで取りこんでいたのだ。モズグズ様が見たら、どう思うだろうか
そして、人間と使徒を結びつける力を持つ「鷹の巫女」ソーニャが、死んだ難民の魂を呼び出してしまう。一見、文明的に見える「ファルコニア」は現世と幽界の境がなくなってきているのである

リッケルトは新生鷹の団の幹部ログスに連れられ、ファルコニアの裏側を見せられる。人間たちの住む区画と離れた場所に、ファルコニアの主戦力である戦魔兵たちが押し込められていたのだ
ガッツが戦ってきたいわゆる使徒である彼らの力によって、ファルコニアの秩序は保たれている。鷹の団の犠牲によって、クリーンな覇者として君臨するグリフィスをリッケルトは許せないが、一種の均衡を認めざる得ない
読者はゴッドハンドの連中との取引を知っているから、グリフィスをアンチキリスト(偽救世主)と見なすこともできるけれど、何も知らずに住んでいる市民からすると平和の使者なのだ
綺麗な社会の裏に制御できない暴力がうごめくという構図は、近代社会への暗喩にも感じられて気味が悪い。市民に夢を見せて扇動し、クリーンな世界を作ろうという動きは、全体主義的なのであ~る

最後の数話はガッツ一行の妖精郷(エルフヘルム)へと赴く。そこの畑で襲い掛かるのが、巨大な案山子(スケアクロウ)!
思わず『案山子男』を連想してしまった。作者もきっと観ているんじゃないか(笑)


次巻 『ベルセルク』 第39巻
前巻 『ベルセルク』 第37巻

関連記事 【DVD】『案山子男』
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『ベルセルク』 第37巻 三浦建太郎

こんな脇のエピソードでも全力投球。作者のライフが心配



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いやあ、感動した
海神編物語が間延びする危険を感じていたのだけど、締めは見事見事
ガッツが腕ずくで解決するかと思いきや、そうもいかない。鎧に喰われて死にそうになるところを、イスマたち人魚族の助けを借りて克服する
その光景の美しいことと来たら!
たんに引き伸ばしのエピソードだと思っていました。サーセン(笑)
イスマが母親と再会したのに、ガッツたちについてくるのは意外で、どういうポジションにつくのかな

海神編の次はガッツの若き日の物語「遠い日の春花。これは連載順ではなくて、海神編の合間に入れられた短編のようだ
負け戦で囚われたガッツは同じ捕虜に騙され、牢屋のなかではネズミを食い殺して飢えを凌ぐ。この妥協なき中世がたまらない
それと対照的に花の妖精とのやりとりは癒し系で、殺伐として世界を描いたからこそ許せる甘さがある
妖精たちに善のポジションを与えていることが、作品世界にささやかな安らぎをもたらす
このバランス感覚には敬服する

最後は再び本編に戻り、元の鷹の団リッケルトと嫁(で良かったか?)が登場。彼らと魔物の戦いに奇怪な狩人アーヴァインが現れる
リッケルトたちはグリフィスの首都ファルコニアに逃れるようで、次巻では千年王国の実体に触れられるようだ


次巻 『ベルセルク』 第38巻
前巻とか 最近読んだマンガ(11’11月)
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最近読んだマンガ(11’11月)

更新が空いているので、なんとなく投稿
気になって買ったマンガの1巻目が、手がつかずで積読されている今日この頃ですが

天―天和通りの快男児 (4) (近代麻雀コミックス)天―天和通りの快男児 (4) (近代麻雀コミックス)
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東西対抗戦が始まっている6巻まで読んでいて、12巻まで購入しているが、4巻のことに触れたい
3巻までの記事で、「素人のひろゆきを切り、真剣勝負のギャンブル漫画に舵を切った」(キリッ
などど書いていたのだが、あっさりとひろゆきが戻ってきてしまったのだ
しかも、何かひろゆきが博徒として開眼したというわけでもなく、人数が足りないのでアカギが連れてくるという(笑)
4巻は東西対抗戦に向けて麻雀打ちを集めていて、天が浅井銀二を説得している。おそらく後何人かの説得で話を作り、そこにひろゆきをかませる予定だったと思う
でなければ、アカギが残り全部を連れてくるというのは強引すぎる
たぶん、編集部から早く東西戦を始めろ、と要求されたのだろう


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話は相変わらず進まない
表紙でカイジがロープに巻かれているから勝負が始まったわけでもなく、無理矢理話を盛り上げるためか和也が三人の連携を解こうと陰険な策謀を巡らせたりと低調になってきた
あまりに露骨で、もう少し悪魔的に誘導してくれないと盛り上がらない
この三人の勝負をカイジと和也がギャンブルにするんだと思ったのだけどなあ
映画の続編が始まったせいか、プレミア特装坂がコーナーで売られていた
しかし、語録カレンダーつきで1750円とか一体何を考えているのやら
本編のマンガより高い付録とかありえない。出版社は何か考え違いをしているんじゃないか


ベルセルク 36 (ジェッツコミックス)ベルセルク 36 (ジェッツコミックス)
(2011/09/23)
三浦 建太郎

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これも話は片付かないが、納得はいく
ラスボスと直接対決で決着がつきそうなところで、相手の内臓に入って一勝負という凝った展開なのだ
いかにも引き延ばしなんだけど、こういう延ばし方があったかと納得させられてしまう
このベルセルクも来年1月に映画が公開されるようで、帯の作者の文が振るっていた
「・・・14年前の私の技量もつたなく、連載を続けるだけで必死でした(つっこむなよ!)・・・」
分かっているじゃないすか(笑)
その右下に作者が原稿を前に昇天しているイラストがあったりして、まあ仕方ないね


ベルセルク次巻→『ベルセルク』 第37巻
ベルセルク前巻→『ベルセルク』 第35巻
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『ベルセルク』 第35巻 三浦建太郎

世界が生まれ変わった

ベルセルク 35 (ジェッツコミックス)ベルセルク 35 (ジェッツコミックス)
(2010/09/29)
三浦 建太郎

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グリフィスは巨大化したガニシュカを葬りさり、新世界の扉を開いた。ガニシュカの体は世界樹と化し、光の向こうに新しい都が浮かび上がっていた。とうとう、その都の全貌が明らかに・・・というところで、話はガッツの船に戻る(笑)。新世界誕生後、地下や異界にいた怪異たちが地上に姿を現わしたということで、海上のガッツたちにも異形の怪物が襲いかかってくるのだ
生まれ変わった世界の変容を見せつつも、以前出した雑魚キャラを流用する中継ぎ的な巻。鷹の国(ファルコニア)のイメージが固まっていないので、ひとまず時間稼ぎといったところか
中継ぎと言っても、この作者に手抜きはなし。豪快な怪獣との戦いを見せてくれる

まさか、ロデリックを見せるだけのイベントとして登場した海賊がこういう使われ方をするとは思わなかった
気持ち悪い海洋生物を模した怪獣と戦う一方で、海賊の船長“髭骸骨”がやけに人間的でガッツたちとの会話する。そのグロテスクとユーモアのギャップが非常に効いていて、無茶苦茶面白いのだ
笑いという面では、シリーズ随一の面白さだろう
他にも、島の中心にクトゥルーに似た海神が祭られていたり、気持ち悪い怪物を遠くから眺めて「ウミウシ」「ナマコ」と言わせたり、と作者が中継ぎのエピソードなのに楽しんで描いているのが分かる

話が遠大すぎてちゃんと終わるのか、心配になるシリーズである。僕が初めて手にとったのは、10年以上前の大学生の頃なのだ
しかし、本巻で作者は長期連載となる中でも、着実に腕を上げ円熟していることが分かった。こうなると、50巻ぐらいで終わるのは惜しい気になる(笑)
ここまで来たら、グイン・サーガみたく100巻近くまで行ってくれないかなあ(無茶)


次巻とか 最近読んだマンガ(11’11月)
前巻 『ベルセルク』 第34巻
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『ベルセルク』 第34巻 三浦建太郎

そういえばベルセルクはゲームにもなっているんだっけ
中古でみっけたら買ってみようかな

ベルセルク 34 (ジェッツコミックス)ベルセルク 34 (ジェッツコミックス)
(2009/09/25)
三浦 建太郎

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いよいよグリフィスガニシュカの最終決戦に突入
ガニシュカがウルトラマンの怪獣並に巨大化したので、グリフィスが一騎打ちで蹴りをつけると思ったが、急にガニシュカの根元から使徒が湧きだして“新鷹の団”ら連合軍と合戦になる
その合戦でグリフィス率いる戦魔兵の正体が魔物であるとバレるが、巫女の一喝で人間の兵隊も覚醒(!)。魔物と手をとりあって、ガニシュカの使徒たちと戦う
わざわざ巨大化しておいてから合戦の展開は少し不自然だが、このシーンが描きたいから合戦させたわけだ
今まで魔獣(使徒)だとバレてないのはご都合過ぎる気もする。それでも、この巻での話のもって行き方自体は悪くない
果たしてあの巫女ちゃんが向こうに逝っちゃっている人間か、こちら側に踏みとどまっている人間なのかが今後も含めて非常に気になる

その後、グリフィスはガニシュカの元に訪れて対峙するが、骸骨のおっさんが出てきて意外な展開に
何気にガニシュカ人間時代の回想なんかが入って、趣深かった
そして、ガニシュカが消滅して世界に光が溢れる!
この巻の最終話は、生まれ変わった世界の一枚絵ばかりが並べられて画集のようだ。雑誌を読んでいたら話を飛ばされた気になるだろうが(笑)、どの一枚絵も力が入っている
人魔が共に住む世界とはどんなものなのか。それがゴッドハンドの理想なのか
グリフィス側にもそれなりの大義名分が用意されているようで、俄然面白くなってきた
その反面、20世紀少年みたいに気軽に社会を転覆させて、その後の話のバランスがおかしくならないか不安もある。上手く大風呂敷を畳んでもらいたいが・・・
ともあれ、狡いほど上手いヒキですな


次巻 『ベルセルク』 第35巻
前巻 『ベルセルク』 第33巻
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『ベルセルク』 第33巻 三浦建太郎

連載の長いベルセルク。学生時代に13巻当たりを読んでいた。2巻から13巻の“蝕”までが回想(!)という、ぶっとんだ漫画である
少女漫画で西洋ファンタジーの作品はいくつもあったが、漢向けでこれほど骨太のファンタジー作品は滅多にない


ベルセルク 33 (33) (ジェッツコミックス)
(2008/10/24)
三浦 建太郎

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港町の長い死闘を終え、ようやくエルフハイムへ出航
お約束(?)とも言える海賊が登場で海戦へ。おのぼり坊ちゃんと思われたロデリックが本領発揮する
時代考証的に反則の大砲を連発し、三隻の海賊船を無力化する
イース船強すぎ、トラファルガー海戦レベルじゃないの。ガッツの大将の白兵戦が見たかったな
ガッツを中心とするラブコメは、余り波乱なくキャスカで収まる展開のようである。ファルネーゼもシールケも控えめだ
グリフィスに一蹴されたガニシュカは、部下の生命力まで吸い取った巨大化。なんと城よりも巨大な軟体動物に変化する。それに踏みつぶされる人々の図はまさに阿鼻叫喚。迫力ある描写だ
特撮もんの怪物になったガニシュカだが、偽救世主グリフィスの肥やしになるんだろうなあ。むしろ、グリフィスを信じちゃった人の裏切られっぷりに注目か

ベルセルクは序盤とだいぶ趣が変わってきている
当初は、ファンタジーの『北斗の拳』といったところ。文字通りの怪物に対し、人間離れした大剣を使いこなす重戦士が立ち向かう。主人公の類型としてはコナンに近いか
何よりもガッツの物語だった。彼が戦う理由を描くため、なが~い回想まで用意された
が、ここに来て流れが変わってきた。彼の物語というより、群像劇に近づいてきている。戦いもまた、ガッツ無双の図からチームワーク重視にシフトしている
それは何故か?

一つには、巨大な敵を設定しすぎたからだ
すでに人間の限界に近い能力を持つガッツは、肉体的、技術的にこれ以上成長できない。普通の使徒を倒すのが限界である
そのままでゴッドハンドに挑むなど及びもつかない。仲間やマジックアイテムの助けがいる。戦闘の演出でも「量」と「量」のぶつかり合いは、すでにインフレ気味なのだ
もう一つは、ラブコメ。多角関係を持ち込み、恋の鞘当てで話を回そうとしているように思える
これはハードボイルド展開だった前半に比べ、違和感がある。無理に普通のファンタジーものに近づけた感じだ。話の展開に困って編集者が何か持ちかけたのか、と勘ぐってしまう
悪い意味で話に丸味が出てしまって、独自性が薄れてきた。今風に迎合して欲しくないなあ

が、まだどうなっていくか興味は尽きない
何故、グリフィスが世界を手にしようと欲するのか、まだ分からない。ただ、友を失った、謀反にされ出世の道を失っただけではないだろう。何か、語られていない過去があるはずだ
また、神のごとき巨大な敵との力のギャップをどう穴埋めしていくのか注目。ほんと、どうするんだろうなあ


次巻 『ベルセルク』 第34巻
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